起立性調節障害とは

眠れないまま朝になった時の対処法|仕事・学校はどうする?原因や対策も解説

2023年8月9日

この記事の監修者

医師 錦惠那

医師 錦 惠那

内科一般・腎臓内科・透析科・産業医
保有資格:日本内科学会内科専門医・日本医師会認定産業医
2018年から起立性調節障害患者の診療を行い、累計30人以上の起立性調節障害患者を担当。

一般社団法人 起立性調節障害改善協会

睡眠に問題を抱えている人は多く、「一睡もできずに朝がきてしまった」ことを経験された方も多いと思います。

全く身体を休めることができず、身体のだるさや気分も重くなってしまい、その状態で登校や出勤しなければならず、非常に苦しい一日になってしまいます。

こちらの記事では、眠れないまま朝になった時の対処法を中心に、一日の過ごし方や病気の可能性などについて解説していきます。

起立性調節障害(OD)改善ガイドブック

眠れないまま朝になったときの対処法

眠れないまま朝になった時の5つの対処法

一晩眠れないまま朝を迎えると、だるさや強い眠気が残り、不安を感じることもあると思います。まずは無理をせず、その日の体調に合わせて負担を抑えて過ごすことが大切です。

ここでは、眠れないまま朝になったときに、仕事や家事、学業をどう乗り越えるか、具体的な対処法をわかりやすく紹介します。

朝におこなう基本の対処法

  • 朝日を浴びる
  • 冷たい水で顔や首を冷やす
  • カフェインを適量摂る
  • 軽めでも朝食をとる
  • 15〜20分程度の短時間の仮眠をとる

朝に光を浴びたり、食事をとることで体内時計がリセットされやすくなり、乱れたリズムの立て直しにつながります。また、冷たい水で顔や首を冷やす、カフェインを適量とるといった方法も、一時的に眠気を軽減するのに役立ちます。

強い眠気が残る場合は、15〜20分程度の短時間の仮眠をとることで頭がすっきりしやすくなりますが、長く寝すぎると夜の睡眠に影響するため注意しましょう。

眠れないまま朝を迎えた日のNG行動

  • 長時間の昼寝
  • 夕方以降の仮眠
  • カフェインの摂りすぎ
  • 無理な運動

特に長時間の昼寝や夕方以降の仮眠は、夜の眠りに影響し、悪循環につながる可能性があります。また、カフェインの摂りすぎや無理な運動も体への負担となり、かえって体調を崩すことがあります。体調を整えるためにも、その日の過ごし方には注意が必要です。

その日を乗り切るための過ごし方

  • 重要な作業は午前中に行う
  • 無理に頑張りすぎない
  • こまめに休憩をとる
  • 可能であれば早めに帰宅する

睡眠不足の状態では集中力や判断力が低下しやすいため、負担の大きい作業は避け、できる範囲で過ごすことがポイントです。特にミスが許されない作業は早い時間帯に済ませ、無理をせず体調を優先する意識が大切です。

関連記事:眠れない時におすすめの飲み物7選|控えるべき飲み物も紹介

起立性調節障害(OD)改善ガイドブック

眠れないまま朝になったときの仕事・学校への対応

一晩眠れていない状態では、体だけでなく脳も十分に休めていないため、普段通りのパフォーマンスを発揮することは難しくなります。無理をせず、体調に応じた判断が大切です。

特に判断力や集中力が低下しやすいため、その日の予定や体調を踏まえて「休むか・行くか」を無理のない範囲で考えることが重要です。

休むべきか判断する目安

  • 強い眠気で集中できない
  • めまいや頭痛がある
  • 何度もぼーっとしてしまう
  • 日常生活に支障が出ている

このような状態が見られる場合は、無理をせず休むことも選択肢の一つです。特に安全面に不安がある場合は注意が必要です。

通勤・通学中の事故リスクや、業務・授業への影響が大きいと感じる場合は、体調を優先した判断を検討しましょう。

無理して行く場合の注意点

  • 優先順位をつけて行動する
  • 無理のない範囲で作業する
  • こまめに休憩をとる
  • できるだけ早めに帰宅する

どうしても外出や出勤・登校が必要な場合は、無理に通常通り過ごそうとせず、負担を抑えながら行動することが重要です。その日は早めに休むことを意識し、次の日に備えましょう。

特に重要度の低い作業は後回しにし、ミスが起きやすい作業は慎重に対応するなど、無理をしない工夫も大切です。

眠れないまま朝になったときの運転の注意点

また、通勤や通学で運転が必要な場合は、特に注意が必要です。

睡眠不足の状態での運転は、注意力や判断力が低下し、事故につながるリスクが高まると考えられます。実際に、居眠り運転による事故も報告されており、注意が必要です。

できる限り公共交通機関を利用し、運転は避けることをおすすめします。

どうしても運転が必要な場合は、カフェインを適量摂取する、こまめに休憩をとるなど、眠気対策を行いましょう。

また、強い眠気を感じる、信号の変化に気づくのが遅れる、標識の見落としが増えるといった状態が見られた場合は、無理をせず速やかに停車し、休息をとることが大切です。

関連記事:眠れない時は病院を受診するべき?症状別に受診したほうがよい場合を解説

関連記事:眠れない時に考えられる6つの病気-セルフチェックや生活上の注意点を解説

眠れない原因とは?主な原因と考えられる要因

眠れない原因とは?

眠れない原因は一つではなく、ストレスや生活習慣の乱れ、スマホの使用によるブルーライトの影響など、さまざまな要因が関係していると考えられます。

また、こうした一時的な要因だけでなく、体調や病気が背景にあるケースもあります。まずは自分に当てはまりそうな原因を把握することが大切です。

なお、眠れない原因については下記の記事で詳しく解説しているので、あわせて参考にしてみてください。

一時的な不眠(ストレス・生活習慣)

強いストレスや不安、生活習慣の乱れなどによって、一時的に眠れなくなることがあります。仕事や学校、人間関係の悩みなどが影響するケースも少なくありません。

このような不眠は一時的であることも多いですが、状態が続くと慢性化する可能性もあります。まずは無理をせず、心身を休めることが大切です。

生活リズムの乱れ(昼夜逆転など)

就寝・起床時間が不規則になると体内時計が乱れ、眠りにつきにくくなることがあります。夜更かしや休日の寝だめなども、リズムを崩す要因とされています。

特に昼夜逆転の状態が続くと、自然な眠気が来にくくなるため注意が必要です。毎日同じ時間に起きることを意識するだけでも改善につながると考えられます。

スマホ・ブルーライトの影響

就寝前にスマートフォンやパソコンを使用すると、ブルーライトの影響で脳が覚醒し、眠気が妨げられることがあります。

特に寝る直前まで画面を見る習慣がある場合は注意が必要です。できるだけ就寝前はスマホの使用を控え、リラックスできる時間を確保することが大切です。

病気が関係しているケース

不眠が長く続く場合は、睡眠障害や自律神経の不調、起立性調節障害などが関係している可能性も考えられます。

生活習慣の見直しでも改善しない場合や、日常生活に支障が出ている場合は、早めに医療機関への相談を検討することが重要です。

眠れない状態を繰り返さないための対処法

一度眠れない日があると、「また眠れなかったらどうしよう」と不安になることもありますよね。こうした状態を繰り返さないためには、日々の生活習慣を少しずつ整えていくことが大切です。

無理にすべてを変えようとする必要はありません。できることから少しずつ見直していきましょう。

生活リズムを整える

毎日同じ時間に寝て起きることを意識すると、体内時計が整いやすくなります。特に「起きる時間」を一定にすることがポイントです。

朝はカーテンを開けて日光を浴びるなど、自然なリズムを取り戻す習慣を取り入れてみましょう。

睡眠環境を見直す

寝室の明るさや温度、音などは、思っている以上に睡眠に影響します。眠りにくいと感じる場合は、環境を少し見直してみるのもおすすめです。

部屋を暗くする、静かな空間をつくるなど、リラックスできる環境を整えていきましょう。

運動習慣を取り入れる

日中に体を適度に動かすことで、夜に自然な眠気が来やすくなるとされています。激しい運動でなくても、軽い散歩やストレッチから始めてみましょう。

無理のない範囲で続けることが、睡眠リズムを整えるポイントになります。

ストレスを溜め込まない

ストレスが続くと、自律神経のバランスが乱れ、眠りにくくなることがあります。「最近少し疲れているかも」と感じたら、意識的に休む時間をつくってみましょう。

入浴や好きなことに時間を使うなど、自分なりのリラックス方法を取り入れていくことが大切です。

下記記事では、眠れない時の対処法を詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

もしかしたら起立性調節障害かも

起立性調節障害は、自律神経のバランスが乱れることで、朝起きられない・午前中に体調が優れないといった症状が見られる病気です。特に思春期の子どもに多く見られるとされています。

午後にかけて回復する一方で、夜は眠れず生活リズムが崩れることもあります。

実際に、小学生〜高校生の子どもを持つ保護者を対象にした調査(n=243)では、「子どもが朝起きづらいと感じることがある」と回答した人が約8割(時々ある43.6%、よくある38.3%)にのぼりました。

お子さまは「朝起きづらい」と感じることがありますか?

引用元:「朝起きづらい」と感じる子どもは約8割 見逃してはいけない起立性調節障害のサインを調査

このように朝の起きづらさは多くの人が経験する一方で、頻繁に続いたり日常生活に支障が出ている場合は、単なる生活習慣の乱れだけでなく、自律神経の不調が関係している可能性も考えられます。

眠れない状態や体調不良が続く場合は、無理をせず医療機関への相談も検討しましょう。

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