疲れているのに、なかなか寝付けない、眠れないことがあると思います。眠れない、眠らないといけない、と意識するとさらに眠れなくなってしまうこともあるのではないでしょうか。
実に70%程度の方が睡眠に対して何かしらの不満があり、悩んでいると言われています。こちらの記事では、眠れない時に考えられる病気や対処方法について解説していきます。
眠れない時の対処法
眠れない時にまず介入できることとしては、生活習慣の見直しがとても重要です。生活習慣が乱れていると睡眠へも影響します。
具体的には、バランスのとれた食事をできているか、就寝時間や睡眠時間、寝室の環境は適切か、適度な運動をしているか、ストレス発散・気分転換ができているかなどです。それ以外にも、眠れない時に効果的な対処法をご紹介していきます。
入眠前の入浴
湯船につかることは健康に良い影響を与えることが非常に多いです。全身の血行を良くし体を温めることで、冷え性の改善、血流促進、代謝の亢進などの影響が期待できます。
また、入浴することでリラックス効果を得ることもできます。一般的に、私たちは体内深部の温度が下がると眠くなるという性質がありますので、入浴で体を温めることで、お風呂あがりに体温が下がっていくことで、自然と眠りへと誘導してくれます。就寝の1~2時間程前にぬるま湯につかることが大切です。
入眠前のリラクゼーション
アロマを焚いたり、穏やかな音楽をかけて寝る前のリラックスできる環境を整えることも効果的です。
副交感神経に働き身体をリラックスさせることで眠りにつながります。
温かい飲み物を飲む
こちらも副交感神経を優位に活性化させ眠りやすくする効果があります。就寝前にコップ1杯程度のホットミルクや生姜湯などをゆっくりリラックスしながら飲むようにしてみてください。
注意点は、カフェインを含む緑茶やコーヒーなどは控えることです。カフェインは眠りを阻害する働きがあるためカフェインを含まない温かい飲み物を飲むことがポイントです。
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運動習慣をつける
基本的に、私たちは日中活動することで自然と日が落ちた夜には眠りにつくことができる状態になっています。
適度な運動習慣は睡眠を促すことができます。また、睡眠前に少しストレッチなどをすることも効果的です。
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眠れない時のツボ
眠れない時に押すと良い代表的なツボを3つご紹介します。
百会(ひゃくえ)
両方の耳を結んだ線と後頭部と鼻を結んだ線の交わる場所であり、ちょうど頭のてっぺんのど真ん中にあるツボです。
身体の真ん中を流れる気の通り道にあるツボであり、自律神経を整え、不眠に効果的です。また、鼻が通り、目や肩の疲れ、頭痛改善にも効果的です。
失眠(しつみん)
足裏かかとの中央にあるツボで、不眠に対し比較的即効性が期待できます。
不眠解消以外にも、下半身の冷えやイライラなどの自律神経症状の改善にも効果的です。
内関(ないかん)
前腕の内側にあり、手のひら側の手首から指3本分肘側に位置しています。自律神経の乱れを改善させることで不眠解消効果があります。
また、乗り物酔いなどで見られる吐き気や胃の不調を改善させる効果もあります。
これらのツボ以外にも、耳をマッサージすることで自律神経を整えることができるためおすすめです。平衡感覚をつかさどる内耳は自律神経と密接に関係しており、自律神経をコントロールするためには「耳」を刺激することがおすすめです。
東洋医学・中医では、耳には各臓器への連絡網である経絡が豊富にあり、耳のツボ(経穴)をマッサージ、刺激することで、めまいや立ちくらみなど自律神経症状を改善させることが期待できます。
例えば、掌で耳全体を後ろから前へ倒すことを繰り返し行ったり、耳全体を握ってぐるぐると回すことだけでも効果的です。休憩時間や入浴中、テレビを見ながらでも手軽にできます。30回程度、ゆっくりと丁寧にマッサージしてみてください。
眠れない時に行ってはいけない行動
眠れない時、最も行ってはならないのがスマートフォン操作です。なかでも、スマートフォンで動画見ることは眠りを最も遠ざけることと言っても過言ではありません。スマートフォンからはブルーライトが放たれ、睡眠を誘導するメラトニンという物質の分泌量を低下させてしまうのです。
また、スマートフォンはテレビなどと異なり、眼からの距離が非常に近いためブルーライトを比較的大量に浴びることになってしまいます。動画を10分見ることはカフェインが含まれているコーヒー5杯分程度の覚醒度とも言われており、夜間のスマートフォン操作は控えて頂く方が良いと考えます。
関連記事:眠れない時は病院を受診するべき?症状別に受診したほうがよい場合を解説
眠れない時に考えられる病気
ここまでご説明してきました生活習慣やストレス、日光不足や夜間のスマートフォン操作で不眠を来すこと以外の原因としては病気が考えられます。
概日リズム障害、睡眠時無呼吸症候群やうつ病などその他多くに病気があります。
概日リズム障害
体内時計によって睡眠や覚醒のリズムを整えていますが、この体内時計が乱れることで睡眠時間が夕方に早まってしまったり、就寝時間が来ても眠気が来なかったりします。
睡眠時無呼吸症候群
睡眠中に一時的に無呼吸になり、日中の眠気や集中力低下、体のだるさなどが出現し、将来的には高血圧、心不全などの心血管系への影響もある病気です。
睡眠中は無呼吸のため、良質な睡眠が得られず睡眠障害を伴います。
うつ病
はっきりとした原因はわかっていませんが、精神的・身体的ストレスなどを背景に、脳の働きに何らかの不調が起きることで発症するとされています。
気分が落ち込み、何事にも興味が持てなくなり、食欲低下や睡眠障害を来し、疲れやすく、日常生活に支障をきたす場合も多い病気です。気になる症状がある場合は医療機関を受診しましょう。
関連記事:眠れない時に考えられる6つの病気-セルフチェックや生活上の注意点を解説
もしかしたら起立性調節障害の可能性も
起立性調節障害という病気をご存じでしょうか。この病気は思春期によく見られる病気の一つであり、睡眠に支障を来します。起立性調節障害は自律神経である交感神経と副交感神経の調整のバランスが崩れることで様々な症状がみられる病気です。
典型的には、朝起き上がれない、午前中は頭痛やめまい、ふらつき、全身倦怠感などの様々な症状が見られ調子が悪く、午後にかけて次第に症状が改善します。
午前中は集中力や注意力が散漫で、ベッド上やソファーで横になっていることも多く、午後には症状は改善していき、逆に就寝時間になっても眠気が見られず、夜更かしをしてしまう状態になります。
起立性調節障害は睡眠の質やリズム障害を来します。眠れない以外にも、体調不良が続いている場合、早めに医療機関を受診することをおすすめします。以下の記事では、起立性調節障害のセルフチェックについてご紹介しております。是非一度ご覧ください。
◆起立性調節障害のセルフチェックリスト(子ども)|すぐにできる診断テスト
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