睡眠に問題を抱えている人は多く、「一睡もできずに朝がきてしまった」ことを経験された方も多いと思います。
全く身体を休めることができず、身体のだるさや気分も重くなってしまい、その状態で登校や出勤しなければならず、非常に苦しい一日になってしまいます。
こちらの記事では、眠れないまま朝になった時の対処法を中心に、一日の過ごし方や病気の可能性などについて解説していきます。
眠れないまま朝になった時の5つの対処法
眠れないまま朝になってしまった場合、仕事や家事、学業など一日をどのように乗り越えれば良いのか。眠れないまま朝になった時の対処法をご紹介します。
朝日を浴びる
私たちの睡眠と深く関わっているのがセロトニンという物質です。セロトニンは日中に日光を浴びることで生成され、午後にはメラトニンという別のホルモンに変わります。メラトニンが増えることで眠気を来し、夜の睡眠に導きます。
また、日光に浴びることで体内時計をリセットする効果もあります。
日光に浴びることが少ない場合、夜間の眠りが浅くなり、体内時計もズレてしまい生活習慣が乱れる原因になります。起床後は朝日を部屋に取り込みましょう。単純ですが、まぶしいと人は眠りにくくなります。
冷たい水を浴びる
顔や首を冷たい水で洗ったりすることで、交感神経が刺激され効果的に眠気を覚まし、すっきりさせることができます。
カフェインを摂る
カフェインには覚醒作用があるため、眠気を覚ますためにコーヒーや緑茶などを摂取することも効果的です。
ご飯を食べる
朝日を浴びることと同様に朝食を摂取することでも体内時計をリセットすることができます。コーヒーや緑茶と一緒にできればバランスのとれた朝食を摂取しましょう。
菓子パンなどは糖質が非常に多く、血糖値を急激に上昇させ、その後血糖を低下させるホルモンが体内で分泌されることにより、急激に血糖値が低下するためより眠気が増してしまう可能性があります。
15時までに15分〜20程度の仮眠をとる
2度寝をして数時間寝てしまうと、夜間の不眠につながってしまうため、早い時間に短時間の仮眠をとるといいでしょう。
例えば、お昼休みの時間に15-20分程度の仮眠をとると頭の中がリセットされます。
関連記事:眠れない時におすすめの飲み物7選|控えるべき飲み物も紹介
眠れないまま朝になった時に仕事や学校はどうするべき?
朝日を浴び、冷水で洗顔し、朝食・カフェインを摂取してもやはり一晩眠れない状態の身体は疲労が蓄積し、脳も休まっていません。集中力や記憶力、注意力が低下し、仕事や学業などの効率は低下してしまいます。
なかなか難しいかもしれませんが、可能な方は自分の仕事量、勉強量を調整してみてください。優先順位をつけ、優先度が高いものは午前中に作業をしてしまい、優先順位が低いものは午後にゆったり行うか、別日に持ち越しましょう。
可能な範囲で仕事や学校を休むことも体調と相談してみてください。眠れないまま翌日を迎え過ごしているので、その日はいつもより早めに食事を済ませて、リラックスした時間を過ごし、早めに就寝しましょう。
関連記事:眠れない時は病院を受診するべき?症状別に受診したほうがよい場合を解説
眠れないまま朝になった時に運転はどうするべき?
睡眠不足の状態での運転は、運転中に居眠りしてしまうことも十分に考えられます。いつもより注意力や集中力が低下しているため交通事故を引き起こしかねません。実際に睡眠不足による運転での交通事故も多く発生しており、注意が必要です。
なるべく公共交通機関を利用するようにしましょう。
どうしても運転しなければならない場合、カフェインを摂取したり、こまめな休憩、目が覚めるような音楽をかけたり、大きな声で運転をしながら歌を歌ってみたり、居眠り運転を防ぐための対策を行ってください。
眠気が襲ってきたり、信号が変わったことをすぐに認識できない、標識に気が付かず出口を見落とすなどの症状が見られた場合は直ちに停車し休息をとりましょう。
関連記事:眠れない時に考えられる6つの病気-セルフチェックや生活上の注意点を解説
眠れない原因とは?
眠れない原因は様々です。
- 寝室の環境が不適切
- 睡眠前の食事やカフェイン摂取
- 不規則な生活を送っている
- 睡眠前のスマートフォン操作
- 強いストレスを感じている
これら以外にも眠れない原因が病気である可能性もあります。下記記事では、眠れない原因について詳細にご紹介しているので、是非ご一読ください。
眠れない時の対処法
眠れない時にまず介入できることとしては、生活習慣の見直しがとても重要です。生活習慣が乱れていると睡眠へも影響します。具体的には、バランスのとれた食事をできているか、就寝時間や睡眠時間、寝室の環境は適切か、適度な運動をしているか、ストレス発散・気分転換ができているかなどです。
下記記事では、それ以外にも、眠れない時の対処法をご紹介していますので、是非参考にしてみてください。
もしかしたら起立性調節障害の可能性がある
起立性調節障害という病気をご存じでしょうか。この病気は思春期によく見られる病気の一つであり、睡眠に支障を来します。
起立性調節障害は自律神経である交感神経と副交感神経の調整のバランスが崩れることで様々な症状がみられる病気です。典型的には、朝起き上がれない、午前中は頭痛やめまい、ふらつき、全身倦怠感などの様々な症状が見られ調子が悪く、午後にかけて次第に症状が改善します。
午前中は集中力や注意力が散漫で、ベッド上やソファーで横になっていることも多く、午後には症状は改善していき、逆に就寝時間になっても眠気が見られず、夜更かしをしてしまう状態になります。眠れないまま朝を迎えたり、朝方に眠気が起こることもあります。
この様に、起立性調節障害は睡眠の質やリズム障害を来します。思春期に多い病気ではありますが、大人でも起立性調節障害が見られることもあり、自律神経の調整が乱れることはあるため注意が必要です。
眠れない以外にも、体調不良が続いている場合、早めに医療機関を受診することをおすすめします。下記の記事では、起立性調節障害のセルフチェックについてご紹介しております。是非一度ご覧ください。
◆起立性調節障害のセルフチェックリスト(子ども)|すぐにできる診断テスト