- 夜たくさん寝たはずなのに朝スッキリ起きられない
- 朝スッキリ起きるためにはどうすればいいの?
このような疑問やお悩みをお持ちの方も少なくないでしょう。
朝スッキリ起きられないと、午前中の授業に身が入らず学業に遅れをきたしたり、朝の会議に集中できず仕事に支障が出る可能性もあります。そのため、朝スッキリ起きられるように早期から適切に対策を取ることが重要です。
多くの場合、朝スッキリ起きられない原因は生活習慣の乱れや、睡眠への不適切な知識であるため、自身の努力次第で比較的容易に改善することもできます。
そこで、この記事では朝スッキリ起きる方法を7つ紹介します。朝スッキリ起きるためにおすすめの食べ物や、やっていはいけないNG行動についても紹介するため、ぜひご一読ください。
朝スッキリ起きる方法7選
朝スッキリ起きるためには、日々の生活の中で睡眠時間の確保と睡眠の質の向上が重要です。睡眠時間が少く寝不足状態であることが目覚めにとって良くないことは、多くの方も知るところでしょう。
睡眠時間の確保はもちろん重要ですが、それだけでは不十分であり、睡眠の質を高く保つことがスッキリとした目覚めには必要不可欠です。そこで、ここでは睡眠の質を向上して朝スッキリ起きる方法を7つ紹介します。
身体にあった寝具を揃える
朝スッキリ起きるためには、身体にあった寝具を揃えることが重要です。不適切な寝具の使用は気づかないうちに身体にストレスを与え、睡眠の質を低下させるためです。
例えば、枕は程よい反発や高さのものにすべきであり、7cm以上の高い枕は気道を狭窄させ、睡眠中に取り込める酸素量が低下することで、睡眠の質を低下させることが知られています。
また、マットレスが硬すぎる、もしくは柔らかすぎる場合、腰骨や肩など身体の一部に圧が強くかかってしまうため、身体にストレスが加わって睡眠の質を低下させます。
以上のことからも、自身の身体にあった寝具を取り揃えることが、朝の目覚めには重要です。
就寝環境を適切化する
朝の目覚めをスッキリさせるためには、就寝環境を適切化しましょう。就寝環境は睡眠の質にとって非常に重要であり、不適切な就寝環境での睡眠は避けるべきです。
高温多湿、もしくは寒冷乾燥などは避け、心地よい湿度・室温になるようにエアコンや加湿器・除湿機を積極的に使用しましょう。また、睡眠中の音・光・振動などの刺激も避けるべきです。
いかに睡眠中といえど、これらの刺激は脳にインプットされてしまうため、脳が十分休むことができず、睡眠の質が低下します。耳栓などの防音グッズや遮光カーテンなどを使用し、これらの刺激を極力抑えると良いでしょう。
就寝直前の暴飲暴食を避ける
朝スッキリ目覚めるためには、就寝直前の暴飲暴食を控えるべきです。就寝直前に暴飲暴食すると、全身の血液の多くが消化のために胃に流れていき、相対的に脳への血流が低下するため、脳が十分休めなくなります。
また、腹部が張った状態で寝ると肺がうまく膨らむことができず、睡眠中に取り込める酸素の量も低下してしまいます。長期的に見ても、深夜の暴飲暴食は肥満の原因となり、肥満になると気道が狭くなることで睡眠の質が低下するため注意が必要です。
どんなに遅くても就寝の2時間以上前に食事を終わらせ、腹八分目程度に抑えた食事摂取を心がけるべきです。
就寝直前の入浴・運動を控える
睡眠の質の向上のために入浴や運動が重要であることは間違いありませんが、就寝直前に行うことは控えましょう。より良い睡眠を得るためには、就寝直後に深部体温が急速に低下していくことが重要であり、深部体温の下げ幅が大きいほど深い睡眠を得られることが知られています。
しかし、就寝直前に入浴や運動を行なってしまうと、深部体温が上昇してしまい就寝後も下がらなくなってしまうため、かえって睡眠の質が低下してしまうことが知られています。
そのため、入浴や運動によって睡眠の質を向上させるためには、就寝の少なくとも2時間以上前に入浴や運動を終わらせておくことが重要です。また、あまりに高温な水温での入浴や、負荷の高い激しい運動はストレスになってしまうため、控えるべきです。
ダイエットする
朝スッキリ目覚められない方にはダイエットをおすすめします。先述したように、肥満があると睡眠中に取り込める酸素量が低下してしまい、脳が十分な栄養を得られなくなってしまいます。
肥満によって首周りに脂肪が沈着し、また睡眠中は舌根沈下が生じるため、舌後方に広がる気道が狭くなってしまい、十分な酸素を取り込めなくなるわけです。
また、肥満の有無にかかわらず、アデノイドや扁桃肥大・少額・巨舌などの解剖学的理由で気道が狭くなることもあり、その場合はダイエットでの改善は見込めないため、医療機関への受診を検討すべきです。
飲酒や喫煙は控える
朝スッキリ目覚めるためには、飲酒や喫煙は控えましょう。飲酒は一時的に眠気を誘うため、寝付け薬として眠るために飲酒される方もいますが、睡眠にとっては非常に有害です。
アルコールの代謝産物、アセトアルデヒドには中枢神経系の覚醒作用があり、睡眠が浅くなることが知られています。また、飲酒によって就寝中にトイレに行きたくなってしまうため、中途覚醒が増加します。
さらに、飲酒による水分摂取や喫煙による炎症は上気道に浮腫をもたらし、気道狭窄の原因となるため、注意が必要です。可能な限り、飲酒や喫煙は控えるべきです。
起床後すぐに光を浴びる
朝スッキリ目覚めるためには、起床後にすぐに朝日を浴びる癖をつけましょう。通常は1日24時間ですが、人の体内時計は1日25時間周期とされており、通常1日1時間ずつズレていきます。
そのため、本来であれば起床時間や就寝時間は毎日1時間ずつ遅くなっていくはずですが、実際には我々は毎日同じような時間に起きて、寝ています。これは、朝日を浴びたり、通勤や朝食などのルーティンワークによって体内時計のズレが日々リセットされているためです。
起床後にまず朝日を浴びることで体内時計のズレがリセットされ、夜も同じような時間に寝ることができるようになれば、その翌朝もスッキリ目覚められる確率が上がります。ぜひ意識して実践してみましょう。
朝スッキリ起きるためにおすすめの食べ物
先述したように、食事摂取量や摂取する時間帯は睡眠の質に深く影響を与えますが、実は食事内容も睡眠の質に影響を与えることが知られています。
ここでは、朝スッキリ起きるためにおすすめの食べ物を3つ紹介します。
チーズなどの乳製品
朝スッキリ目覚めるためには、チーズやヨーグルトなどの乳製品がおすすめです。
チーズやヨーグルトなどの乳製品には、トリプトファンと呼ばれる必須アミノ酸が豊富に含まれており、日中に太陽光を浴びることで体内ではこのトリプトファンからセロトニンと呼ばれるホルモンが産生されます。
夜間になって太陽光の刺激が減ると、このセロトニンが松果体と呼ばれる脳の一部に取り込まれ、睡眠ホルモンであるメラトニンの原料となります。メラトニンによって自然な入眠が得られやすくなるため、トリプトファンの摂取が重要です。
逆にいえば、トリプトファンの摂取不足や日中の太陽光不足によって、夜間のメラトニンの分泌量が低下すると、睡眠の質が低下してしまうため、注意が必要です。
魚介類
朝スッキリ目覚めるためには、魚介類の摂取をおすすめします。魚介類に豊富に含まれるグリシンと呼ばれるアミノ酸には、体内時計の乱れを適正化する効果が報告されており、より良い睡眠に有用な成分です。
魚介類以外にも、グリシンは大豆類や豚肉、ゼラチンなどに豊富に含まれているため、ぜひ普段の食事に取り入れてみると良いでしょう。
豆類
豆類には、先述したようなグリシン以外にも、睡眠の質を向上させる効果が期待できるビタミンB1を豊富に含むため、おすすめです。
ビタミンB1の効果は身体の疲労回復や神経機能の安定化などが挙げられ、睡眠中に身体や脳のさらなる休息効果が期待できます。ビタミンB1は大豆類や豆乳、豚肉などにも豊富に含まれています。
朝スッキリ起きるためにやってはいけないNG行動
朝スッキリ起きるために生活習慣を改善したり、上記で紹介したような成分を含む食事を摂取しても朝にスッキリ目覚められない!という方は、実は睡眠にとってよくない行動を取ってしまっている可能性があるため、注意が必要です。
ここでは、スッキリ起きるためにやってはいけないNG行動を3つ紹介します。
過剰にハードな運動を行う
朝スッキリ起きるために適度な運動を行うことは正しいですが、やればやるほど良いというわけではなく、過剰にハードな運動は控えましょう。あまりにも身体に負担のかかる運動を行うと、かえって身体に疲労感が溜まってしまい、朝の倦怠感の原因となります。
スッキリ目覚めるための運動の負荷としては、週に3〜4日、1日30分から1時間程度の有酸素運動が好ましいです。ランニングや水泳やゴルフなどが適切であり、ダンベルなどを用いた激しい筋力トレーニングなどは避けましょう。
夜間にカフェインを摂取する
飲酒や喫煙は避けていても、夜間にカフェインを摂取すると同じように睡眠の質が低下してしまうため、注意が必要です。カフェインには中枢神経系の興奮作用があり、就寝前に摂取すると睡眠の質を低下させる恐れがあります。
コーヒーを飲まなければ問題ないと考える方もいますが、実は玉露などのお茶類やエナジードリンクにはコーヒー以上にカフェインが含まれているため、注意が必要です。
もしこれらのカフェインを含む飲料を飲みたい場合は、夕方までには飲み終えるようにしましょう。
自己判断で対処する
生活習慣や就寝環境を見直した上でも朝スッキリ起きられない場合、何らかの病気によって朝スッキリ目覚められていない可能性があるため、自己判断で無闇に対処するのは控えましょう。
考えられる病気としては睡眠時無呼吸症候群・睡眠相後退症候群・うつ病・過眠症などが挙げられ、特に睡眠時無呼吸症候群やうつ病は医学的な介入が必要な病気で、放置すれば命にかかわる危険性もある病気です。
そのため、生活習慣や就寝環境を見直した上でも朝スッキリ起きられない場合、自己判断で対処するよりも、まずは医療機関への受診を勧めます。
もしかしたら起立性調節障害かも
朝、起きれない場合は起立性調節障害かもしれません。起立性調節障害とは、身体の急速な発達に対して自律神経の成長が追いつかず、自律神経のバランスが乱れることでさまざまな症状が出現する病気です。
自律神経は血圧・脈拍・体温・睡眠・排便・排尿など、さまざまな生理機能を調整しているため、自律神経が乱れることで多くの機能が障害されます。
具体的な症状としては、朝や午前中に強く出現するめまい・ふらつき・腹痛・体動困難などが挙げられ、症状が強いと朝スッキリ起きることができなくなります。
起立性調節障害は身体の急速に発達する小学生高学年〜中学生で発症しやすく、子どもで重症化すると通学や通塾、さらには進学や進級に支障をきたす方もいるため、早期発見・早期診断が重要です。
下記の記事では、子どもの起立性調節障害のセルフチェック法について詳しく解説されているため、ぜひ参考にしてください。
関連記事:起立性調節障害のセルフチェックリスト(子ども)|すぐにできる診断テスト
また、起立性調節障害は子どもだけでなく、大人でも発症しうる病気です。大人の場合、病気の発症によって仕事や家庭環境にも支障をきたすため、やはり早期発見が重要です。
下記の記事では、大人の起立性調節障害のセルフチェック法について詳しく解説されているため、ぜひ参考にしてください。