皆さんは「光療法」と呼ばれる治療法をご存じでしょうか。
光療法とは、一定の明るさの光を決められた時間帯に浴びることで、体内時計を調整し、睡眠と覚醒のリズムを整える治療法です。主に概日リズム睡眠・覚醒障害や一部のうつ病などに用いられています。
起立性調節障害(OD)では、夜になっても寝つけない、朝起きられないなど、睡眠リズムの問題を伴うことがあります。このような場合、治療の選択肢の1つとして光療法が検討されることがあります。
ただし、光療法はODそのものを直接治す治療ではなく、主に睡眠リズムを整える目的で行われます。また、効果には個人差があり、めまいや立ちくらみなどを含むすべての症状が改善するとは限りません。
そこで本記事では、起立性調節障害に対する光療法の仕組みや期待される効果、実施する際の注意点について分かりやすく解説します。
光療法によって期待される効果
光療法が睡眠と覚醒のリズムにどのように作用するのかを解説します。
光療法では、2,500~10,000ルクス程度の光を用いることがあります。太陽光は天候や時間帯によって異なりますが、曇りの日でも10,000ルクス程度になることがあります。一方、一般的な室内照明は500ルクス程度であり、光療法では室内照明よりも明るい光を使用します。
ただし、必要な照度や照射時間は、使用する機器や光源との距離、治療の目的などによって異なります。また、光源を直接見つめる必要はありません。強い光を目に直接当て続けると負担になる可能性があるため、製品の使用方法や医師の指示に従うことが大切です。
光が体内時計に与える影響
人間の身体には、睡眠や覚醒、体温、ホルモン分泌などを約24時間の周期で調整する体内時計があります。この約24時間のリズムは、概日リズム(サーカディアンリズム)と呼ばれます。
体内時計は、主に目から入る光の情報によって外界の明暗周期に調整されます。一般に、朝から午前中に光を浴びると睡眠時間帯を前に戻す方向に働き、夜に強い光を浴びると睡眠時間帯を後ろへずらす方向に働きます。
そのため、朝起きられず就寝時刻も遅くなっている場合には、朝の光を利用して睡眠と覚醒のリズムを整える方法が検討されます。ただし、光を浴びる時間帯が適切でないと、かえって睡眠リズムが後ろへずれる可能性があります。
ずれた起床時刻や就寝時刻を戻す方法については、下記の記事で詳しく解説しています。
セロトニン・メラトニンと睡眠の関係
光は、セロトニンやメラトニンなど、睡眠や覚醒に関係する物質にも影響を与えます。
メラトニンは、夜になると脳の松果体から分泌量が増え、身体を睡眠へ向かわせる働きを持つホルモンです。朝に明るい光を浴びるとメラトニンの分泌が抑えられ、覚醒しやすくなります。その後、一定の時間が経過した夜に再び分泌量が増えることで、睡眠と覚醒のリズムが作られます。
セロトニンも睡眠や気分などに関係する神経伝達物質ですが、「日中に分泌されたセロトニンの量に比例して、夜間のメラトニンが増える」と単純に説明できるものではありません。
日中に光を浴びる機会が少なかったり、夜間に強い光を浴び続けたりすると、体内時計が後ろへずれることがあります。その結果、夜になっても寝つけず、朝に起きることが難しくなる場合があります。
このような睡眠リズムの乱れに対して、適切な時間帯に光を浴び、体内時計を調整することが光療法の主な目的です。
光を浴びる時間や期間は症状によって異なりますが、朝から午前中に30分~2時間程度の照射を行い、1~2週間ほど経過を確認する方法が一例としてあります。ただし、すべての人に適した方法ではないため、できれば医師へ相談した上で行いましょう。
光療法が活用される病気
前述したように、光療法は起立性調節障害以外の病気にも有効な治療法です。
その中でも代表的な疾患は非季節性うつ病(いわゆる、うつ病)です。2015年にコロンビア大学のW.Lam氏らが報告して論文では、光療法単独でもうつ病患者44%に有効性を示したそうです。
そのほかにも、睡眠障害、認知症患者の昼夜逆転、せん妄、不安障害、アルコール依存に伴う睡眠障害など様々な疾患に対し有効だと言われています。
光療法による睡眠相の適正化が、様々なホルモンや機能、自律神経の働きを整えると考えられており、実際にこれらの疾患の治療に用いられています。
光療法の効果を左右する要因
光療法の効果には、光の明るさだけでなく、光を浴びる時間帯、照射時間、光源との距離、継続期間などが関係します。
光療法では、2,500~10,000ルクス程度の光を用いることがあります。ただし、同じ機器でも光源から離れるほど照度は低下するため、製品に表示された照度だけでなく、使用時の距離を確認することが大切です。
また、光は目から入ることで体内時計に影響しますが、光源を直接見つめる必要はありません。読書や朝食などをしながら使用できる場合もありますが、指定された距離や角度を守りましょう。
照射時間は30分~2時間程度が目安となることがありますが、必要な時間は照度や症状によって異なります。長時間浴びれば効果が高まるとは限りません。
光療法を行っても効果を感じにくい場合は、照度が不足している、光源との距離が離れすぎている、使用する時間帯が合っていない、睡眠の問題に別の原因があるなど、複数の可能性が考えられます。頭痛、目の疲れ、吐き気、落ち着かなさなどが現れた場合は使用を中止し、医師へ相談してください。
光療法を続けても変化を感じられない原因については、下記の記事も参考にしてください。
自宅ですぐに取り組める光目覚まし時計
ネットで「光目覚まし時計」と検索すると、さまざまな種類の光目覚まし時計が表示されますが、選ぶ際に注意していただきたい点があります。
それは「光量」です。
先ほどご紹介したように、光療法では2,500ルクス以上の光量が必要とされています。
海外製の光目覚まし時計の場合、光量が2,500ルクスに達していないものがしばしば存在します。
一方で、弊協会が推奨している「睡眠改善照明 トトノエライト」であれば、最大3,300ルクスの光(朝日と同等の光量)を浴びることができます。
自宅ですぐに実践でき、返金保証も付いているため、初めての方でも試しやすいでしょう。ご興味があれば、ぜひ一度お試しください。
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光を取り入れながら生活リズムを見直した方の一例として、下記の体験談も紹介しています。なお、体験談は個人の経験であり、同様の効果を保証するものではありません。
起立性調節障害では、光をまぶしく感じることもあります。光が眩しいと感じる時の対処法については、下記の記事も参考にしてください。
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