起立性調節障害とは

五月病の抜け出し方とは?更に症状が悪化するNG習慣を解説

2024年4月29日

 

この記事の監修者

医師(匿名)

医師歴:10年
勤務病院:某3次救急病院

一般社団法人 起立性調節障害改善協会

 

「子供がゴールデンウィーク明けからだるそうで学校に行けなくなった」「五月に入ってから仕事に緊張感が持てずミスが増えている」

このようなお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか?

五月、特にゴールデンウィーク明けに生じる精神的・もしくは身体的な不調とそれに伴う行動面の変化は、いわゆる五月病が原因の可能性があります。

五月病とは正式な病名ではなく、新学期の始まりに伴うストレスが溜まった状態でゴールデンウィークを迎え、緊張の糸が切れることでさまざまな不調をきたした状態です。

そのまま放置しておくと症状が悪化し、通学や通勤に支障が出る可能性もあるため、早期から適切に五月病に対応することが重要です。

そこで、この記事では五月病の抜け出し方や行っていはいけないNG習慣などについて詳しく解説します。本書を参考に、五月病から抜け出してより良い社会生活を送りましょう。

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五月病の抜け出し方

文頭でも述べたように五月病とは正式な病名ではなく、3〜4月の受験や退職・入職・転職・転居などによってストレスが溜まり、五月頃に身体や精神に不調をきたす状態です。

背景には、ストレスの蓄積によって適応障害やうつ病・パーソナリティー障害・不眠症などが隠れている可能性があり、これによって抑うつ気分や不安感・不眠・倦怠感・気分不良・動悸・めまいなどさまざまな症状が出現すると考えられています。

そのため、五月病から抜け出すためには早期からストレスを溜め込まず、上手に発散していくことが肝要です。ここでは、五月病の抜け出し方について詳しく解説します。

不安や悩みを周囲に相談する

五月病から抜け出すためには周囲の人に不安や悩みを相談することが重要です。

五月病を発症してしまう方は新しい職場や環境でうまく適応できず、相談や愚痴を吐露できる場所がないことでストレスを溜め込んでしまう方が多いためです。

特に完璧主義者の方や周囲とうまくコミュニケーションを取れない方はストレスをだれかと前向きに共有することができず、自分の中に溜め込んでしまう傾向にあるため、注意が必要です。

不安や悩みを誰にか相談することは決して悪いことではないため、自分の心の健康を保つためにも実践してみると良いでしょう。

規則正しい生活を送る

五月病から抜け出すためには規則正しい生活を送ることも重要です。

五月病だからと言ってダラダラと家にこもって、睡眠リズムが乱れたり不健康な食生活を送ってしまうと自律神経が乱れて不安や不調が起こりやすくなってしまいます。

心身に蓄積したストレスをうまく発散するためにも、五月病の人こそ自身の生活を正し、睡眠や食事・運動などを見直しましょう。

また規則正しい生活は自律神経を安定させる効果も期待されるため、五月病の原因となる精神的な病気に対しても非常に効果的です。

ストレスを上手に発散する

五月病から抜け出すためには上手にストレスを発散することが重要です。先述したように、五月病は新しい環境や環境の変化に伴うストレスが蓄積して、ゴールデンウィークなどの長期休暇で緊張の糸が切れることで発症します。

そのため、ストレスが限界まで溜まる前に上手に発散することで発症の予防や改善が叶います。理想的なストレスの発散方法は人によっても異なり、映画鑑賞や適度な運動、ヨガ、料理、アロマなどさまざまです。

間違っても、ストレス発散のために暴飲暴食やアルコールの過剰摂取など、健康に良くない方法は避けましょう。

五月病が更に悪化してしまうNG習慣

五月病は特別な治療をせずとも、時間の経過とともに自然に改善する方が多いですが、中には背景にうつ病などの病気を抱え、放置した結果症状が悪化していってしまう方もいます。 また、良かれと思って誤った生活習慣を繰り返してしまうと、五月病がさらに悪化していくこともあるため、正しい知識を身につけておく事が肝要です。ここでは五月病がさらに悪化してしまうNG習慣について詳しく解説します。

酒やタバコに逃げる

五月病のストレス発散のために、酒やタバコに逃げることは絶対にNGです。アルコールやタバコには依存性があり、過剰摂取や長期使用は精神的な不調や不安感を増長させるリスクがあるためです。

また、喫煙に伴う炎症やアルコールによって上気道は浮腫みやすく、特に舌根が気道に落ち込みやすい睡眠中にいびきをかきやすくなります。

その状態がさらに悪化していくと、睡眠中に取り込める酸素の量が低下し、睡眠の質を著しく低下させる事が知られており注意が必要です。

睡眠の質が低下すれば、五月病の症状はさらに悪化してしまう可能性があるため、ストレスで酒やタバコに逃げるのは控え、運動や趣味でのストレス発散に努めましょう。

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暴飲暴食を繰り返す

酒やタバコと同様、ストレスから暴飲暴食を繰り返すのも五月病にとってはNGです。暴飲暴食による栄養バランスの乱れは心身に不調を与える原因となり、また長期的に継続すれば肥満になる可能性もあります。

肥満になってしまうと、首回りに脂肪が蓄積してしまい、やはり睡眠中に気道が狭くなる原因となります。

その結果、酒やタバコと同様に睡眠の質が低下してしまい、五月病の症状を悪化させる可能性があるため、暴飲暴食は控えるべきです。 ストレスが溜まった時こそ、栄養バランスの良い食事を1日3食、規則正しく摂取することを意識しましょう。

家に引きこもってコミュニケーションを取らない

五月病を発症すると、倦怠感や精神不安、抑うつ気分などによって家に引きこもってしまい、周囲とのコミュニケーションを失ってしまう方も少なくありませんが、これはNGです。

家に引きこもって周囲とのコミュニケーションを取らないと、気分転換が図れずストレスを溜め込んでしまうためです。

またSNSなどから精神衛生上、不必要な情報を取り入れてしまい、より悪化する可能性もあります。 仮に職場や学校を休んでいても、風邪や腸炎のような病気ではないため、家族と積極的に話したり、外出して気分転換を図るのも1つの選択肢です。

五月病が抜け出せない場合の対処法

上記のような生活習慣に注意して、五月病から抜け出すような行動を実践しても五月病から抜け出せない場合もあります。中にはうつ病などの医療機関での治療が必要な病態が隠れている可能性もあるため、できる限り早期に対策しましょう。 そこで、ここでは五月病から抜け出せない場合の対処法について解説します。

積極的に運動する

五月病だからといって家に閉じこもっているよりも、積極的に運動した方が五月病から抜け出せる可能性があります。 運動は自律神経を整え、心身の不調を改善する効果が期待できます。

五月病の場合、身体的異常を抱えているわけではないので、適度な負荷の運動であれば問題ないでしょう。

具体的には、ランニングやジョギング、ウォーキングや水泳などの有酸素運動を定期的に行うと効果的です。一方で、過度な負荷の運動はかえって心身のストレスになってしまう可能性もあるため、高すぎる目標設定は控えましょう。

一旦休職・休学する

思い切って一旦休職・休学するのも1つの手段です。

五月病を抱えながら本調子ではない状態で仕事を継続すると、ミスが増えたりうまくいかないことにストレスを感じ、より症状が遷延・増悪してしまう可能性があります。

そのため、なかなか五月病から抜け出せない場合、一度思い切って休職・休学し、心身のストレスを解消することが重要です。

休学の場合、学校に相談すれば休学中の授業の資料を自宅に送ってもらうなどの配慮をしてくれる可能性もあるため、密に学校と連携をとっておくと良いでしょう。

また、仕事の場合は休職とまではいかないまでも、一時的に仕事の分担量を減らしてもらうことでも症状が緩和する可能性があるため、可能なら調整してみると良いでしょう。

医療機関を受診する

五月病からなかなか抜け出せない場合、医療機関を受診するのも1つの選択肢です。

五月病自体は病気ではありませんが、背景にうつ病などの精神疾患を伴う場合は医療機関での専門的な治療が必要となるためです。

適応障害や一過性の不眠症であれば自然軽快する可能性もありますが、うつ病の場合は基本的に自然軽快は見込めず、未治療のまま放置すれば自殺企図・希死念慮など命に関わる事態に発展しかねません。

逆に、医療機関でうつ病の治療に専念すれば、五月病から抜け出せる可能性も高いため、疑わしい場合は精神科や心療内科への受診を検討しましょう。

もしかしたら起立性調節障害かも

五月病かと思いきや、もしかしたら起立性調節障害の可能性もあります。

起立性調節障害は主に小学生高学年から中学生にかけて身体が急速に発達する際に、自律神経の成長が追いつかないことで自律神経が乱れてさまざまな症状を生じる身体疾患です。

具体的な症状としては、めまい・ふらつき・倦怠感・腹痛・嘔気嘔吐などで、特に午前中や起床時に強いため通学や通勤に支障をきたしてしまいます。

また厄介ないことに、午後や夕方には症状が改善してくるため、一見するとサボっているだけのように見えてしまい周囲からの理解を得にくい側面を持ちます。

五月病と同じく、ストレスで症状が増悪してしまう病気であるため、五月病と思いきや起立性調節障害の可能性があり、注意が必要です。

多くの場合、身体の成長が落ち着くことで症状が自然軽快しますが、中には重症化してしまう子供もいます。その場合、進級や受験などにも支障をきたす可能性があるため、下記の記事を参考に、早期発見のためのセルフチェックを行いましょう。

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