起立性調節障害とは

目は覚めるけど起きれないのはなぜ?原因・対処法・考えられる病気を解説

2024年5月6日

 

この記事の監修者

医師(匿名)

医師歴:10年
勤務病院:某3次救急病院

一般社団法人 起立性調節障害改善協会

  • 「目は覚めるけど朝起きられない」
  • 「眠いわけではないけれど、朝は身体が思うように動かない」

このような症状でお悩みの方も少なくないのではないでしょうか。

睡眠不足で寝過ごしてしまう場合とは異なり、目が覚めているのに起き上がれない場合は、睡眠の質の低下や生活リズムの乱れ、心身のストレス、病気などが関係している可能性があります。

そのような状況が続くと、子どもでは通学や学業、大人では通勤や仕事に支障が生じる場合があります。症状の現れ方や生活習慣を確認し、原因に応じて対処することが大切です。

この記事では、目は覚めるけど朝起きられない場合の原因や考えられる病気、対処法などについて詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。


目を覚ましても朝起き上がれない状態が続く場合、起立性調節障害が関係していることもあります。

立ちくらみや倦怠感、頭痛なども伴う場合は、起立性調節障害のセルフチェックも参考にしてください。

起立性調節障害(OD)改善ガイドブック

目は覚めるけど起きれない原因とは?

通常、朝起きれない場合は前日の夜更かしで目覚ましに気付けなかったり、目覚ましをかけ忘れて寝過ごしてしまうなど、目覚めないことで起きられないケースが多いです。

しかし、中には目は覚めているけど、思うように身体が動かず起きられないこともあります。その場合、まずは下記の3つの原因を疑いましょう。

身体的・精神的ストレス

身体的・精神的ストレスは、目は覚めるけど起きれない原因です。特に、強烈なストレスは心身に悪影響を与え、身体の倦怠感や抑うつ気分、やる気の減退などが生じることで朝に起きられなくなります。

例えば、前日に激しい運動をしたことによる筋肉痛などの身体的ストレスの場合は、自分自身で原因が自覚できる上に、時間の経過で改善できる可能性が高いため、あまり心配はいりません。

一方で、精神的ストレスには特に注意が必要です。精神的ストレスの場合、自分でも何が原因でストレスが溜まっているのかが自覚しにくく、対処が遅れる可能性があります。

入学・入職・転職・転居などの環境の変化や、離婚・結婚などのライフスタイルの変化でもストレスは大きいため、注意が必要です。

生活習慣の乱れ

生活習慣の乱れも、目は覚めるけど起きられない原因となります。

夜更かしや長時間の昼寝、休日の遅い起床などが続くと、睡眠と覚醒のリズムが後ろにずれ、朝に十分な覚醒状態になりにくいことがあります。

また、食事量の不足や偏り、過度な飲酒、運動不足などによって体調がすぐれず、朝に倦怠感やふらつきが現れる場合もあります。

起き上がったときに立ちくらみや動悸などがみられる場合は、起立時の血圧や心拍数の調節に問題が生じている可能性もあるため、症状が続く場合は医療機関に相談しましょう。

睡眠不足・睡眠の質の低下

睡眠不足や睡眠の質の低下も、目は覚めるけど起きられない原因です。目覚ましで一度は目を覚ましても、眠気や身体の重さが残り、すぐに起き上がれないことがあります。

目覚めた直後は、脳や身体が十分な覚醒状態に切り替わっておらず、しばらくぼんやりすることがあります。これは睡眠慣性と呼ばれ、睡眠不足や不規則な生活によって強くなる場合があります。

睡眠時間が不足している場合は、週末にまとめて寝るのではなく、平日も含めて必要な睡眠時間を確保することが大切です。休日に起床時刻が大きく遅れると、睡眠リズムがさらにずれる可能性があります。

睡眠の質が低下する原因には、寝具や寝室環境、就寝前の暴飲暴食や飲酒、喫煙、カフェイン、夜間のスマートフォン操作などがあります。

十分な時間眠っているのに倦怠感が強い場合は、睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害が隠れている可能性もあります。

目は覚めるけど起きれない場合の対処法

「目は覚めているのに起きられなくて学校に寝坊した」「いま起きないと朝の会議に間に合わないのに、身体が動かない」このような状態が続けば生活に大きな支障をきたします。

そこで、ここでは目は覚めるけど起きれない場合の対処法について解説します。意外とちょっとして生活の変化で症状が改善する可能性もあるため、ぜひ実践してみましょう。

適度な運動

目は覚めるけど起きられない場合は、体調に合わせて適度な運動を取り入れましょう。習慣的に身体を動かすことは、睡眠の質や心身の健康を保つうえで役立ちます。

厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人に対して、歩行またはそれと同等以上の身体活動を1日60分以上行うことを推奨しています。これは1日約8,000歩以上に相当します。

また、息が弾み汗をかく程度の運動は週60分以上、筋力トレーニングは週2~3日が目安です。ただし、これらはすべての人がすぐに達成すべき基準ではなく、体調や体力に合わせて、今より少しでも身体を動かすことが大切です。

夜遅い時間の激しい運動は、寝つきに影響する場合があります。翌日に強い疲労を残すような運動も避け、ウォーキングや軽いストレッチなど、無理なく続けられる運動から始めましょう。

起立性調節障害(OD)改善ガイドブック

生活習慣の是正

目は覚めるけど起きれない場合、生活習慣を是正しましょう。自分でも気付かないうちに心身に負担をかけるような生活習慣を繰り返している可能性があります。

例えば、特に若年者では近年増加傾向にある就寝直前までのスマホいじりは、睡眠にとって非常に有害です。スマホの光が脳を刺激し、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌が抑制され、睡眠の質が低下してしまいます。

他にも、寝る前に食事を摂取すると身体の深部体温が低下しにくくなり、睡眠の質が低下することが知られているため、控えるべきです。このような生活習慣は比較的容易に是正できるため、一度見直してみることを勧めます。

自身のストレスチェック

目は覚めるけど起きられない場合は、自身のストレスや心の状態も振り返ってみましょう。

常に不安や緊張を感じる、気分が晴れない、物事に集中できない、仕事や勉強が手につかないといった状態が続いている場合は、精神的な負担が大きくなっている可能性があります。

趣味の時間をつくる、軽く身体を動かす、信頼できる人に相談するなど、自分に合った方法で休息を取ることが大切です。

ただし、こうした状態が長く続いている場合や、学校や仕事に支障が生じている場合は、自分だけで解決しようとせず、医療機関や相談窓口の利用を検討しましょう。

目は覚めるけど起きれない場合に考えられる病気

生活習慣や睡眠環境を見直しても症状が改善しない場合は、何らかの病気が関係している可能性があります。

特に、強い倦怠感やめまい、気分の落ち込み、日中の耐え難い眠気などを伴う場合は、医療機関への相談を検討しましょう。

ここでは、目は覚めるけど起きられない場合に考えられる4つの病気について解説します。

貧血

目は覚めるけど起きられない場合、貧血が関係している可能性があります。

貧血と低血圧は混同されやすいものの、異なる状態です。低血圧は血圧が低い状態であり、貧血は血液中のヘモグロビン濃度が低下した状態です。

ヘモグロビンには全身へ酸素を運ぶ働きがあるため、貧血になると倦怠感やめまい、ふらつき、動悸、息切れなどが現れることがあります。その結果、目は覚めても身体が重く、起き上がりにくいと感じる場合があります。

貧血の原因には鉄不足や出血などがあります。月経のある女性では、経血量が多いことによって鉄欠乏性貧血になる場合もあります。大人では消化管からの出血などが隠れている可能性もあります。

症状だけで貧血とは判断できないため、倦怠感やめまいが続く場合は、医療機関で血液検査を受けましょう。

貧血のセルフチェックについては、下記の記事も参考にしてください。

適応障害

目は覚めるけど起きられない場合、適応障害が関係している可能性があります。

適応障害は、職場や学校、人間関係、環境の変化など、本人にとって大きな負担となる出来事に関連して、心や身体に症状が現れ、日常生活に支障が生じる状態です。

気分の落ち込み、不安、怒り、焦りなどに加えて、倦怠感、動悸、めまい、不眠などの身体症状がみられる場合があります。

原因となる環境から離れることで症状が軽くなる場合もありますが、すぐに環境を変えられないケースもあります。職場や学校、医療機関などに相談し、負担を減らす方法を検討しましょう。

うつ病

目は覚めるけど起きられない場合、うつ病が関係している可能性があります。

うつ病は、精神的・身体的なストレスなどを背景に脳の働きに不調が生じ、意欲の低下や気分の落ち込み、倦怠感、食欲や睡眠の変化など、さまざまな症状が現れる病気です。

うつ病では、朝早く目が覚めても強い倦怠感や意欲の低下によって、ベッドから起き上がれない場合があります。これは本人のやる気だけの問題ではありません。

気分の落ち込みや興味の低下が続いている場合は、精神科や心療内科への受診を検討しましょう。「消えたい」といった発言や自分を傷つける行動がみられる場合は、速やかに専門機関へ相談する必要があります。

うつ病の人にみられやすい行動や、周囲が気づくためのサインについて詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。

ナルコレプシー

目が覚めた直後に身体を動かせない場合は、ナルコレプシーに伴う睡眠麻痺の可能性もあります。

ナルコレプシーは、夜間に睡眠を取っていても日中に耐え難い眠気が生じ、食事中や歩行中など、通常は眠らない状況でも居眠りしてしまうことがある睡眠障害です。

報告によって割合は異なり、約2,000人に1人とする報告もありますが、日本では約600人に1人、割合にして0.16%とした報告もあります。

症状の一つとして、入眠時や起床直後に意識はあるものの身体を動かせなくなる睡眠麻痺がみられる場合があります。ただし、睡眠麻痺だけでナルコレプシーとは判断できず、健康な人でも睡眠不足などによって起こることがあります。

ナルコレプシーでは、笑ったときなどに身体の力が抜ける情動脱力発作や、入眠時の幻覚などを伴う場合もあります。日中の強い眠気によって事故につながる可能性があるため、症状が当てはまる場合は睡眠を専門とする医療機関を受診しましょう。

もしかしたら起立性調節障害かも

目は覚めるけど朝起きられない場合は、起立性調節障害が関係している可能性もあります。

起立性調節障害は、起立したときの血圧や心拍数などを調節する働きがうまく機能せず、さまざまな症状が現れる身体疾患です。特に小学校高学年から中学生ごろに多くみられますが、大人まで症状が続く場合もあります。

主な症状として、朝の起床困難、起立時のめまいやふらつき、倦怠感、頭痛、腹痛、吐き気、動悸などが挙げられます。目は覚めていても、起き上がろうとすると体調が悪くなり、横になったまま動けない場合があります。

症状は午前中に強く、午後から夕方にかけて軽くなる場合があり、通学や通勤に支障をきたすこともあります。ただし、朝起きられないことだけで起立性調節障害とは判断できません。

生活習慣の見直しに加えて、必要に応じて薬物療法や学校・職場での環境調整などを組み合わせます。朝の起床困難や立ちくらみなどが続いている場合は、セルフチェックを行い、必要に応じて医療機関を受診しましょう。

起立性調節障害(OD)改善ガイドブック

トトノエライトプレーン

【無料】起立性調節障害の相談窓口

関連記事:起立性調節障害とは

・起立性調節障害の子供に親ができること・治療法・治った方の事例

・起立性調節障害の方の体験談

・起立性調節障害が治った人の声

・起立性調節障害における「光療法」効果や仕組みを解説

・起立性調節障害の原因は?発症期間や発症しやすい人の特徴

・起立性調節障害の症状を小中高生別に解説|重症・中等症・軽症の事例

・起立性調節障害患者の血圧数値はどれくらい?測定方法なども紹介

・起立性調節障害 6つの種類とその特徴【医師解説】

・起立性調節障害 重症での入院基準は?入院中の治療や期間を紹介

・起立性調節障害の子供はどうして遊びには行けるの?

・起立性調節障害はいつまで続くの?治療期間とは

・起立性調節障害は治る病気?それとも治らない?

・起立性調節障害に効果的な薬はある?その種類や薬物療法について解説

・起立性調節障害が「難病指定」されない理由|今後指定される可能性について解説

・季節や気圧によって起立性調節障害の症状が悪化|対応方法や原因を解説

・小学生でも起立性調節障害になる?原因や主な症状とは

・中学生の起立性調節障害。原因・症状・生活への影響・うつ病との違いとは

・高校生の起立性調節障害。原因・症状・うつ病との違いとは

・起立性調節障害のセルフチェックリスト(子ども)|すぐにできる診断テスト

・大人の起立性調節障害セルフチェック項目|診断テスト

・大人の起立性調節障害について

・全記事の一覧

関連記事:子どもへの対応

起立性調節障害に対応している病院紹介
本コンテンツは一般社団法人 起立性調節障害改善協会が独自に制作しています。メーカー等から商品・サービスの無償提供を受けることや広告を出稿いただくこともありますが、メーカー等はコンテンツの内容やランキングの決定に一切関与していません。当協会では編集ポリシーに則って製品・サービスを紹介しており、企業等の意見を代弁するものではありません。当記事では正確な情報提供に努めておりますが、内容の正確性を保証するものではありません。サイト内に表示している広告については、広告掲載ポリシーをご覧ください。当記事で記載している価格は全て税込み表記です。記事内容についてのご意見・誤字脱字のご指摘はお問い合わせフォームからお寄せください。

-起立性調節障害とは