起立性調節障害とは

テスト前に眠れない時の対処法とは?原因・考えられる病気を解説

 

この記事の監修者

医師(匿名)

医師歴:10年
勤務病院:某3次救急病院

一般社団法人 起立性調節障害改善協会

  • テスト前なのに緊張して眠れない
  • 朝起きれずに寝坊してテストを受けられなくなったらどうしよう

このような悩みは誰でも一度は経験しているのではないでしょうか?

これまでたくさんの時間を勉強に費やしてきた人ほど、テストに対して重圧や緊張を感じ、前日の夜は眠れなくなってしまうものです。しかし、前夜にどんどん睡眠時間が遅くなってしまうと、当日に寝不足で本来の実力を発揮できなくなる可能性もあります。

そのプレッシャーがさらに負のスパイラルを生み、どんどん入眠困難になってしまえば最悪の場合、当日に寝坊してしまう可能性もあるため、注意が必要です。

この記事では、テスト前で眠れない時に取るべき対処法や原因、考えられる病気について詳しく解説します。この記事を読むことでテスト前でも安眠が期待できるため、ぜひ参考にしてください。

テスト前で眠れない時はどうするべき?対処法とは?

テスト前はどうしても緊張してしまい、なかなか寝付けなくなってしまう人も多いでしょう。テストのストレスで交感神経が活性化してしまうため、本来活性化すべき副交感神経が抑制されて、眠れなくなってしまいます。

また、眠れないことそのものがストレスとなるため、さらに交感神経が活性化して睡眠が遠のきます。しかし、寝不足では脳が本来の実力を発揮できなくなるため、大事なテストを乗り切るためにも前日にはしっかり睡眠をとることが肝要です。

そこで、ここではテスト前で眠れない時の対処法を5つ紹介します。どれも簡単に実践できる内容のため、ぜひ試してみると良いでしょう。

安眠のツボを押す

テスト前に眠れない場合、安眠のツボを押すことで眠れる可能性があります。ツボを押すことで経絡(人の体を流れる気と血の通り道)が刺激され、それによって各種臓器が刺激されることでさまざまな効果効能を得ることができます。

特にテスト前に眠れない時におすすめのツボは、安眠(あんみん)と失眠(しつみん)です。安眠はその名の通りのツボですが、両側の耳の後ろのある出っ張った骨の指1本分下にあるツボのことで、指の腹でゆっくり刺激することで副交感神経が刺激され、睡眠が促されます。

失眠は足の裏の踵中央部の少し凹んだ部分のツボで、安眠と同様に刺激することで副交感神経が刺激され、睡眠が促されます。失眠は足の裏でやや硬い部位のため、親指で強く刺激するのがおすすめです。

ツボを押すことによる効果はもちろんのこと、ツボを押す時間は一時的にテストのことも忘れらるため、テスト前に眠れない方には特におすすめです。

ホットミルクなどを摂取する

テスト前に眠れない時は、ホットミルクなどの飲料を飲むことで快眠が得られる可能性があります。人は就寝後に深部体温が低下していく幅が大きいほど、睡眠の質が高まることが知られています。

ホットミルクによって一時的に深部体温が上昇すると、その後の睡眠時に深部体温の低下する幅が広がるため、睡眠の質が向上するのです。また、温かい飲料にはリラックス効果や精神安定効果もあるため、眠れない時にはおすすめです。

さらに、乳製品に豊富に含まれるアミノ酸の一種「トリプトファン」は、セロトニンやメラトニンと呼ばれる精神安定ホルモン・睡眠ホルモンの原料にもなるため、ミルクを摂取することで眠りやすくなります。

一方で、就寝直前に多量に摂取すると胃に負担がかかり、かえって寝付けなくなるため、就寝の1-2時間以上前に、コップ1杯分程度の摂取がおすすめです。

事前に十分な準備をする

テスト前に眠れない時は、事前に十分な準備をすることも重要です。試験勉強やメンタルの調整など、事前に十分な準備を行うことで自分に自信を持つことができ、テスト直前の不安や緊張を緩和できます。

テスト前に過剰に不安になる最大の理由は、本人がこれまでに行なってきた準備や対策に多少なり不安があるためです。この不安を消すためには、自信を持てるだけの努力と準備が必要です。

一方で、これはテスト直前になってどうにかできる問題ではないため、できるだけ早期から準備・対策を行うことを意識しましょう。

軽い運動や入浴を行う

テスト前に眠れない時は、軽い運動や入浴を行うこともおすすめです。軽い運動や入浴は身体に心地の良い疲労感を残し、また自律神経を安定させる効果も期待できるため、より良い睡眠を得ることができます。

またどちらも、ホットミルクと同様に深部体温の上昇を引き起こすため、その後の深部体温低下の下げ幅を増加させ、睡眠の質の向上も期待できます。

一方で、眠れない状態に悩んだ後に運動や入浴を行なってしまうと、深部体温が高いまま下がらず、かえって睡眠の質が低下してしまうため、眠れないことに悩む前に行うことがおすすめです。

具体的には、どちらも就寝の少なくとも2時間以上前には終わらせるようにして、過剰な負荷の運動や過度に高温な湯船での長時間の入浴は避けるようにしましょう。

眠気を感じるまで一旦布団から出る

テスト前に眠れない時は、一旦諦めて布団から出て、眠気を感じるまで待ちましょう。眠れない状態で布団に入っていると、神経が過敏になってわずかな物音や差し込む光も気になってしまい、より眠れなくなってしまいます。

それがかえってストレスとなり、さらに交感神経が活性化して睡眠が遠のくため、一旦諦めて布団から外に出ることで気持ちをリセットする効果が期待できます。

布団から出た後にスマホやPCなどを見てしまうと、脳が刺激して睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌が抑制されてしまうため、控えましょう。布団から出ても、あくまで暗い部屋で目を閉じてゆっくり過ごすことがおすすめです。

テスト前で眠れない時の原因とは?

テスト前に眠れないのは何も緊張だけではなく、さまざまな要因が影響しています。

人によってその原因も異なり、原因次第ではとるべき対策も異なるため、ここではテスト前で眠れない時の代表的な原因について、3つ紹介します。

不安やストレス

テスト前で眠れない時、おそらくほとんどの人に当てはまる原因は不安やストレスです。不安やストレスは交感神経を刺激するため、本来睡眠にとって必要不可欠である副交感神経が抑制されてしまうことで、眠れなくなります。

「朝ちゃんと起きられるのか」「試験が難しくて全然答えられなかったらどうしよう」このような不安やストレスは受験する人なら誰でも一度は経験するでしょう。

重要なのは、受験生なら誰しもが抱く不安やストレスであり、自分だけではないと自覚することです。また少しでも不安やストレスを軽減するためには、事前にしっかりと準備することが最も効果的です。

カフェイン類の摂取

テスト前で眠れない場合、カフェインの過剰摂取が原因の可能性があります。カフェインには中枢神経の覚醒作用があるため、摂取することで興奮してしまい眠れなくなってしまう作用があります。

特に受験や試験前は、勉強中に眠くなることも少なくなく、コーヒーやエナジードリンクなどカフェインの豊富な飲料を飲みながら勉強する方も少なくないでしょう。

また、一般的にイメージがないかもしれませんが、実は緑茶などもカフェインが比較的多く含まれているため、夕食後の勉強の際に摂取してしまうと眠れなくなる原因となります。

少なくともテスト前夜の勉強のお供には、水やお湯、ホットミルクなどを摂取すると良いでしょう。

脳の過剰な疲労

テスト前で眠れない場合、勉強によって酷使された脳の過剰な疲労が原因の可能性があります。勉強や受験においては、文字を見て、それを理解・記憶し、それに対する読解を行い、文字を書くという複雑な脳の作業工程が存在します。

これらの工程を何度も何度も繰り返し行うことで脳は疲労し、興奮状態に陥った脳はなかなか睡眠モードに移行してくれなくなるのです。

また、身体的疲労度と脳の疲労度の乖離が大きいとこの状態が作り出されやすいことが知られており、過剰な勉強を行なった後には、短時間でもランニングなどを行なって身体に疲労感を与えることで、脳の興奮状態を解除することができます。

受験直前は根を詰めて勉強するよりも、多少の余裕を持って迎えられるように準備しておくと良いでしょう。

テスト前で眠れない時に考えられる病気とは?

テスト前に眠れない場合、多くは上記で記したような不安やストレス・カフェイン・脳疲労が原因となりますが、中にはそれ以外の病気が原因で眠れなくなってしまう人もいます。

通常はテストが終われば不眠症状は改善されるはずですが、テスト後も症状が遷延する場合はテストが原因でない可能性があるため、テスト後も眠れない方は注意が必要です。

また中には、放置すれば命の危険性もあるような病気も含まれるため、早期発見・早期治療が重要です。そこでこの記事では、テスト前で眠れない時に考えられる病気について詳しく解説します。

うつ病

テスト前に眠れない場合、うつ病の可能性があげられます。うつ病は脳内における神経伝達物質「セロトニン」や「ノルアドレナリン」などの分泌に支障をきたし、さまざまな精神症状をきたす疾患です。

抑うつ気分・興味や意欲の減退・食欲低下もしくは増加・体重低下もしくは増加などの症状とともに、不眠症状も認め、またこれらの症状がテストのストレスで悪化する可能性もあります。

うつ病=中高年の病気と思われがちですが、実は小学生や中学生でも発症する可能性があるため、注意が必要です。もし気づかずに放置すると、希死念慮や自殺企図など、命の危険性もある病気であるため、早期発見が重要です。疑わしい場合は必ず精神科や心療内科に受診しましょう。

睡眠相後退症候群

テスト前に眠れない場合、睡眠相後退症候群の可能性があげられます。睡眠相後退症候群とは、その名の通り、睡眠相(就寝時間と起床時間)が後ろの時間帯にずれ込んでしまう病気です。

これは、不規則な睡眠習慣などが原因で生じる疾患であり、本来であれば毎日同じような時間に起床・就寝できるはずが、困難となってしまう病気です。

特に、近年は若年層の深夜のスマホいじりが問題視されており、これによって夜間に睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌が抑制されることで、睡眠相が後退しやすくなります。

症状の進行を予防するためには、毎日の睡眠習慣を正し、毎朝日光を浴びたり、しっかり朝食を摂取するなど、毎朝のルーティンワークを継続すると良いでしょう。

睡眠時無呼吸症候群

テスト前に眠れない場合、睡眠時無呼吸症候群の可能性が挙げられます。睡眠時無呼吸症候群とは、その名の通り睡眠中に呼吸が減弱、もしくは一時的に完全に止まってしまい、睡眠が阻害される病気のことです。

原因は気道の狭窄であり、睡眠中は舌根が沈下することで気道が狭くなってしまい、取り込める酸素の量が低下してしまうことで脳が十分な休息を得られなくなってしまいます。

それによって睡眠の質が著しく低下し、中途覚醒などの睡眠障害や、日中の過度な眠気で勉強やテストに身が入らなくなる可能性もあるため、注意が必要です。

また、睡眠時無呼吸症候群に伴う長期的な低酸素状態は、持続的な交感神経の活性化を招き、高血圧や脳血管障害・不整脈などの心疾患の発症率を増加させることが知られており、他の疾患と同様、早期発見・早期治療が肝要な病気です。

もしかしたら起立性調節障害かも

テスト前に眠れない場合、もしかしたら起立性調節障害の可能性もあります。起立性調節障害とは、身体の急激な成長に対して自律神経の成長が追いつかず、自律神経のバランスが乱れることで動悸や発汗など、さまざまな症状をきたす疾患です。

特に小学生高学年〜中学生で発症しやすい病気であり、まさにテストや受験を受ける年代の子供で発症しやすい病気の1つでもあります。

起立性調節障害に陥ると、本来朝に活性化すべき交感神経が活性化しないことで朝に起床困難となり、夜に活性化すべき副交感神経が活性化せず、逆に交感神経が活性化することで目が冴えてしまい、眠れなくなる病気です。

他にも、腹痛や嘔気・立ちくらみや眩暈などさまざまな症状をきたし、またテストなどによるストレスが症状を悪化させる可能性もあります。

多くの場合は成長とともに自然軽快する病気ですが、中には重症化して進学や進級に支障が出る子供もいるため、こういった状況を未然に防ぐためにも、早期発見・早期治療が肝要です。

下記の記事では、子どもにおける起立性調節障害のセルフチェック方法を詳しく紹介しているため、気になる方はぜひ一度チェックしてみましょう。

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