起立性調節障害とは

中学生の貧血を治す上でおすすめの食べ物は?サプリは効果がある?

この記事の監修者

医師 錦惠那

医師 錦 惠那

内科一般・腎臓内科・透析科・産業医
保有資格:日本内科学会内科専門医・日本医師会認定産業医
2018年から起立性調節障害患者の診療を行い、累計30人以上の起立性調節障害患者を担当。

一般社団法人 起立性調節障害改善協会

中学生の貧血は、成長期の子どもに多く見られる健康問題の一つです。

特に思春期、成長期真っ只中の中学生は、身体の急激な成長やホルモンの変化により、鉄分や栄養素の不足が原因で貧血を引き起こすことがあります。

特に女の子の場合、月経も開始するためより貧血のリスクは上がりやすいです。こちらの記事では、貧血の主な原因と対策、してはいけない行動などについて詳しく説明します。

中学生が貧血になる原因とは?

まずは、中学生に見られる貧血の原因について解説していきます。

鉄欠乏性貧血

成長期には、身体が大量の鉄を必要としますが、特に女子の場合、月経が始まることで鉄分が不足しやすくなります。

男子も成長と共に血液量が増えるため、鉄分が不足することがあります。

栄養不足

食生活の乱れや偏食によって、鉄分やビタミンB12、葉酸など、血液を作るために必要な栄養素が不足することが貧血の原因となります。

運動の影響

部活動などで過度な運動を行う場合、体内での酸素需要が増え、それに伴い貧血が起こることがあります。

中学生の貧血を治すためにおすすめの食べ物

貧血の原因を踏まえ、貧血を改善させるために摂取するべき5つの食べ物について解説していきます。

鉄分を多く含む食品

鉄分には「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の2種類があり、ヘム鉄の方が吸収されやすいです。

ヘム鉄は動物性食品に多く含まれ、タンパク質と結合した状態で存在する鉄成分です。非ヘム鉄に比べて、体内での吸収率が高いという特徴があります。

非ヘム鉄は野菜や牛乳、卵など植物性食品に多く含まれており、ヘム鉄に比べると吸収率は低いですが、量を摂る、ビタミンCと組み合わせることで吸収率が高まります。

ヘム鉄が豊富な食品(吸収されやすい)

  • レバー(鶏、豚、牛)
  • 赤身の肉(牛肉)
  • 魚(マグロ、カツオ、サバ)
  • 貝類(あさり、しじみ)

非ヘム鉄が豊富な食品

  • ほうれん草、ブロッコリー
  • ひじき、海藻類
  • 大豆製品(納豆、豆腐)
  • ごま、ナッツ類(アーモンドなど)

ビタミンCを含む食品

ビタミンCは、鉄の吸収を促進する働きがあります。特に非ヘム鉄と一緒に摂取することで効果が高まります。

  • 柑橘類(オレンジ、レモン、グレープフルーツ)
  • いちご、キウイ、パパイヤ
  • ピーマン、ブロッコリー、キャベツ、トマト

ビタミンB12を含む食品

ビタミンB12は、赤血球を含む細胞の正常な生成にとても重要です。特に、DNAの合成に関わるため、細胞分裂が活発に行われる組織、特に骨髄での赤血球の形成において重要です。

ビタミンB12が不足すると、赤血球の正常な分裂が妨げられ、異常に大きな赤血球が作られてしまい、正常に機能することができないため貧血となります。

  • 魚(サバ、イワシ、サケ)
  • 肉(特にレバー)
  • チーズや牛乳などの乳製品

葉酸を含む食品

葉酸はDNAの合成や修復に関与し、細胞の分裂や増殖に重要な役割を果たします。特に赤血球の生成が行われる骨髄において、ビタミンB12同様葉酸も正常な細胞分裂に不可欠です。

葉酸が不足すると、赤血球の形成に異常が生じ、未熟な赤血球が作られるため、体内での酸素供給が不足し、貧血の症状が出ます。

  • 緑黄色野菜(ほうれん草、アスパラガス、ブロッコリー)
  • 果物(バナナ、オレンジ)
  • レバー
  • 大豆製品(納豆、豆腐)

タンパク質を含む食品

鉄を効率的に体内に取り込むためには、タンパク質も重要です。

  • 鶏肉、豚肉、牛肉
  • 魚介類
  • 大豆製品(豆腐、納豆)

中学性の貧血を治すためにサプリは効果がある?

基本的に、めまいやふらつき、動悸など貧血を疑う症状がある場合、医療機関を受診し治療を受けることが望ましいです。

サプリメントは効果がないということはありませんが、過剰摂取による問題にも注意する必要があります。食べ物から必要な栄養素を摂取することを基本とし、主治医と相談した上でサプリメントの使用を検討する方針が良いと考えます。

中学生の貧血を治す上でやってはいけないNG行動

こちらでは、中学生が貧血を治す上でやってはいけないNG行動を5つ解説します。

自己判断でのサプリメントや薬の過剰摂取

鉄分やビタミンのサプリメントを自己判断で過剰に摂取することは、逆に健康に悪影響を及ぼす可能性があります。特に鉄分の過剰摂取は、胃腸障害や鉄過剰症(体内に鉄が蓄積して臓器にダメージを与える)を引き起こすリスクがあります。

したがって、サプリメントや薬は医師の診断と指導のもとで、適切な量を摂取するようにしましょう。

偏った食事やダイエット

貧血の改善には、バランスの取れた栄養の摂取が不可欠です。無理なダイエットや偏食は、鉄分、ビタミンB12、葉酸などの重要な栄養素の不足を引き起こし、貧血を悪化させる可能性があります。

特に成長期の中学生は、栄養の摂取量が非常に重要です。健康的でバランスの取れた食事を心がけ、鉄分やビタミンを含む食品を意識的に摂取しましょう。

鉄分の吸収を妨げる飲み物を過剰摂取

お茶やコーヒーに含まれるタンニン、カルシウムを多く含む乳製品は、鉄分の吸収を妨げることがあります。これらを食事中や直後に摂取すると、せっかく食べた鉄分が体に吸収されにくくなります。

食事の際には、これらの飲み物の摂取を控え、ビタミンCを多く含む飲み物(オレンジジュースなど)を摂取することで、鉄分の吸収を助けることができます。

過度な運動や疲労

貧血の状態で激しい運動や過度な疲労を強いると、体に負担がかかり、さらに体力が低下して貧血の症状が悪化する可能性があります。酸素を運ぶ能力が低下しているため、疲労感が強まるだけでなく、めまいや息切れがひどくなることがあります。

適度な運動を心がけ、疲れたときには十分な休息を取ることが大切です。体調が優れないときは無理をしないようにしましょう。

貧血の症状を放置する

貧血は「ただの疲れ」や「成長期の一時的なもの」と思い込み、症状を放置すると、悪化する可能性があります。重度の貧血になると、心臓や脳への酸素供給が不足し、長期的に健康に深刻な影響を及ぼすことがあります。

貧血の症状が現れた場合は、早めに医師の診察を受け、適切な治療や食生活の改善を行うことが大切です。

もしかしたら起立性調節障害かも

中学生や思春期の子どもで「貧血」だと思っていたら、実は起立性調節障害だったというケースはよくあります。両者は症状が似ているため、混同されやすいですが、原因や治療法が異なるため、適切に区別することが重要です。

起立性調節障害は自律神経である交感神経と副交感神経の働きのバランスが崩れることでめまいやふらつき、たちくらみ、頭痛、腹痛など様々な症状を来す病気です。体が大きく成長し、ホルモンバランスの変動が大きい思春期に多くみられます。

特に早朝起床時が1日のうちで最も症状が重く、午前中はめまいや立ちくらみなどの症状が見られ、午後になるにつれて症状も改善していくことが多いです。

貧血の場合、午前と午後で症状に大きな変化がないことが異なります。しかし、両者は症状がよく似ているため、自分で診断することは難しく、医療機関を受診する必要があります。

めまいやふらつき、たちくらみなどの症状で貧血ではないかと悩まれている方は、一度起立性調節障害のセルフチェックをされることをおすすめします。

下記記事ではセルフチェックについて解説していますので、是非ご一読ください。

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