起立性調節障害は自律神経系である交感神経、副交感神経の両方がうまくバランスを取り合うことができずに立ちくらみ、めまいなど、多様な症状を来す病気です。
思春期に多い病気ですが、重症例では大人になるまで持ち越すこともありますし、ストレス社会である現代において、大人の起立性調節障害も決して珍しいものではありません。
自律神経系の調節障害で起こる起立性調節障害についての理解を深めるため、ここでは大人の起立性調節障害の症状について解説していきます。症状はどのくらい持続し、完治するのかについても併せて解説していきます。
大人が起立性調節障害を患った場合の症状
中学生前後の思春期に多い病気ではありますが、症状に大きな違いはなく、大人も同様の症状がみられます。
小児心身医学会ガイドランでは以下11項目のうち、3項目以上認めると起立性調節障害の可能性が高く、2症状が該当していても症状が強ければ起立性調節障害の可能性が高いと判断し、精査を行うことが記載されています。
- 立ちくらみ、めまい
- 起立時の気分不良や失神
- 入浴時やストレスがかかるなど嫌なことで気分不良
- 動悸、息切れ
- 朝起きることが困難で、午前中が特に調子が悪い
- 顔色が悪い、青白い
- 食欲不振
- 頭痛
- 腹痛(前兆なくへその周りが痛い)
- 倦怠感あるいは疲れやすい
- 乗り物で酔いやすい
症状を細かく説明していきます。
何かしらの原因により、自律神経の調整不足をきたし、起立時や立位中に血圧が下がり、心臓や脳への血流が不足することで、立ちくらみ、めまい、気分不良、重症になると失神を起こします。腸管への血流が不足することで腹痛も見られます。
血圧が下がると、心臓が通常よりも心拍数を増やし、全身を循環する血流を何とか維持しようとするため、代償的に動悸、息切れが起こります。
一般的に、起床に伴い、睡眠中優位に働いていた副交感神経から交感神経へスイッチしますが、起立性調節障害の方の場合は、うまくスイッチができないため、なかなか朝起き上がることができず、午前中は症状が強く、午後になるにつれて改善されていくことが多いです。
電車やバスなど乗り物に乗った際には、視覚や聴覚から得られる“乗り物が動いている”という情報と、筋肉から得られる“座っている”という情報にズレが生じるため、脳がストレスと感じることで自律神経系に異常をきたし、胃の不快感や吐き気など、いわゆる乗り物酔いの症状を来します。
関連記事:大人の起立性調節障害の治し方を解説!漢方や市販薬も紹介
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大人が起立性調節障害を患った場合いつまで症状は続くの?
セルフチェックにより疑わしい場合、まずは医療機関に受診することが重要です。
問診や各種検査の結果、内臓に問題がなく、起立性調節障害と診断されると、適切な治療により症状の程度は軽減しやすく、数か月で改善するケースもあります。
適切な生活上の工夫を理解し、必要に応じて薬物療法を行うためにも、受診することが重要です。
大人が起立性調節障害を患った場合完治するの?
起立性調節障害は、天気や季節によっても症状は変化するため、日によって症状が軽かったり、重かったりすることがあり、気長に付き合う必要がある病気です。
重症度にもよりますが、回復までに時間がかかることもあります。しかし、焦ることなく自分のペースで治療を続けることで自律神経の機能は回復していきます。
完治ではなく、日常生活に大きな支障をきたすことがない状態を目指して、病気を理解し、日々の生活に工夫を加え治療を行いましょう。日にち薬”の側面もありますので、焦らず、マイペースに治療していくことが重要です。
よくある質問
ここからは、よくある質問について回答していきます。
大人の起立性調節障害はいつまで続く?
見られている症状から起立性調節障害と早期に適切に診断され、早期に治療を開始することで数か月で改善することもあります。
何よりも、早め早めの受診が重要です。
起立性調節障害を放置するとどうなる?
放置した場合、めまいや立ちくらみ、頭痛などの症状が悪化することが考えられます。
朝起き上がることができなくなり、1日中ベッド上で過ごすことになったりと、社会生活に大きな影響を及ぼす可能性があります。
状態が悪化してしまうと、治療も難渋することがあるため、早期受診、早期診断、早期治療介入が非常に重要です。
起立性調節障害はどうしたら治る?
起立性調節障害の治療方法は基本的には2種類あり、薬物療法と非薬物療法です。起立性調節障害の場合、非薬物療法が占める割合は高く、非常に重要な位置づけにあります。
水分摂取や塩分摂取に気をつけたり、特に下肢の筋肉をつけるような運動習慣をつけたり、起床時や立ち上がる際には動作をゆっくり行ったりと、日常生活上での注意がとても大切になります。
これらを行った上で、血圧や脈拍を調整する薬剤を使用し症状を落ち着かせます。場合によっては漢方などを使用することもあります。
起立性調節障害の治療法(大人)の詳細は下記の記事で解説しておりますので、ぜひ一度ご覧ください。