起立性調節障害とは

【夏休み・長期休み明け】学校に行きたくない場合の対処法とは?中学・高校別に紹介

2024年7月7日

この記事の監修者

医師 錦惠那

医師 錦 惠那

内科一般・腎臓内科・透析科・産業医
保有資格:日本内科学会内科専門医・日本医師会認定産業医
2018年から起立性調節障害患者の診療を行い、累計30人以上の起立性調節障害患者を担当。

一般社団法人 起立性調節障害改善協会

長期のお休みと言えば、夏休み!

早起きして学校にいかなくてもいいですし、夜も遅くまでテレビを観たり自分の好きなことをして夜更かしすることもでき、楽しい期間ですよね。しかし、夏休みが終わり、新学期が始まると、朝起きられない、学校に行きたくないというお子さんも多くいらっしゃいます。

このようなご経験がある親御さんも少なくはないと思います。

こちらの記事では、夏休みなど長期の休み明けに子どもが学校に行きたくない場合の対処方法について詳しく解説していきます。

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夏休み・長期休み明けに子供が学校へ行きたくない場合の対処法

夏休み・長期休み明けに子供が学校へ行きたくないと言いだした場合、親御さんはとても心配になると思います。

基本的な対処方法の中で最も重要なことは子どもの学校に行きたくないという気持ちに寄り添い受け入れることです。親御さんも不安や心配で押しつぶされそうな状況ですので、実際にはとても難しいかもしれません。

しかし、ここで「どうして行きたくないのか」などを問い詰めたり、「学校に行きなさい」と一方的に言ってしまうと逆に状況が悪化してしまう可能性があります。

ここは、一旦不安な気持ちを落ち着かせ、子どもの気持ちを受け入れ、寄り添うようにしましょう。子どもの気持ちを認め、受け入れることで、子どもが学校に行きたくない原因を話しやすい環境を作ることが重要です。

学校に行きたくない理由は様々です。体調がすぐれない、学校へ大きな不安を抱えている、それは、学校での人間関係や学業面、部活動や先生との折り合いなど本当に様々です。一旦、学校を休ませ、学校を休みたい原因を解決に導けるよう介入できることが理想的です。

小学生の場合

夏休み中の生活習慣が抜けきれていない可能性や学校への不安、実は宿題が終わっていないなどの原因が特に考えられます。

生活リズムの改善、学校生活で不安がないか、クラスメイトや先生との関係性などを不安がないか確認しましょう。

中学生の場合

学校生活で不安がないか、よく話を聞くようにしましょう。

クラスメイトや先生との関係性以外にも部活動での先輩後輩の関係性、集団行動やルールを負担に思っていないか、受験を控えている場合は、勉強への重圧も学校へ行きたくない原因の一つとなります。

高校生の場合

学校生活、部活動、予備校、バイトと生活が多様化していく年代だと思います。また、大学受験という大きな出来事も待ち構えていますし、社会へ踏み出していく子どもが多いと思います。

社会への不安が関連している場合もありますので、このような観点から話をよく聞くと良いと思われます。

夏休み・長期休み明けに子どもが学校へ行きたくない場合に親ができること

夏休み・長期休み明けに子どもが学校へ行きたくない場合、親御さんは気持ちを受け入れ、寄り添う以外にもできることは多くあります。休み明けに学校に行きたくないという状況をなるべく避けるために、夏休み中に予防を行っておく方が良いと思います。

したがって、こちらでは、親御さんができる予防方法について解説していきます。

早寝・早起き

夏休み中はいつもより遅く起床したり、夜更かしをして就寝が遅くなることは珍しいことではないと思います。多少であれば大きな問題ありませんが、大幅に起床時間や就寝時間が遅くなると、生活リズムが変わってしまい、新学期に朝起きられなくなってしまいます。

できるだけ、早寝早起きを心がける方が良いでしょう。

朝食をしっかり食べる

休み中はいつもより遅く起床することも多く、そうなると朝食を摂らずに早めの昼食にしたり、昼食前に飲み物だけ、お菓子だけ食べるということもあるかもしれません。

食生活の乱れは健康への影響、生活リズムへの影響が大きいため注意が必要です。早寝早起き、3食をしっかり食べて、規則正しい生活を送りましょう。

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睡眠前のスマートフォン操作は控える

睡眠前のスマートフォン操作は良眠を遠ざける大きな要因の一つです。スマートフォンや他のデジタルデバイスの画面から放たれるブルーライトは、眠気を誘うメラトニンの分泌を抑制します。

また、スマートフォンなどでの動画視聴は興奮状態にさせリラックスして眠りにつくことができません。就寝前のスマートフォン操作は睡眠の質を低下させるため控えましょう。

朝起きたら朝日を浴びる

朝日を浴びることで体内時計がリセットされ、昼間は覚醒しやすく、夜間は睡眠に入りやすいサイクルを促進します。

これにより、自然な睡眠パターンが保たれ、睡眠の質が向上することが期待されます。睡眠、起床の生活サイクルが整っていると、新学期も登校しやすい状態になります。

これらのことに注意して夏休みを過ごすと良いでしょう。

夏休み・長期休み明けに子どもが学校へ行きたくない場合のNG言動

ここまでは、夏休み・長期休み明けに子どもが学校へ行きたくない場合の原因や対処方法を中心にお話してきました。

ここからは、長期休暇明けに子どもが学校へ行きたくない場合にこれだけは行ってはいけないという、NG言動についてご紹介したいと思います。

子どもの気持ちを無視すること

子どもの不安や問題点を無視して、「学校に行きなさい」と言い張ることは避けるべきです。

子どもの気持ちを理解し、受け入れ、話し合いを通じて問題を解決する努力が必要です。

怒鳴ること

学校に行きたくないと子どもに言われると、親御さんも困ってしまうと思います。不安から子どもに対して怒鳴ってしまうこともあるかもしれません。

しかし、怒鳴ってしまう、子どもの不安や抵抗を増大させるだけでなく、今後信頼関係を損なう恐れすらあります。

子どもを責めること

「クラスメイトやお友達はちゃんと学校行ってるのに、どうしてあなたは行けないの」

などと言って、子どもを責めることも決してしないでください。子どもが学校に行けない原因は様々です。

親御さんに責められると子どもは気持ちを出しにくくない、自分自身をさらに責めてしまい自信を無くしてしまいかねません。

もしかしたら起立性調節障害かも

長期休暇の後、子どもが学校に行きたくない場合、起立性調節障害という病気の可能性もあるかもしれません。朝起きられない、午前中はふらつき、めまい、だるさなどの体調不良がある場合は、この病気の可能性が考えられます。

起立性調節障害は自律神経である交感神経と副交感神経の働きのバランスが崩れることで、特に早朝起きられないことが大きな問題になります。その他にも、めまいや頭痛、腹痛、気分不良、動悸など様々な症状がみられます。このため、朝学校に行けないことが問題となります。

特に長期休暇後は生活リズムが乱れている場合が多く、起立性調節障害に注意が必要です。

下記記事では、起立性調節障害のセルフチェックについて解説しておりますので、是非ご一読ください。

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