起立性調節障害とは

中学生で集中できないのはなぜ?考えられる病気・対処法・原因を解説

2024年7月15日

この記事の監修者

医師 錦惠那

医師 錦 惠那

内科一般・腎臓内科・透析科・産業医
保有資格:日本内科学会内科専門医・日本医師会認定産業医
2018年から起立性調節障害患者の診療を行い、累計30人以上の起立性調節障害患者を担当。

一般社団法人 起立性調節障害改善協会

中学生になると、勉強や部活、塾などしなければならないことが多く忙しいと思います。友人関係や学校生活でも悩みが出たりすることもあり、なかなか勉強に集中できないこともあるかもしれません。

中学生のお子さんがなかなか集中して勉強しないことで悩まれている親御さんもおられると思いますが、それはただやる気がないだけなのか、体調が悪いのか、など色々と心配になると思います。

こちらの記事では、中学生が集中できない原因について解説し、病気の可能性がないかなどについてもお話していきます。

起立性調節障害(OD)改善ガイドブック

中学生で集中力がないのはなぜ?原因を解説

集中することとは、注意を一点に集めてその活動や課題に集中することを指します。それは、ある課題に対して焦点を当て、熱心に取り組み、外部の音や出来事に敏感に反応することが少なくなり状態です。

集中することはとても労力のかかることでなので、大人も子供も長時間集中し続けることは実はとても難しいことです。適度な休息を挟みながら作業をすることが必要です。

ただでさえ難しい「集中」ですが、以下のような要因でさらに集中力は途切れやすくなると考えられます。

学習環境の問題

騒音がうるさすぎる、部屋が暑すぎる、暗すぎるなど学習に適さない環境であれば、自然と集中できなくなってしまうのは仕方がないかもしれません。

睡眠不足

十分な睡眠は身体を修復し、脳の記憶を定着させ、疲労を取り除き、翌日の活動に集中できる身体を作ります。

十分な睡眠を取らなければ、注意力や集中力の低下につながることがあります。

栄養不足

バランスのとれた健康的な食事を摂らないことで、貧血や脳の働きに影響を与え、集中力が低下する原因となることがあります。

特に中学生に時期は、身体の成長が著しく、栄養素の需要も高まっており、十分に注意する必要があります。

ストレス

勉強や学校の人間関係など、ストレスが溜まっていると、余計なことにばかりに意識がいってしまい、不安や心配から集中力の低下につながることがあります。

スマートフォンなどデジタル機器の使用過多

最近はスマートフォン、iPadなど色々なデジタル機器があり、学習用に使用している場合も多いと思います。

しかし、学習以外にも動画やゲームなど中学生の興味を引く様々な機能があり、デジタル機器の使用が過剰であると、注意力を逸らし、集中力が低下することがあり、注意が必要です。

学習以外で使用する時間帯や使用時間を決めて、学習時に使用しない場合は別の場所に置いておく方が良いでしょう。

集中力が低下する原因は個々の状況によって様々ですが、集中力を高めるためには、健康的な生活習慣の確立や適切な学習環境の整備が重要です。

中学生で集中力がない場合に考えられる病気

長時間集中すること自体が簡単なことではありませんが、中学生にもなると興味があることやしなければならないことに対してある一定集中して取り組むことができます。したがって、何かに集中しようと思っても集中力が続かないのには、何らかの原因があります。

寝不足で体調がすぐれない、自習室が寒いなど、上記でご説明した要素や心当たりがないにもかかわらず集中ができない場合は、病気の可能性も考えられます。

特に中学生で考えられる代表的な病気について解説していきます。

発達障害

自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害、その他、脳機能の障害でその症状が通常低年齢において発現するものと定義されています。コミュニケーションや社会性が困難になったり、知的発達に遅れが生じたりします。

また、知的発達には問題が見られない場合でも、聞く・話す・読む・書く・計算するなどの特定の分野で問題が生じるます。したがって、なかなか物事に集中できないということもしばしば見られます。

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注意欠陥多動性障害

発達障害のうち、比較的子どもによく見られます。はっきりとした原因はわかっていませんが、脳の前頭前野、線条体、小脳の機能低下などが関与していると言われています。

症状としては、集中力が続かない、飽きやすいなどの不注意、授業中にも関わらず動き回る、じっとできず貧乏ゆすりをするなどの多動性、人が話し終わるのを待てない、突然怒り出すなどの衝動性の3つに分けられます。

「勉強しようと思っても、なかなかやる気が起きない」「集中力が続かず、他のことが気になり、気が付いたらいつの間にか別のことをやっていた」という様なことがあります。

うつ病

はっきりとした原因はわかっていませんが、精神的・身体的ストレスなどを背景に、脳の働きに何らかの不調が起きることで発症するとされています。

症状としては、気分の落ち込み、何事にも興味が持てない、不安、食欲低下、疲れやすい、頭が重い・頭痛、首や肩のこりなどがありますが、初期の頃はこころの不調ではなく体の不調や行動の問題として現れることがほとんどで、とくに思春期にはそうした傾向がより強いといわれます。

物事に対し興味が持てなくなり、意欲の低下も加わり、集中することが難しいことがあります。

中学生で集中力がない場合の対処法

中学生で集中力がない場合、どの様な対処法があるのかを解説していきます。

健康的な生活習慣の確立

毎晩適切な睡眠時間を確保すること、栄養豊富で健康的な食事を摂ること、適度な運動を行うことが集中力の持続にとても重要です。

学習環境の整備

学習環境があまりにも悪い場合に集中できないことは仕方がないことです。静かで整頓された学習スペースを用意することが大切です。明かりや温度など極端に問題がないか確認しましょう。

また、集中しやすい環境を整えるために、学校の課題や予定を管理するカレンダーやスケジュール帳を使うことも効果的です。

適切な学習方法の採用

なかなか集中力が続かない場合、目標を設定すると効果的な場合もあります。小さな目標を立てて、それを達成することでモチベーションを保つことができます。

また、とても基本的なことですが、長時間の勉強やタスクに取り組む際には、定期的に休憩を取ることが集中力の維持に役立ちます。

もしかしたら起立性調節障害かも

十分な睡眠をとり、食生活にも気をつけているのに集中力がない場合、起立性調節障害かもしれません。

起立性調節障害は自律神経のバランスに異常が生じるために起こる疾患です。具体的には、交感神経と副交感神経のバランスに異常が生じ、特に朝に朝起きられない、頭痛やめまい、気分不良など様々な症状が見られます。

朝活性化するはずの交感神経の活性が遅れ、なかなか体が覚醒状態にならないために多様な症状が見られます。次第に交感神経の活性が追い付き、午後には体調が回復する場合が多いことが特徴です。

したがって、朝、午前中は覚醒しきれていないため、集中力がない、または低下していることがあります。

下記記事では、起立性調節障害のセルフチェックについて解説しておりますので、是非ご一読ください。

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