起立性調節障害とは

立つと頭痛・横になると治る場合の原因とは?対処法・考えられる病気を解説

2024年7月21日

この記事の監修者

医師 錦惠那

医師 錦 惠那

内科一般・腎臓内科・透析科・産業医
保有資格:日本内科学会内科専門医・日本医師会認定産業医
2018年から起立性調節障害患者の診療を行い、累計30人以上の起立性調節障害患者を担当。

一般社団法人 起立性調節障害改善協会

一般的にもよく見られる「頭痛」ですが、一度は経験があるのではないでしょうか。

頭痛を引き起こす原因や病気は様々ですが、今までない程の激しい頭痛や突然の頭痛、バットで殴られたような頭痛は危険な病気が隠れているサインなので、早期に必ず受診する必要があります。その他にも、目の疲れや肩こり、睡眠不足、天候などが関係しているものもあります。

今回は、立つと頭痛がするが、横になると改善するタイプの頭痛について原因や対処法を中心にお話したいと思います。

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立つと頭痛がするが横になると治るのはなぜ?

立つと頭痛がするが横になると治る原因として、以下のことが考えられます。

首や背中の筋肉の緊張

長時間同じ姿勢でいることにより、首や肩、背中、肩甲骨周辺の筋肉が緊張し、それが頭痛の原因になることがあります。

特に姿勢が悪い場合や、デスクワークなどで長時間同じ姿勢を続けると、このような症状が現れることがあります。

血行不良

立っている間は、重力によって血液が下半身に引き寄せられやすく、頭部への血流が減少しやすい状況にあります。

そのため、立っているときに頭痛が現れることがあります。しかし、横になると、重力の影響がなくなり、血液の循環が改善され、頭痛が軽減することがあります。

ストレスや緊張

立っているときにストレスや緊張が強まることで、頭痛が引き起こされることがあります。

ストレスは筋肉の緊張、血管収縮作用があり、頭痛の原因になることがあります。横になりリラックスした状態になると、頭痛が治まることがあります。

眼精疲労

長時間のパソコン作業や集中作業によって眼精疲労が進み、それが原因で頭痛を引き起こすことがあります。横になり目が休まると、頭痛が和らぐ場合があります。

立つと頭痛がするが横になると治るというように、体位で頭痛の程度が変化する場合は血流が重要な影響を与えている可能性が考えられます。

立つと頭痛がするが横になると治る場合に考えられる病気

立つと頭痛がするが横になると治る場合、筋肉や血流、ストレスなどが関与していることはご理解頂けたと思います。

その他、病気が原因でこの様な頭痛を起こすことがあり、解説していきます。

群発頭痛

明確な原因はわかっていませんが、ウイルス感染や体内時計の乱れなどが関与しているのではないかと考えられています。

群発性頭痛は非常に強い一側性の頭痛を特徴とし、通常片側の目の周りや額に痛みが発生します。目が充血する、目の周りが腫れる、涙や鼻水が止まらない、おでこの発汗など、自律神経症状が見られることも大きな特徴の一つです。

立っていると症状が増悪することがあり、横になると症状が軽減することがあります。

片頭痛

はっきりとした原因はわかっていませんが、遺伝的な要因やストレス、女性ホルモン、睡眠不足などと関係があると言われています。片頭痛は頭の血管が拡張することで三叉神経を刺激し、それによって起こるズキズキとした拍動性の痛みが現れます。

こめかみから目の周辺にかけて発作的に痛みが発生することが多いです。痛みは片側のこともあれば、両側が痛むこともあります。

頭痛以外にも、吐き気や嘔吐、光や音に過敏になるなどの症状を伴うこともあり、閃輝暗点と呼ばれるギザギザとした輪のようなものが前兆症状として見られることもあります。痛みは数時間〜数日間続くこともあり、生活に大きな支障をきたすことも少なくありません。

脳脊髄液減少症

脳脊髄減少症とは名前の通り、髄液という脳と脊髄の周りを満たす液体が減少する病気です。髄液は脳を保護する役割を担っているため、髄液が減少ずることでめまいや頭痛、首の痛みや倦怠感など様々な症状が見られます。

特に頭痛はよく見られる症状の一つであり、横になっている時よりも、立っている時の方が症状が出やすく、強い傾向にあり、この病気の特徴の一つです。起立性頭痛とも呼ばれています。

髄液が減少する原因を特定できないことも多いのですが、この病気の原因としては、軽いケガや交通事故などの外傷、腰椎穿刺という腰の骨の間から針を入れ麻酔をしたり髄液を採取したりする処置などと関連があります。

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立つと頭痛がする場合の対処法

立つと頭痛がする場合、どの様な対処法があるのかを解説していきます。

横になって休む

頭痛がひどい場合、はやり横になりしっかり休養することがとても重要です。暗めの静かな部屋でゆっくりと休みましょう。

首・肩・目の疲れをとる

首、肩などの肩甲骨周囲のコリ、目の疲れは頭痛を引き起こす原因となるので、ストレッチやマッサージをしてほぐしたり、疲れをとることが重要です。

鎮痛剤を服用する

日常生活に支障を来す程の頭痛である場合、とてもつらいと思います。その際には、鎮痛剤を使用することも選択肢となります。

鎮痛剤にも種類がありますが、できれば胃腸障害や腎機能障害の来す可能性が少ないアセトアミノフェンという種類の鎮痛剤を使用する方が良いでしょう。

しかし、効果に乏しいこともあるので、その際にはロキソプロフェン(ロキソニン)を使用することになりますが、漫然と使用していると胃潰瘍や腎機能障害、鎮痛剤が効かない頭痛などの副作用が出現してしまう場合もあるので注意が必要です。

鎮痛剤がなかなか効かない場合も一度受診する方が良いでしょう。

立ち上がる時はゆっくりと

急に立ち上がると血圧が急激に変化し、頭痛やめまいが起こることがあります。

ベッドや椅子から立ち上がるときは、まず座った状態で数秒間深呼吸し、その後ゆっくりと立ち上がるようにしましょう。

医療機関を受診する

人生で初めての激しい頭痛や突然の頭痛、バットで殴られたような頭痛はクモ膜下出血などの危険な病気が隠れているサインなので、早期に医療機関を受診する必要があります。

その他、頭痛がなかなか治らない場合も一度受診しましょう。

もしかしたら起立性調節障害かも

立ち上がると頭痛がするなど気分が悪くなる場合、自律神経が関与している場合もあります。起立性調節障害とは、自律神経である交感神経と副交感神経の働きのバランスが崩れることでめまいやふらつき、たちくらみ、頭痛、腹痛など様々な症状を来す病気です。

一般的に、朝起床頃より身体を覚醒させるための交感神経が優位になり、午後になると徐々に交感神経から副交感神経の割合が増加していき、就寝が近くなる頃には身体を休める副交感神経が優位に働きます。

起立性調節障害の子どもは交感神経と副交感神経の働きのバランスに不具合が生じ、適切に神経をスイッチすることができないため、色々な症状に悩まされます。

典型的な症状としては、朝活性化されるべき交感神経がうまく活性化されないために、起床することができない、起床できたとしてもめまいやふらつき、頭痛、吐き気など体調不良が続きます。時間とともに交感神経の活性が追い付き、症状は和らぎ、午後からの活動は普通に行うことができることが多いです。

したがって、起床時や午前中にひどい頭痛が見られた場合には、起立性調節障害の可能性があります。下記記事では、起立性調節障害のセルフチェックについて解説しておりますので、是非ご一読ください。

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