学業や部活動、家事や仕事などで忙しい日々を過ごしている方は多く、「最近なんだか疲れやすい」と思ったことがある方も多いのではないでしょうか。
疲れやすい原因や改善方法について知りたいと思っている方々にこの記事を読んで頂けたらと思います。
こちらの記事では、疲れやすい原因。改善方法、病気の可能性などについて解説していきます。
状況によっては起立性調節障害という病気の可能性もあるかもしれません。ぜひ最後までお読みください。
疲れやすさが起床時や午前中に強く、朝起きられない、立ちくらみ、頭痛などを伴う場合は、起立性調節障害が関係していることもあります。
気になる症状を整理しておきたい方は、下記の起立性調節障害のセルフチェックを参考にしてください。
疲れやすい原因

日常生活での睡眠、食事/栄養、運動のサイクルが乱れると疲れが溜まりやすく、疲れやすい原因になると考えられます。
睡眠
私たちは睡眠中に体を休め、疲労からの回復を図り、脳も記憶の整理などを行います。
したがって、睡眠は非常に重要な身体の休養の時間です。睡眠時間が短い、睡眠の質が悪い状態が続くと疲れやすい状態になってしまします。
具体的には以下の項目を確認してみてください。
睡眠時間
必要な睡眠時間には個人差がありますが、成人ではおおよそ6~8時間が目安とされ、少なくとも6時間以上を確保できるよう努めることが推奨されています。
ただし、必要な睡眠時間は年齢や日中の活動量などによって異なります。時間だけでなく、朝起きたときに休養が取れたと感じられるか、日中に強い眠気がないかも目安にしましょう。
睡眠の質
- 寝具や寝室の温度・湿度・あかりなどの環境が適切か
- 睡眠直前の食事や間食の摂取、アルコールやカフェインの摂取はないか
- 就寝前にスマートフォンなどの明るい画面を長時間見ていないか
食事・栄養
必要な栄養をバランスよく摂取することも大切です。糖質、たんぱく質、脂質に加え、ビタミンやミネラル、食物繊維などを取り入れ、食事内容が偏らないようにしましょう。
水分が不足すると脱水によって疲れやすさや立ちくらみが現れることがあるため、こまめな水分補給も大切です。
一方、塩分の過剰摂取は高血圧などにつながる可能性があります。生活習慣病予防を目的とした成人の食塩摂取量は、1日あたり男性7.5g未満、女性6.5g未満が目標とされています。
ただし、起立性調節障害などで医師から塩分摂取について指示されている場合は、その指示に従ってください。高血圧や心臓病、腎臓病などがある方は、自己判断で塩分や水分を増やさないようにしましょう。
食事の時間が不規則になると、必要なエネルギーや栄養を十分に取れないことがあります。できる範囲で規則正しく食事を取り、朝食を抜くことが多い方は、無理なく食べられるものから取り入れてみましょう。
運動
身体を動かすことも体調維持に重要です。激しい運動をする必要はありませんが、水泳やウォーキングなど全身を使った有酸素運動は非常に有効です。
体を動かすことで筋肉量が増え、血液循環の改善が期待できます。また、適度な運動はストレス発散効果もあり、ストレスを減らすことが自律神経のバランスが乱れることを防いでくれます。
炎天下での運動は避け、運動中や運動後に適切な水分摂取を忘れないようにしましょう。
疲れやすい場合に考えられる病気

睡眠、栄養、運動を適切に行っても疲れやすい場合、病気が隠れている可能性も考えられます。
以下、疲れやすい場合に考えられる病気についてそれぞれ解説していきます。
低血圧
血圧が低くても症状がない方は少なくありませんが、血圧低下に伴ってめまいや立ちくらみ、倦怠感、疲れやすさなどが現れる場合があります。
特に、立ち上がったときに血圧が低下する起立性低血圧では、立ちくらみや目の前が暗くなる感覚、ふらつきなどが見られることがあります。
体質的に血圧が低い場合のほか、脱水、出血、貧血、薬の影響、心疾患、内分泌疾患、自律神経の障害などが血圧低下に関係していることもあります。
立ち上がったときのめまいや立ちくらみなど、起立性低血圧の症状について詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。
糖尿病・低血糖
膵臓にあるβ細胞から血糖値を下げるホルモンであるインスリンが分泌されますが、このインスリンの分泌が低下したり、インスリンが分泌されていても作用不足が起こることで高血糖状態が続いてしまうのが糖尿病です。
高血糖状態が続くことで疲れやすく、体重減少やのどの渇きなどが出現し、長期にわたる糖尿病は動脈硬化を引き起こすことが非常に問題になります。
反対に、低血糖は体の(特に脳の)エネルギー源となるブドウ糖が低下することで、冷や汗、ふらつき、身体の疲れやすさなどが見られます。
忙しい現代人は朝食をしっかり食べる習慣に乏しく、大きな原因の一つと考えられています。もともと糖尿病がある方の場合、血糖を下げるためのお薬(経口血糖降下薬)やインスリンが効きすぎていることも考えられます。
貧血
血液中で全身に酸素を運搬する働きがあるヘモグロビンの濃度が低下することで、全身で酸素が不足している状態。貧血の原因は様々であり、年齢や性別によっても異なります。
女性の場合は月経、30-40代の働き盛りの世代では胃潰瘍や十二指腸潰瘍、加齢に伴い悪性腫瘍や血液疾患の可能性も考えられます。
月経の場合は、過多月経や血の塊が多くみられ、胃潰瘍の場合は、食事中のみぞおち辺りの痛み、胃もたれ、むかつき、十二指腸潰瘍の場合は空腹時の痛み、その他にも体重減少や皮下出血などが見られる場合は注意が必要です。
貧血のセルフチェックの方法は、下記を参考にしてみてください。
甲状腺機能低下症
甲状腺ホルモンは甲状腺で産生・分泌されるホルモンで、全身の代謝を活発にするホルモンです。
甲状腺機能低下症では、この甲状腺ホルモンが低下することで、疲れやすさや食欲の低下、便秘など多様な症状が見られます。
睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が止まったり浅くなったりすることを繰り返し、睡眠の質が低下する病気です。
十分な時間眠っても疲れが取れない、朝すっきり起きられない、日中に強い眠気があるといった症状が見られます。大きないびきや、睡眠中の呼吸停止を家族などから指摘されることもあります。
放置すると高血圧や心筋梗塞、脳卒中などのリスクが高まるため、疑われる場合は医療機関で検査を受けることが大切です。
副腎機能不全
感染や炎症、腫瘍など様々な原因により副腎の機能が低下することで、副腎から分泌されるホルモンが十分に分泌されず、様々な症状を来す病気です。
副腎は両側の腎臓の上に乗っかるようにして存在しており、アドレナリンやステロイドホルモン、性ホルモンを分泌しています。特にステロイドホルモンが欠乏することで低血圧や低血糖、身体の疲れやすさなどが出現します。
うつ病
はっきりとした原因はわかっていませんが、精神的・身体的ストレスなどを背景に、脳の働きに何らかの不調が起きることで発症するとされています。
気分が落ち込み、何事にも興味が持てなくなり、食欲低下や睡眠障害を来し、疲れやすく、日常生活に支障をきたす場合も多い病気です。
疲れやすい場合の治し方
上記でご説明した病気の治療方法について解説していきます。
低血圧の場合
低血圧による症状がある場合は、まず脱水や貧血、薬の影響、心疾患など、血圧が低下している原因を確認することが大切です。
日常生活では、急に立ち上がらない、長時間立ち続けることを避ける、こまめに水分を取るなどの対策が挙げられます。
塩分や水分を増やすことで症状の改善が期待できる場合もありますが、適切な量は病状によって異なります。高血圧や心臓病、腎臓病などがある方は、自己判断で増やさず主治医に相談してください。
糖尿病・低血糖の場合
糖尿病では、食事療法や運動療法を基本とし、血糖値や病状に応じて飲み薬や注射薬、インスリンなどを使用します。
低血糖の症状がある場合は、ブドウ糖や糖分を含むジュースなどを摂取し、安静にしましょう。日頃から朝食を欠かさず、規則正しい食事を心がけることも大切です。
糖尿病治療中の方は、薬剤の調整が必要になる場合があるため、自己判断で変更せず主治医に相談してください。
意識がはっきりせず飲み込めない場合は、誤嚥や窒息のおそれがあるため、無理に飲食物を与えず救急要請してください。
貧血の場合
貧血の原因を突き止めることが重要です。女性で月経過多がある場合は、子宮筋腫などの病気が隠れている可能性もあるため、婦人科を受診することをおすすめします。
みぞおち辺りの痛みや、胃のむかつきなどがあり、胃潰瘍や十二指腸潰瘍が疑われる場合は、胃カメラにより診断することができます。
原因を突き止めた上で、病気が見つかった場合は、治療を行い、そのうえで、鉄分が多く含まれた食材の摂取を心がけましょう。
鉄分が多く含まれている食材としては、レバーやひじき、のり、バジル、プルーンなどがあります。
甲状腺機能低下症の場合
甲状腺ホルモンが低下した状態ですので、不足した甲状腺ホルモンを補充する内服薬があります。
睡眠時無呼吸症候群の場合
肥満が関係している場合は、食事や運動を見直して減量に取り組みます。ただし、肥満ではない方にも睡眠時無呼吸症候群は起こります。
検査結果や重症度に応じて、睡眠中に気道へ空気を送り込むCPAP療法や、マウスピースによる治療などが検討されます。
副腎機能不全の場合
副腎機能不全では、不足している副腎皮質ホルモンを薬で補う治療を行います。薬の種類や服用量、治療期間は、副腎機能不全の原因や病状によって異なります。
ステロイド薬を急に減量・中止すると、副腎不全を悪化させる危険があります。決して自己判断で服用量を変更せず、医師の指示に従ってください。
発熱や嘔吐、下痢、外傷など、体に強いストレスがかかったときは薬の増量が必要になる場合があります。体調を崩した場合の対応について、あらかじめ主治医に確認しておきましょう。
強い脱力感や意識障害、著しい血圧低下、繰り返す嘔吐などがある場合は、副腎クリーゼの可能性があるため、速やかな救急受診が必要です。
うつ病の場合
うつ病の治療では、心身を十分に休ませることに加え、症状や重症度に応じて抗うつ薬などによる薬物療法や精神療法が行われます。
治療方法は一人ひとり異なるため、医師と相談しながら治療を進めることが大切です。
すぐにできる対処法

何よりもまず生活習慣の見直しが重要です。
バランスの良い食事を規則的に取れているか、睡眠時間や睡眠の環境は適切か、運動習慣やストレスを溜め込んでいないかなど再確認してみてください。
介入できるところから少しずつ改善することで、疲れにくい身体づくりをしていきましょう。
それでも症状が改善しない場合や身体の疲れにくさ以外にも気になる症状がある場合は医療機関で相談することも検討してみてください。
もしかしたら起立性調節障害かも
疲れやすく、休んでもなかなか疲れが取れない状態が午前中に強く、午後になると軽くなるなど、1日の中で症状が変化する場合は、起立性調節障害が関係している可能性があります。
起立性調節障害は、立ち上がったときの血圧や心拍数など、循環器系の調整がうまく働かず、さまざまな不調が現れる病気です。思春期に多く見られますが、大人にも症状が現れることがあります。
疲れやすさや朝の起床困難のほか、立ちくらみ、めまい、頭痛、腹痛、吐き気、動悸などが現れ、午前中に調子が悪く、午後になると症状が軽くなることがあります。
ただし、貧血や甲状腺疾患、心疾患、睡眠障害などでも似た症状が現れます。セルフチェックだけで判断せず、症状が続いている場合は医療機関へ相談しましょう。
子どもに疲れやすさや朝の起床困難、立ちくらみなどが見られる場合は、下記のセルフチェックも参考にしてください。









