生活習慣の乱れやストレスなどにより自律神経の調子に不具合を来すと、めまいや動悸、頭痛、吐き気など様々な体調不良に悩まされます。
自律神経に異常を来した場合に見られる症状に対し、漢方薬で治療をすることは有用な手段の一つと言えます。
本記事では、自律神経失調症に対し、効果が期待できる漢方薬について解説していきます。
関連記事:自律神経失調症には乳酸菌が重要!効率良く乳酸菌を摂取する方法を解説
【市販】自律神経失調症におすすめの漢方薬5選
自律神経失調症におすすめの市販で買える漢方薬を5つ紹介します。
桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)
<期待できる効果>
疲れやすい、神経過敏、不眠症などの症状に効果を発揮します。
<こんな方におすすめ>
虚弱な体質で疲れやすく、精神的に興奮しやすい方に効果が期待できます。
半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
<期待できる効果>
気分の落ち込み、喉頭・咽頭の異物感、動悸、めまい、吐き気などの症状に効果を発揮します。
<こんな方におすすめ>
気分が落ち込み、ストレスなどからくる息苦しさや胸・喉のつっかえた感じが見られている方に効果が期待できます。
加味帰脾湯(かみきひとう)
<期待できる効果>
不眠症、不安、倦怠感などに効果を発揮します。
<こんな方におすすめ>
比較的体力があり、精神的な疲れから睡眠に不調を来した方に効果が期待できます。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
<期待できる効果>
女性ホルモンのバランが乱れることで見られる自律神経の異常、めまいや立ちくらみ、耳鳴り、動悸、足腰の痛みや冷え、倦怠感、月経不順などに効果を発揮します。
<こんな方におすすめ>
虚弱な体質で貧血傾向、疲れやすい方におすすめです。女性特有の冷え性や月経異常などの改善にも効果が期待できます。
加味逍遥散(かみしょうようさん)
<期待できる効果>
頭痛、肩こり、冷え・のぼせ、月経不順、イライラ、緊張、不安、便秘などの症状に効果を発揮します。
<こんな方におすすめ>
虚弱な体質で疲れやすく、気分の変動や精神的な症状が強い女性に効果が期待できます。
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自律神経失調症に漢方薬は効果がある?ない?
漢方薬は体質や症状に合わせて決定するため、自律神経失調症に対して効果は期待できます。
漢方薬は体質、見られている症状をもとに選択されます。同じ症状があっても性別やもともとの体質などで使用する漢方薬は異なります。
しかし、即効性を期待することは難しいと言えます。基本的には長く継続して飲むことで効果が見られますが、中には数回の服用で効果が表れるものもあります。
関連記事:自律神経失調症には乳酸菌が重要!効率良く乳酸菌を摂取する方法を解説
自律神経失調症で漢方薬を服用することによる副作用はある?
漢方薬は副作用がないとよく思われがちですが、西洋薬と同じように副作用は存在します。漢方薬は植物や動物、鉱物などから生成された生薬ですので、確かに、副作用は比較的少ないですが、副作用がゼロではありません。
最も有名な副作用としては、甘草が含まれる漢方薬でみられる偽性アルドステロン症です。甘草の主成分であるグリチルリチン酸の大量摂取により血圧が上昇し、体内のミネラル分の一種であるカリウムが低下することで、筋力低下や手足のけいれん(ミオパチー)、むくみなどが出現します。
利尿剤との併用で副作用はさらに出現しやすくなるため、注意が必要です。また、漢方薬使用による間質性肺炎も少ないながら報告があります。
その他、皮膚の赤みや発疹などの皮膚症状、むかつきや吐き気などの消化器症状が比較的一般的な副作用です。服用前に必ず添付された文書を良く読むようにしましょう。
関連記事:自律神経失調症とは?治し方や原因、症状、セルフチェックについて解説
自律神経失調症と思っていたら起立性調節障害の場合もある
起立性調節障害も自律神経に異常が見られる病気の一つです。
一般的には思春期前後の子どもに多く、朝起きることができないことが特徴的で、その他、めまいや立ちくらみ、腹痛や動悸など様々な症状が見られます。生活習慣の乱れやストレスなどが原因で大人でも発症するリスクはあります。
体調不良がなかなか改善しない場合、起立性調節障害の可能性がないかセルチェックをしてみてください。当てはまる項目が多いようであれば、早期に医療機関を受診した方が良いかもしれません。
下記記事では、起立性調節障害のセルフチェックについて解説しておりますので、是非ご一読ください。
>>起立性調節障害のセルフチェックリスト(子ども)|すぐにできる診断テスト
【参考文献】
日本小児心身医学会 起立性調節障害(OD)
自律神経失調症 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
日本臨床内科医会(自律神経失調症)