「子どもが寝てばかりいる…」それ、ただの疲れではないかもしれません!
子どもが日中も眠り続けている姿に「成長期だからよく寝るのはあたりまえ」と思っていませんか?もちろん、成長期の睡眠は重要です。
しかし、必要以上に寝ている場合や、極度の疲労感を訴える場合には、生活習慣の乱れや心理的なストレス、さらには病気が隠れている可能性もあります。
この記事では、子どもが寝てばかりいる原因として考えられる要因を幅広く解説し、適切な対処法についてもご紹介します。心配な状況に気付くきっかけとなれば幸いです。
子供が寝てばかりなのは病気?潜んでいるリスクとは?
基本的に、子どもが日中寝てばかりいる場合、生活習慣の乱れから睡眠サイクルに影響を与えているケースが多いです。しかし、中には以下の疾患が関連している場合も考えられます。
過眠症
過眠症とは、しっかり睡眠を取っているいるにも関わらず、日中など本来起きている時間帯に異常な眠気に襲われ、時には起きていられない程となり居眠りをしてしまうため、日常生活に支障を来してしまう状態です。ナルコレプシーなどが含まれます。
貧血
酸素を運ぶ役割を持つヘモグロビンが不足することで、体が疲れやすくなり、眠気を感じることがあります。
うつ病や適応障害
うつ病は精神的・身体的ストレスなどを背景に、脳の働きに何らかの不調が起きることで発症します。適応障害も同様に環境などの様々な変化やストレスに適応できずに発症するとされています。
子どもでも心理的なストレスからうつ状態や適応障害になることがあります。この場合、過眠が見られることが多いです。
甲状腺機能低下症
甲状腺ホルモンは甲状腺で産生・分泌されるホルモンで、全身の代謝を活発にするホルモンです。甲状腺ホルモンが不足すると、全身の代謝が低下し、疲れやすさや眠気が増すことがあります。
睡眠時無呼吸症候群
夜間の呼吸が止まることで睡眠が十分取れず、日中に過剰な眠気を感じることがあります。子どもの場合、アデノイドや扁桃腺の肥大が原因となっていることが多いです。
感染症や慢性疾患
インフルエンザ、ウイルス感染症、腎炎などの病気では、体がエネルギーを回復しようとするために長時間の睡眠が必要になることがあります。
子供が寝てばかりの原因とは?
今の子どもたちは学校生活や部活動、そして習い事も多くされている場合も多く、本当に忙しいと思います。生活習慣や睡眠のサイクルが容易に乱れやすく、ストレスを抱え込みやすい状況とも考えられます。
病気の可能性については上記でお話しましたので、その他の基本的な原因について解説していきます。
疲労やストレス
学校生活や運動での疲労、心理的ストレスが原因で過剰に眠ってしまうことがあります。
特に学業や人間関係でのストレスが大きい場合は、睡眠に逃げるような状態になることもあります。
生活習慣の乱れ
徹夜で勉強をする、夜更かしや長時間のスマートフォン使用などで体内時計・睡眠サイクルが乱れ、昼間に過度に眠くなることがあります。
栄養の偏り
鉄分やビタミン不足などが原因で、エネルギー不足や慢性的な疲労を引き起こす場合があります。
特に思春期の場合は、鉄分などの栄養素の需要が増えており、不足してしまうこともあるので注意が必要です。
子供が寝てばかりいる場合の対処法
こちらでは、子供が寝てばかりいる場合の対処法を解説していきます。
生活習慣の再確認
就寝時間、起床時間を一定にして、規則正しい睡眠時間の確保、規則正しい生活を送ることを心がけましょう。
夜更かしや特に就寝前のスマートフォン使用は控えることがとても重要です。
栄養バランスの改善
鉄分やビタミンB群、タンパク質を意識的に摂取し、バランスのとれた食事を3食摂取しましょう。
ストレスを取り除く
学校生活や友人関係について、困っていることや悩んでいることがないか、日ごろから子どもとコミュニケーションをとっておくことが望ましいです。
軽い運動やストレッチなど運動習慣をつけてストレスの発散へ役立ててもいいですし、趣味や好きなことをする時間を設けて集中することもストレス発散に効果的と言えます。
医療機関の受診
疲労感や過眠が続く場合、小児科や内科の受診を検討してください。症状によっては、睡眠外来や心療内科の受診も検討しましょう。
もしかしたら起立性調節障害かも
特に子供が午前中に寝てばかりいる場合、起立性調節障害かもしれません。
起立性調節障害は自律神経である交感神経と副交感神経のバランスが崩れることで、多様な症状を来す病気です。特に思春期の子どもに多いことが知られています。
自律神経のバランスには日内変動のパターンがあり、交感神経が優位に働くことで日中は活動するためのスイッチが押され、夕方にかけて副交感神経にスイッチしていき、睡眠中は副交感神経が優位に働くことで体を休息させます。
起立性調節障害の方は朝方起床時に副交感神経から交感神経へのスイッチがうまくいかず、活動するためのスイッチがなかなか押されない状態になってしまいます。
そのため、朝なかなか起き上がれず、起きたあとも身体のだるさや眠気などの症状が持続するため、ソファーで横になって過ごすことも多いです。次第に交感神経の働きが強まり、症状は緩和され、午後には眠気も消失し活動的になります。
したがって、特に午前中に寝てばかりいる状況が続いている場合は起立性調節障害の可能性があるので、セルフチェックをした後に受診を検討する方が良いでしょう。
下記の記事では、起立性調節障害のセルフチェックについて解説しておりますので、是非ご一読ください。