最近、腸内環境、腸活、乳酸菌などという言葉を耳にすることが増えてきたのではないかと思います。腸内環境を良くすることで健康上の様々な問題を改善させることができると非常に注目されています。
本記事では、起立性調節障害と乳酸菌の関係について解説していきます。
起立性調節障害に乳酸菌は効果がある?ない?
起立性調節障害とは自律神経に異常を来すことで早朝起床困難やめまい、ふらつきなど様々な症状が見られる病気です。一般的に治療としては、非薬物療法が非常に重要であり、その上で薬物療法を併用することもあります。
乳酸菌が直接的に起立性調節障害の症状改善に関係はしていませんが、腸内環境や免疫システムの調整により体調が整う可能性はあります。
腸内環境と睡眠に関する研究が活発にされています。腸内環境と脳は相互に影響し合っており、睡眠調整に重要なセロトニンやメラトニンの生成にも関与しています。
乳酸菌により腸内環境を整えることで良質な睡眠を得ることができ、起立性調節障害の症状改善の一助になる可能性があります。
関連記事:起立性調節障害を改善するためには乳酸菌が大切-乳酸菌の効果的な摂取方法を解説
そもそも乳酸菌とは?期待できる効果を解説
ここで乳酸菌について、解説していきます。
乳酸菌とは、炭水化物などの糖を消費して乳酸という物質を作る細菌の総称です。乳酸が作られることで腸内は適度に酸性に保たれ、腸内で悪い働きをする悪玉菌の増殖を抑えることができるため、善玉菌と呼ばれています。
乳酸菌は私たちの身体にとって良い働きをする善玉菌ですが、具体的にどの様な良い働きをしているのか解説していきます。
腸内環境の改善
乳酸菌は腸内細菌叢を調整し、腸の健康をサポートする助けになると考えられています。
腸内のバランスが良好であることは、悪玉菌の増殖を抑え、便通の改善など消化器系の正常な機能にとても重要です。
免疫機能の向上
一部の乳酸菌は、免疫系を強化する助けになることが確認されています。
特定の種類の乳酸菌は、免疫細胞の活性化や免疫応答の調節に寄与すると考えられており、風邪予防にも乳酸菌は有効だと言われています。
アレルギー症状の軽減
一部の研究では、乳酸菌がアレルギー症状の軽減に寄与する可能性があると示唆されています。
心血管疾患のリスクの低減
一部の乳酸菌でコレステロールを吸着させ血中のコレステロールを低下させる働きがある可能性が示されています。
悪玉コレステロールが異常に増加することで動脈硬化が促進され、心筋梗塞や脳梗塞などの心血管疾患を発症するリスクが上がります。一部の研究では、乳酸菌が心血管疾患のリスクを低減する効果があると示唆されています。
その他、腸内細菌と肥満の関連や睡眠との関連など多くのことが近年の研究で明らかになっております。
関連性がまだはっきりしていないものも多くあることが予想され、これから更なる発見が期待できる分野の一つと考えられます。腸内細菌は全身の健康にとても深い関連があることは間違いありません。
乳酸菌は起立性調節障害のどのような症状に効果が期待できる?
起立性調節障害は睡眠相の後退など睡眠障害を伴うことも非常に多いです。これは、交感神経と副交感神経のスイッチが正常よりずれることで起こります。
朝方、交感神経が活性化することで身体は覚醒し目覚めるが、起立性調節障害の方の場合、このスイッチが遅れるため、朝なかなか起き上がることができず、起きてもめまいや気分不良などの体調不良に悩まされます。
夕方になると次第に副交感神経が優位に働くようになり、身体を休め睡眠へと誘導されますが、起立性調節障害の方の場合、副交感神経の活性が遅れることでなかなか眠気が起こらず、就寝時間も遅くなってしまいます。
この様に、朝起きれない、夜眠れないという悪循環に陥ってしまいがちです。多くの研究で腸内細菌と睡眠は深い関連があるため、乳酸菌により睡眠の改善が期待できると考えられます。腸内細菌と睡眠の関連性については以下のようなものがあります。
<腸-脳相互作用>
腸と脳は相互に影響し合うことが知られており、これを腸-脳相互作用と呼びます。腸内細菌叢がバランスを欠いていると、脳の機能にも影響を及ぼすことがあり、睡眠の質に影響を与えたり、うつ病発症のリスクが上がる可能性があります。
<セロトニンの産生>
セロトニンは、リラックスや幸福感を調節する役割もありますが、睡眠調節にも関与しています。睡眠を誘導するホルモンであるメラトニンはセロトニンから作られています。セロトニンは脳でも作られますが、9割近くが腸で作られ、腸内にはセロトニンを産生する細胞が存在します。
乳酸菌を効率よく摂取する方法
乳酸菌の摂取方法は大きく2つあります。
一つは、生きた乳酸菌をそのまま摂取することで、もう一つは、乳酸菌のエサとなる物質を多く含む食品を摂取することです。
生きた乳酸菌をそのまま摂取する
生きて腸までたどり着くことのできる乳酸菌をプロバイオティクスと呼びます。腸に到達するまでに胃酸で死んでしまうこともありますが、プロバイオティクスは比較的その作用が少ないです。
生きて腸に到達した乳酸菌は悪玉菌の増殖を抑えてくれますが、この作用が一生続くわけではありません。一定期間腸内で働いたあと排出されるため、毎日継続して摂取する必要があります。
生きた乳酸菌が多い食品としては、ヨーグルトやチーズ、味噌や漬物、キムチなどの発酵食品などがあります。
乳酸菌のエサとなる物質を多く含む食品を摂取する
腸内の乳酸菌を増やす方法として、乳酸菌のエサになる物質を摂取することがあります。
乳酸菌のエサになる物資としては、食物繊維やオリゴ糖があります。食物繊維を多く含む食品としては、切り干し大根、干ししいたけ、きくらげ、こんにゃく、イモ類、豆類などがあります。
また、オリゴ糖を多く含む食品としては、大豆、バナナ、ニンニク、ネギ、ごぼう、玉ねぎなどがあります。
しかし、起立性調節障害に効果的な乳酸菌は何でもいい訳ではありません。ヨーグルトや発酵食品を食べて摂る乳酸菌では質も量も起立性調節障害の改善にはなかなか結び付きません。
どのような乳酸菌を摂るといいかは下記の無料の小冊子にまとめています。こちらをダウンロードされご確認ください。
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乳酸菌を継続的に摂取して腸内環境を整え起立性調節障害を改善させよう
乳酸菌は善玉菌と呼ばれており、腸内環境を良くしてくれます。腸内環境が良くなると、便通の改善、免疫力アップ、睡眠の改善などが期待できます。
乳酸菌を含む食品の摂取は一度摂取しただけでは不十分であり、毎日継続した摂取が重要です。毎日続けつことで乳酸菌を増やし腸内環境を整えることで、体調の改善、睡眠の改善から起立性調節障害の症状改善を目指しましょう。
下記記事では、乳酸菌を効率良く摂取する方法を紹介していますので、ぜひ参考にされてください。
関連記事:起立性調節障害の改善が期待できる乳酸菌を効率良く摂取する方法
https://odod.or.jp/products/lactic/
関連記事:起立性調節障害を改善するためには乳酸菌が大切-乳酸菌の効果的な摂取方法を解説
【参考文献】
日本小児心身医学会 起立性調節障害(OD)