起立性調節障害とは

これは病気?朝 食欲がない 気持ち悪い時の原因や対策・治療法

2023年1月20日

この記事の監修者

医師 錦惠那

医師 錦 惠那

内科一般・腎臓内科・透析科・産業医
保有資格:日本内科学会内科専門医・日本医師会認定産業医

一般社団法人 起立性調節障害改善協会

  • 朝 食欲がない
  • 気分も悪い

ということはありませんか?

時々であれば大きく問題はありませんが、頻度が多く、継続している場合、注意が必要です。その症状に隠れている病気の可能性、原因や治療について解説していきます。


「朝 食欲がない 気持ち悪い」

その症状、もしかしたら起立性調節障害かも?

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「朝 食欲がない 気持ち悪い」の原因

食欲がない(=食欲不振)原因は様々ですが、特に食道や胃腸、十二指腸、肝臓、膵臓などの消化器系の問題が考えられます。消化器系以外の病気としては、腎臓病やホルモンが関わる代謝・内分泌系の病気も考えられます。

病気以外でも、多くの原因によって食欲不振は引き起こされます。

◆就寝する直前の食事摂取
就寝直前に食事を摂取してしまうと、寝ている間も胃腸は消化吸収活動を行うことで、休まることがない状況になってしまいます。
また、食事が長期間胃に滞留することで、就寝中に逆流しやすくなってしまい、翌朝の食欲不振につながってしまうことも考えられます。

◆ストレス
胃はストレスに弱いとよく耳にしませんか。ストレスが原因で直接胃の粘膜を傷つけ、胃潰瘍になってしまうこともあります。
また、ストレスは自律神経系の不調を来します。自律神経系には交感神経と副交感神経があり、胃腸機能や生命維持に重要な体の働きをコントロールしています。
胃腸機能に関しては、副交感神経が優位の際に消化吸収機能が活発に働きます。自律神経のバランスが崩れることで、交感神経ばかりが優位になる状態が続くと、胃もたれやむかつき、食欲不振などがみられます。

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「朝 食欲がない 気持ち悪い」時に考えられる病気とは

食欲不振が見られる病気について、それぞれの特徴などをまとめて解説していきます。

◆慢性胃炎
何らかの原因で慢性的に胃に炎症が起きている状態で、胃もたれや、食欲不振、吐き気などの症状が見られます。
重要な原因としては、ヘリコバクター・ピロリ菌の感染です。ピロリ菌感染が長く続くと胃がんへ進展することが言われており、除菌治療が必要になります。

◆胃潰瘍/十二指腸潰瘍
何らかの原因で胃や十二指腸の粘膜が傷つき、みぞおちの痛みや食欲不振が見られます。
みぞおちの痛みは食事と関連があり、胃潰瘍では食事中や食後に痛みがみられることが多く、十二指腸潰瘍では空腹時に痛みがみられることが多いのが特徴の一つです。
主な原因としては、ヘリコバクター・ピロリ菌感染、喫煙、ストレス、痛み止めの使い過ぎなどがあります。

◆肝炎
ウイルスやアルコール、薬剤や自己免疫疾患など様々な原因で肝臓に炎症が起こった状態です。体のだるさや食欲不振、重症になると黄疸などが見られます。

◆腎不全
腎臓は尿を生成することで、体内の老廃物を排泄します。
腎臓の機能が低下すると、尿に蛋白が漏れ出し、足や顔がむくみ、体内に老廃物が蓄積することで吐き気やむかつき、食欲不振などが見られます。

◆甲状腺機能低下症
甲状腺ホルモンは甲状腺で産生・分泌されるホルモンで、全身の代謝を活発にするホルモンです。
甲状腺機能低下症では、この甲状腺ホルモンが低下することで、つかれやすさや食欲の低下、便秘など多様な症状が見られます。

頻度は高くないのですが、胃がんや大腸がんなどの悪性疾患も考えられます。

寝不足やストレスによって時々食欲不振がみられることは誰にでもありますが、数日間にわたって続く場合や食欲不振以外にも症状を認める場合には医療機関を受診することをおすすめします。

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「朝 食欲がない 気持ち悪い」の対策や治療法

上記でご説明した食欲不振を引き起こす状況や病気についての治療法に関してそれぞれ解説していきます。

◆就寝する直前の食事摂取
睡眠中の胃内の残留を減らし、胃腸を休息させるためにも、少なくとも就寝の2時間前までには食事を済ませておきましょう。
就寝前の食事摂取は糖尿病や肥満のリスクにもなるため、生活習慣病予防という観点からも眠前の食事摂取は控えることが望ましいです。

◆ストレス
ストレスは胃潰瘍、十二指腸潰瘍の原因になり、自律神経のバランスを崩すことで様々な不調につながります。
十分な睡眠と適度な運動は非常に重要であり、リラックスする時間を作るようにしましょう。

◆慢性胃炎
最も重要な原因因子であるヘリコバクター・ピロリ菌の感染状況を確認し、感染が確認された場合は除菌が推奨されます。
内視鏡検査(胃カメラ)で感染状況と現在の胃の状況を確認します。

◆胃潰瘍・十二指腸潰瘍
ヘリコバクター・ピロリ菌感染、喫煙、ストレス、痛み止めの使い過ぎが重要な原因であるため、ピロリ菌の除菌や禁煙、ストレスの解消、痛み止めの減量または胃薬を併用するなどが治療となります。

◆肝炎
ウイルス性肝炎の場合、治療薬があります。適応については、消化器内科医や肝臓専門医とご相談ください。
禁煙や生活習慣の改善も重要です。ウイルス性肝炎やアルコール性肝炎から肝がんの発症も言われており、適切な治療を行うことが重要です。

◆腎不全
基本的に、腎臓の機能は一度悪くなると完全にもとに戻ることはないため、悪くならないために予防することが非常に重要です。
腎臓は血管が豊富な臓器であるため、動脈硬化は大敵です。血圧、脂質、尿酸、血糖などいわゆる生活習慣病のコントロールがとても大切です。

◆甲状腺機能低下症
甲状腺ホルモンが低下した状態ですので、不足した甲状腺ホルモンを補充する内服薬があります。

これらの病気が疑われる場合は、必ず医療機関を受診し、治療方針を医師と相談しましょう。

もしかしたら起立性調節障害かも

上記でご説明した病気の食欲不振は朝だけに限らず、常に食欲がないことが多いです。ですので、特に朝食欲がなく、気分もすぐれない場合、自律神経の不調が最も疑われます。

起立性調節障害は何らかの原因で自律神経系である交感神経と副交感神経のバランスが崩れることで、多様な症状を来す病気です。

自律神経のバランスには日内変動のパターンがあり、交感神経が優位に働くことで日中は活動するためのスイッチが押され、夕方にかけて副交感神経にスイッチしていき、睡眠中は副交感神経が優位に働くことで体を休息させます。

起立性調節障害の方は朝方起床時に副交感神経から交感神経へのスイッチがうまくいかず、活動するためのスイッチがなかなか押されない状態になってしまいます。そのため、朝なかなか起き上がれず、朝食も食べることができず、午前中は体調が悪いことが多いのです。

セルフチェックにより起立性調節障害が疑わしい場合は医療機関を受診しましょう。

下記記事では起立性調節障害のセルフチェックについて解説していますので、ぜひ参考にしてください。

 

下記記事では「起立性調節障害の治療法」をまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

【参考】
日本小児心身医学会 起立性調節障害(OD)

起立性調節障害(OD)改善ガイドブック

トトノエライトプレーン

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