起立性調節障害とは

起立性低血圧のセルフチェック法-大人・子ども別に出やすい症状を解説

2023年12月3日

この記事の監修者

医師(匿名)

医師歴:10年
勤務病院:某3次救急病院

一般社団法人 起立性調節障害改善協会

  • 立ち上がるとふらつくことが多く、起立性低血圧かどうか気になる
  • 起立性低血圧をセルフチェックする方法が知りたい

このようなお悩みをお持ちの方も多いでしょう。

自宅で血圧測定することによって、起立後の血圧変化の度合いをチェックし、比較的容易に起立性低血圧をセルフチェックできます。

また、起立性低血圧に特徴的な症状を把握しておくことで、早期に発見することができるため、事前に知っておくと良いでしょう。

この記事では、医師である筆者の経験を基に、具体的な起立性低血圧のセルフチェック方法や症状について詳しく解説します。

この記事を読むことで下記のようなことが分かるため、ぜひ参考にしてください。

  • 子供や大人の起立性低血圧のセルフチェック方法がわかる
  • 起立性低血圧に似た症状をきたす病気がわかる
  • 起立性低血圧の改善方法がわかる

起立性調節障害(OD)改善ガイドブック

起立性低血圧のセルフチェック方法

起立性低血圧のセルフチェック方法は、起立時の血圧変化と出現する症状をしっかり把握することです。

起立時の血圧変化については「仰臥位または座位から立位に体位変換した際、起立後3分以内に収縮期血圧が20mmHg以上低下するか,または収縮期血圧の絶対値が90mmHg未満に低下するか、もしくは拡張期血圧が10mmHg以上低下する」場合に診断されると定義されています。

そのため、ご自宅で血圧測定さえできればセルフチェックも可能ですが、症状出現による失神や転倒による頭部外傷や顔面損傷のリスクもあるため、積極的には勧めません。

そこで、起立性低血圧のセルフチェック方法として、日常から出現する症状を把握することである程度起立性低血圧の可能性を推察することが可能です。

ここでは、子供と大人に分けて起立性低血圧で認めやすい症状について解説します。

子どもで特に見られる症状

そもそも、起立性低血圧とは病気ではなく、あくまで起立時に血圧が低下して症状が出現している状態を意味しています。

特に、中高年に多い高血圧に対する降圧剤内服や、糖尿病・パーキンソン病などに伴う自律神経障害などによって血圧低下がもたらされるため、加齢によって発症率が増加する病気です。

しかし、小児でも一定数発症を認める病態であり、特に急激な肉体の成長に対して自律神経の成長がついていけなくなると発症します。

子どもで特に見られる症状としては、朝の起床困難や腹部症状が挙げられます。

小児で起立性低血圧を認める場合、自律神経の乱れによって生じている可能性が高く、起立時の低血圧以外にもさまざまな症状をきたすためです。

自律神経は血圧や脈拍以外にも、体温・睡眠・消化管運動・排尿・排便など幅広い生理機能を調節しているため、自律神経の乱れによって睡眠相が乱れる(朝の起床困難や夜の入眠困難)、もしくは心窩部痛や嘔気嘔吐などの腹部症状を併発しやすいです。

以上のことからも、起立時のめまい・ふらつきはもちろんのこと、睡眠相の乱れや腹部症状を有する場合は起立性低血圧を疑いましょう。

大人で特に見られる症状

大人で特に見られる症状としては、不定愁訴とも捉えられるような倦怠感や易疲労感、さらには失神などです。

決して、大人=失神が多い、というわけではないですが、大人の場合、失神によって救急外来などの医療機関に搬送される例が少なくありません。

また、特に高齢者では体液減少作用や血管拡張作用を有する薬剤が原因となることが多く、利尿剤や降圧剤を内服している方は起立性低血圧の可能性を強く疑うべきでしょう。

そのほか、大動脈弁狭窄症や閉塞性肥大型心筋症などの心疾患によって起立性低血圧を起こす場合、胸痛など胸部症状を事前に自覚していることが多いため、心当たりのある方は早期に医療機関で精査すべきです。

起立性低血圧と類似の病気

起立性低血圧は、起立時の血圧低下によってめまい・ふらつき・倦怠感・冷や汗・失神などの症状をきたす疾患です。

起立時に起立性低血圧と同じような症状が出現する類似疾患を5つ紹介します。

  • 血管迷走神経性失神
  • 心因性めまい
  • 良性発作性頭位めまい症
  • 鉄欠乏性貧血
  • 不整脈

それぞれ、治療法も異なるため、しっかり鑑別することが重要です。

血管迷走神経性失神

血管迷走神経性失神とは、迷走神経の一時的な活性化に伴い生じる失神のことです。

起立時には500〜800mlの血液が重力に従って下肢方向に流れ、心臓に戻る血液量は約30%減少しますが、通常は圧受容体などが低血圧を察知して交感神経を活性化させ、末梢血管を収縮させたり、心機能を活性化させることで低下した血圧を元に戻します。

しかし、食事や排泄などを行なって迷走神経が一時的に活性化すると、血管は拡張し、心機能も抑制されてしまうため、血圧を維持することができなくなり失神に至ります。

起立性低血圧と血管迷走神経性失神の相違点としては、起立性低血圧では起立直後に症状が出現しますが、血管迷走神経性失神では起立直後には症状は出ず、起立維持中に失神などの症状をきたす点です。

繰り返し失神するような場合はペースメーカーを埋め込む必要がある場合もあるため、注意が必要です。

関連記事:血管迷走神経性失神とは?治し方や原因、症状、セルフチェックについて解説

心因性めまい

心因性めまいとは、うつ病や不安障害、身体表現性障害などの精神疾患によって、常にめまい症状を自覚してしまう病気です。

心の問題からめまい症状が出現している場合や、もともとめまいを伴う耳鼻科疾患を持っている人が精神疾患の併発によってめまいが悪化している場合もあります。

主な症状は3ヶ月以上ほとんど毎日出現するめまい症状であり、立位姿勢や頭の動き,視覚刺激によって増悪するという特徴があります。

起立によって悪化することもあるため、起立性低血圧と症状が似ていますが、あくまでめまい症状のみであり、血圧低下を認めるわけではありません。

治療は抗うつ剤などの薬物療法や行動療法であり、起立性低血圧とは異なるため、正確な診断が必要です。

良性発作性頭位めまい症

良性発作性頭位めまい症とは、頭位の変化によって回転性めまいが生じる耳鼻科疾患です。

通常は内耳の一部分に収まっているはずの耳石と呼ばれる小さな石が、誤って後半器官などの内耳の別部分に落ちてしまうことで発症します。

ベッドでの寝返りや、何かを拾おうとして頭を下げる時など、頭位の変化によって回転性めまいや、それに伴う嘔気嘔吐が出現します。

起立性低血圧によるめまい症状はあくまで脳の一時的な虚血が原因であり、良性発作性頭位めまい症では起立時の血圧低下は伴いません。

良性発作性頭位めまい症を治すためには、耳石の位置を元に戻すために頭を動かす治療が必要となるため、これも起立性低血圧の治療とは大きな違いがあります。

鉄欠乏性貧血

鉄欠乏性貧血とは、何らかの理由で体内での鉄分が不足し、赤血球を作れなくなることで生じる貧血です。

主な原因は下記の通りです。

  • 鉄分の摂取不足
  • 妊娠や出産、授乳期や成長が著しい思春期における、鉄分の必要量増加
  • 胃十二指腸潰瘍や消化管腫瘍による持続的な出血

主な症状は体動時の動悸・息切れ・倦怠感・易疲労感などが挙げられ、起立性低血圧の症状と非常に酷似しています。

しかし、起立性低血圧はあくまで脳血流の低下が本態であり、鉄欠乏性貧血のように赤血球が減少している状態ではありません。

目の下の眼瞼結膜をチェックして、赤みを帯びていれば鉄欠乏性貧血はある程度否定できるため、一度鏡でチェックすると良いでしょう。

不整脈

心臓の拍動リズムが乱れてしまう不整脈も、動悸やめまい、失神、易疲労感などの原因となります。

心臓内の電気経路に障害が生じ、本来よりも心拍数が異常に低下してしまったり、逆に過剰に細かく動くようになると、うまく心臓の血液を脳に供給することができなくなり、失神してしまいます。

具体的に失神をきたす不整脈疾患は、洞性徐脈、房室ブロック、心室頻拍、心室細動などです。

失神を来すような不整脈の場合、突然死してしまう可能性もあり、ペースメーカーや除細動器の植え込みが必要となることもあるため、必ず医療機関で精査するようにしましょう。

起立性低血圧の改善には自律神経を整えることが重要

起立性低血圧の改善には自律神経を整えることが重要です。起立性低血圧の原因は、薬剤や脱水に伴う脳血流の低下を除けば、自律神経の乱れによるものがほとんどだからです。

自律神経の乱れを引き起こす原因としては、下記のような病態・疾患が挙げられます。

  • 多系統萎縮症やパーキンソン病などの中枢神経疾患
  • 多発性硬化症やギラン・バレー症候群などの末梢神経障害
  • 加齢
  • アルコール中毒
  • ビタミン不足
  • 糖尿病

上記のうち、中枢神経疾患や末梢神経疾患にはそれぞれの専門的な治療が必要ですが、そのほかの原因は日々の生活習慣に気をつけることで十分改善が期待できます。

自律神経を整えるためには、規則正しくバランスの良い食事・十分な睡眠時間の確保・定期的な運動習慣・自分にあったストレス発散などを心がけましょう。

自律神経を整えるには乳酸菌を効率良く摂取しましょう

自律神経を整えるためには、乳酸菌を効率良く摂取することもおすすめです。

腸管と脳には相関関係が認められており、ストレスなどによって自律神経が乱れれば腹痛や嘔気の原因に、胃腸の調子が悪化すればストレスや不安感が増大することが報告されています。(これを腸脳相関という。)

そのため、乳酸菌摂取によって腸内環境が弱酸性に保たれると、腸内で悪玉菌が増殖しにくくなり腸内環境が整うため、自律神経が整う効果も期待できます。

乳酸菌はヨーグルトやチーズなどの乳製品や、キムチ・糠・味噌などの発酵食品にも豊富に含まれているため、積極的かつ効率的な摂取がおすすめです。

下記の記事では、より効率的な乳酸菌の摂取方法が詳しく解説されているため、ぜひ参考にしてください。

https://odod.or.jp/products/lactic/

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【参考文献】
MSDマニュアル
J Stage
日本うつ病センター

起立性調節障害(OD)改善ガイドブック

トトノエライトプレーン

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