一日中眠いということはありませんか。夜勤続きや徹夜での勉強が続いている場合、一日中眠くてやる気が起きないことはありますよね。
はっきりと原因がわかっている場合は、勤務体制を整えたり、勉強の時間を調整することで改善すると思いますが、特に誘因なく一日中眠いという場合は、何が原因なのか気になりますよね。
こちらの記事では、一日中眠い場合に考えられる病気—うつ病、過眠症や対処法について解説していきます。
うつ病の特徴
はっきりとした原因はわかっていませんが、精神的・身体的ストレスなどを背景に、脳の働きに何らかの不調が起きることで発症するとされています。
症状としては、気分の落ち込み、何事にも興味が持てない、不安、食欲低下、疲れやすい、頭が重い・頭痛、首や肩のこりなど精神的な不調と身体的な不調の両方がみられます。
特徴的な症状としては以下のものがあります。
- 気分の低下、抑うつ感、喜びの喪失
- 思考や集中力の低下
- 疲れやすい
- 寝つきが悪い、または、寝すぎてしまう
- 自分に対する評価が低下しやすい、自分自身に価値が見出せない
- 消えてしまいたい、死について考えることが増える
過眠症の特徴
過眠症とは、しっかり睡眠を取っているいるにも関わらず、日中など本来起きている時間帯に異常な眠気に襲われ、時には起きていられない程となり居眠りをしてしまうため、日常生活に支障を来してしまう状態です。
過眠症は、脳の障害が原因で生じる中枢性過眠症とその他睡眠障害が見られる疾患が原因で生じる二次性過眠症があり、原因はそれぞれ異なります。一般的には、遺伝的要因、睡眠障害、メンタルヘルスや生活習慣などが関与しているとされています。また、原因がはっきりわかっていないものもあります。
特徴的な症状としては以下のものがあります。
- 十分な夜間睡眠を取っているにもかかわらず、日中に強い眠気を感じる。
- 仕事中や学校、運転中など、集中を要する場面でも居眠りしてしまうことが多い。
- 一日の睡眠時間が通常より長くなり、10時間以上寝ても眠気が残る。
- 朝起きるのが非常に難しく、アラームを何度も無視してしまうことがある。
- 目覚めた後もしばらくぼんやりして、頭がはっきりしないことが多い。
- 注意散漫になりやすく、仕事や勉強のパフォーマンスが低下する。
- 学業や仕事、人間関係など、日常生活に大きな支障をきたす。
一日中眠い場合のセルフチェック
一日中眠い場合、うつ病や過眠症の可能性があるとご紹介してきました。それぞれの病気の可能性について、一度セルフチェックをして確認してみましょう。
うつ病の場合
うつ病の特徴としては、食事や睡眠・休息を中心に日常生活に支障を来すことが多いです。以下の症状が比較的長く継続している場合は注意が必要です。
- 寝つきが悪い
- 寝ている間に何度も目が覚める
- 寝ても寝ても寝足りない(過眠傾向である)
- 食欲がない
- 食欲が異常に旺盛である
- 体重が低下した
- 体重が増えた
- 集中力・決断力が低下した
- 自分はあまり価値がないなど自分に対してネガティブな考えが多い
- 物事に興味がなくなってきている
- 疲れやすい
- 落ち着きがない、そわそわする
過眠症の場合
過眠症の大きな特徴としては、会議や授業中など重要な場面で寝ずにはいられない程の眠気に襲われることです。以下の項目を基にセルフチェックを行ってみてください。
- 十分な夜間睡眠を取っていても、日中に強い眠気を感じる。
- 集中が必要な場面で眠り込んでしまうことがある。
- 夜間の睡眠時間が非常に長く、それでも疲れが取れない。
- 朝の目覚めに苦労し、二度寝や寝過ごすことが多い。
- 昼寝後も眠気が残り、気分がすっきりしない。
- 充分な睡眠を取っても、疲労感が続いている。
- 休日は普段より長く寝がちで、寝過ぎてしまうことがある。
- 頭がぼんやりしていて、注意力や集中力が続かない。
- 過剰な眠気が原因で、生活や人間関係に支障が出ている。
- 眠気が原因で、ストレスや不安感が増している。
一日中眠い場合の対処法
一日中眠いと感じる場合、うつ病や過眠症以外にも原因として考えられる要素はいくつかあります。睡眠時間の不足、睡眠の質の低下、身体的な問題やストレスなどが関わっているかもしれません。
眠気の原因に対し、それぞれ対処方法を確認しましょう。
睡眠時間の見直し・睡眠の質を向上させる
根本的に睡眠時間が不足している場合、一日中眠いということになってしまいます。その他、睡眠時間に不足が無くても、寝室の環境など睡眠の質が低下する場合も注意が必要です。
規則正しい生活リズム
毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きる習慣をつけることが大切です。
寝る前のリラックス時間
就寝前のスマートフォン操作やパソコンの使用を控え、リラックスできる時間を設けることで、眠りの質が向上します。
また、電子機器から放たれるブルーライトは睡眠を誘導するメラトニンの分泌量を低下させてしまうため、この観点からも夜間の電子機器操作は控える方が良いでしょう。
寝具の見直し
快適な寝具や寝室の環境を整えることで、深い眠りが得られやすくなります。
適度な運動
日中に軽い運動を取り入れることで、体内時計が整い、夜に自然と眠くなることがあります。
特に、散歩やヨガなどの軽い運動を継続的に行うことが効果的です。
日光を浴びる
朝起きたら日光を浴びることがとても重要です。朝日を浴びることで体内時計がリセットされ、日中の眠気が軽減されることがあります。
また、日光を浴びることはメラトニン(睡眠ホルモン)の分泌を調整するため、夜間の良眠を導いてくれます。
食事に注意
食事については下記に注意しましょう。
カフェインの摂取を調整
カフェインは眠気を抑える効果がありますが、過剰な摂取や夕方以降の摂取は逆効果になることがあります。
バランスの良い食事
栄養バランスのとれた食事は、エネルギーを持続させる効果があります。
特に、血糖値の急上昇を引き起こさない食べ物(全粒穀物、タンパク質、野菜など)を摂取することで、日中の眠気が抑えられることがあります。
昼寝を活用
短時間(15〜30分程度)の昼寝を取り入れることで、午後の眠気を軽減することができます。
ただし、長時間の昼寝や夕方の昼寝は、夜の睡眠に悪影響を与える可能性があるため注意が必要です。
ストレス管理
長期的なストレスは、自律神経の働きを乱し、睡眠の質や日中の眠気に影響を与えることがあります。
瞑想や深呼吸、趣味を楽しむ時間を作るなどして、ストレスを管理することが重要です。
もしかしたら起立性調節障害かも
残業をしたなど、明確な理由が乏しいにも関わらず、一日中眠い場合、起立性調節障害という病気の可能性も考えられます。
起立性調節障害は自律神経のバランスに異常を来したために生じる病気ですが、朝起床時、午前中に特に症状が見られやすいというのが特徴です。
時間帯や状況により自律神経のどちらが優位に働くかが決まっています。交感神経が優位に活動することで朝すっきりと目覚めることができるのですが、起立性調節障害の方の場合、起床時間になっても交感神経の活性が緩やかであるため、起きることができない、眠気、倦怠感、めまいなど様々な症状に悩まされます。
午前中をかけて徐々に交感神経が活性化するため、次第に症状は緩和されてはいき、午後には症状が改善していることが多いことも特徴です。
この様に、一日中眠く、特に午前中の眠気に悩まれている場合は、起立性調節障害の可能性もありますので、一度セルフチェックをされることをおすすめします。
下記の記事では、起立性調節障害のセルフチェックについて解説しておりますので、是非ご一読ください。