起立性調節障害とは

これは病気?電車で立っていると気持ち悪い 冷や汗がでる原因や対策・治療法

2023年1月20日

この記事の監修者

医師 伊藤 信久

医師 伊藤 信久

グレースメディカルクリニック院長
内科・循環器内科・糖尿病脂質代謝内科・外科
保有資格:日本外科学会認定登録医・日本循環器学会循環器専門医

一般社団法人 起立性調節障害改善協会

 

「電車で立っていると気持ち悪くなり、冷や汗まで出てきた」という状況になった場合、慎重に症状や状態を把握する必要があります。

なぜなら、立位を維持できずに冷や汗まで出るという状況は明らかに普通ではなく、場合によっては命に関わるような重篤な疾患の可能性も考えなくてはならないからです。

その他にも電車内という閉塞空間が精神的ストレスになってしまい嘔気や冷や汗をきたすような精神疾患や、持続的な立位で脳血流が低下してしまい症状が出る起立性調節障害(OD)などの疾患も考えられます。

電車で立っていることもできないほどの症状であれば、仕事や部活動、運動はもちろんのこと、場合によっては通勤・通学すらできなくなってしまうため、早期から適切な対応を取る必要があります。

そこで本記事では、立っていられない症状について分かりやすく解説します。


「電車で立っていると気持ち悪い 冷や汗がでる」

その症状、もしかしたら起立性調節障害かも?

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「電車で立っていると気持ち悪い 冷や汗がでる」の原因

電車で立っていると気持ち悪くなったり、場合によっては冷や汗が出てしまうような症状の原因としては、脳の酸素不足や精神的ストレスなどが考えられます。

脳にとっての最大のエネルギー源は酸素と糖分です。酸素や糖分が不足すると脳は正常に機能することができなくなってしまいます。

では、普段脳にはどのようにして酸素や糖分が安定して供給されているのでしょうか?

空気中の酸素は肺から、食事から得た糖分は腸管から吸収されて、それぞれ血液中を流れることになります。この時、糖分はグルコースとして血液中に溶解していますが、酸素は赤血球内のヘモグロビンと呼ばれる成分によって運搬されます。

心臓はポンプのように機能して全身に血液を送っているため、当然脳にも心臓から血液が送られていきます。しかし、心臓からの血液量が低下したり、血液量は正常であっても血液内に含まれている酸素の量が少なければ脳は酸素不足に陥ってしまいます。

これは血糖にも同様のことが言えます。また、他にも電車内という閉塞空間はパニック障害のような精神障害をきたしやすく、この場合も立っていられなくなるような症状が出現する可能性があります。

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「電車で立っていると気持ち悪い 冷や汗がでる」時に考えられる病気とは

「電車で立っていると気持ち悪い 冷や汗がでる」時に考えられる病気とは

まず第一に貧血が考えられます。一般的に貧血は血液量が少ない状態だと思われがちですが、それは出血であって貧血ではありません。貧血とは血液中のヘモグロビンの濃度が減少した状態のことを指します。

前述したように、血液中の酸素はヘモグロビンによって運搬されるわけですから、当然ヘモグロビンの濃度が減少すれば十分量の酸素を脳に供給できなくなってしまいます。

そんな状態で長時間立っていると、血液は重力に伴って足の方向に多く流れて行くため脳への血液量も低下してしまいます。つまりこの場合、血液量も、血液の質も下がってしまい脳が酸欠になってしまうのです。

では、なぜ子供が貧血になるのでしょうか?

小児の貧血で最も多いパターンは鉄欠乏性貧血と呼ばれるものです。ヘモグロビンは鉄分を材料に作られているため、鉄分が欠乏するとヘモグロビンが作れなくなって貧血に陥ります。鉄分が多いと言われているカツオやレバー、卵黄などの食材を摂取しないと、鉄分不足で貧血に陥る可能性があります。

また、女児の場合は月経の開始とともに持続的な出血をしてしまうため、水分補給で血液量は維持できてもヘモグロビンの濃度自体は低下してしまい鉄欠乏性貧血に陥りやすくなってしまいます。貧血かどうかは血液検査ですぐに分かるので、気になる方は医療機関への受診をお勧めします。

次に、パニック障害が挙げられます。パニック障害は精神疾患の1つで、突然理由もなくめまいや冷や汗、動悸、嘔気などの発作、いわゆるパニック発作が出現する疾患です。

パニック発作は死んでしまうのではないかと思うほど強く、自分ではコントロール不可能だと感じてしまうため、再び発作が起きる不安に恐怖し、発作が起きやすい場所を避けるようになります。

特に、電車やバス、エレベーターの中など密室空間では発作が起きても逃げられないため避ける傾向が強くなります。

パニック障害の厄介なところは、検査では異常が発見ができないという点です。立っているのも困難で冷や汗が出るほどの症状であれば普通なんらかの疾患を疑うはずですが、検査しても異常が見当たらないのです。

むしろ、ありとあらゆる検査で異常が無いからこそ最終的に消去法で診断される疾患です。パニック障害は小児でも起こりうる疾患であり、特に男性よりも女性で発症しやすいと言われています。

次に、低血圧が挙げられます。低血圧の方が長時間立っていると、さらに脳血流が低下してしまい脳が酸欠状態になってしまうため、動悸や嘔気、めまいなどの症状が出現する可能性があります。

成人であれば糖尿病や心臓疾患、降圧剤の過量内服などの原因が挙げられますが、小児の場合は脱水や過度なダイエットなどの可能性が高いです。

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もしかしたら起立性調節障害かも

上記の疾患以外にも同様の症状が出現する可能性のある疾患として起立性調節障害が挙げられます。その場合、立位によって脳血流が低下してしまうため嘔気や冷や汗が出現します。

本来、起立時の血圧低下に対して交感神経の働きが強くなり、心臓の拍動を強めたり足の血管を収縮させることで脳血流は維持されます。しかし、起立性調節障害では交感神経の働きが強くならないため、脳血流が低下してしまいます。

以上のことからも、電車で立っていられない場合は起立性調節障害も疑う必要があります。

「電車で立っていると気持ち悪い 冷や汗がでる」の治療法

治療法は原因によって様々です。パニック障害のような精神疾患以外は脳の酸素不足が原因で症状が出ている可能性が高いため、その場での可及的な対応としては、しゃがんで気分が戻るのを待つか、可能なら横になることをお勧めします。

横になることで立位よりも脳血流が増加しやすくなるため症状が改善する可能性が高まる上に、転倒してしまった場合の頭部や顔面の損傷の危険性も下がります。

実際の治療法は、医療機関に受診して診断次第によって変わります。まずは早期の医療機関受診をお勧めします。

また、お近くに医療機関がない場合、起床時は明るく、就寝時は暗くする光環境と
乳酸菌で腸内環境を整えていく方法があります。
これらには副作用がなく自宅で取り組めます。

起立性調節障害であれば、医療機関を受診する前にご自宅でもセルフチェックを行うことが可能です。
下記記事では、起立性調節障害のセルフチェック法が詳しく解説されています。気になる方はぜひ参考にしてください。

 

下記記事では「起立性調節障害の治療法」をまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

 

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【参考】
日本小児心身医学会 起立性調節障害(OD)

 

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