起立性調節障害とは

【医師解説】起立性調節障害はプロテイン(タンパク質)で症状が改善されるの?

2023年9月22日

この記事の監修者

医師(匿名)

医師歴:10年
勤務病院:某3次救急病院

一般社団法人 起立性調節障害改善協会

タンパク質は、筋肉や臓器、皮膚など、体をつくる材料となる重要な栄養素です。特に成長期の子どもは体が大きく変化するため、毎日の食事から必要な栄養を摂ることが大切です。

一方で、朝食を食べない、食欲がない、好き嫌いが多いといった状態が続くと、タンパク質を含む栄養素を十分に摂れない場合があります。

起立性調節障害の子どもにも、食欲低下や吐き気などによって食事量が減ることがあります。ただし、タンパク質不足が起立性調節障害の直接的な原因になるわけではなく、プロテインを飲めば症状が改善するとも限りません。

本記事では、起立性調節障害とタンパク質の関係や、プロテインを取り入れる前に確認したいポイントについて解説します。

 

起立性調節障害(OD)改善ガイドブック

起立性調節障害とタンパク質不足の関係

タンパク質が不足している場合は、不足分を補うことで、倦怠感や筋力低下などの体調不良が軽減する可能性があります。ただし、タンパク質を摂取するだけで、起立性調節障害そのものが改善するとは限りません。まずは、成長期の子どもに必要なタンパク質量と、不足した場合に起こり得る影響について確認していきましょう。

タンパク質は、筋肉や臓器、皮膚など、体のさまざまな組織をつくる材料となる重要な栄養素です。特に筋肉は、多くのタンパク質からつくられています。

厚生労働省が2020年に発表した『日本人の食事摂取基準 2020年版』によれば、タンパク質の1日必要量は、3~5歳で25g、6~7歳で30g、8~9歳で40g、10~11歳で45g、12~14歳で60g、12~17歳で65gとされています。

起立性調節障害は、小学校高学年から中学生頃に発症しやすいとされています。この時期は、1日に必要なタンパク質量が45gから60gへ増えるため、食事量が少なかったり、偏食が続いたりすると、必要量を十分に摂れない場合があります。

食品に含まれるタンパク質量の目安として、200mlの牛乳には6.6g、肉類100gには14~20g、魚類100gには25g程度が含まれています。

一方、米100gには2.5g、パン100gには9g、緑黄色野菜100gには1~3g程度が含まれています。成長期に必要な量を摂取するためには、肉や魚、卵、乳製品、大豆製品など、タンパク質を多く含む食品を日々の食事に取り入れることが大切です。

では、タンパク質の摂取量が不足すると、体にどのような影響が現れるのでしょうか。

タンパク質は筋肉をはじめ、体の組織を維持するために必要です。摂取不足が続くと、筋力の低下や疲れやすさ、体重減少などにつながることがあります。

こうした症状は、起立性調節障害でみられる倦怠感や体力低下と重なる場合があります。そのため、タンパク質が不足している子どもでは、不足分を補うことで体調が改善する可能性があります。

ただし、症状の原因がタンパク質不足とは限らないため、自己判断で大量に摂取するのではなく、食事内容や体重の変化を確認し、必要に応じて医師や管理栄養士に相談しましょう。

成長期の子どもにめまいや倦怠感、食欲低下などがみられる場合は、起立性調節障害だけでなく、鉄不足や貧血が関係していることもあります。

思春期にみられる貧血の症状や原因については、下記の記事も参考にしてください。

起立性調節障害の子どもがタンパク質を摂る際のポイント

起立性調節障害への対応では、水分や塩分の摂取、生活リズムの調整、体調に合わせた運動などが基本となります。プロテインは、こうした治療の代わりになるものではありません。

ただし、食欲低下や偏食によって十分な食事を摂れていない場合は、タンパク質だけでなく、エネルギーや鉄、ビタミンなども不足している可能性があります。

まずは、肉、魚、卵、大豆製品、乳製品などを食事に取り入れ、1回に多く食べられない場合は、少量ずつ複数回に分ける方法も検討しましょう。

また、長期間動けない状態が続くと、筋力や体力が低下する場合があります。下肢の筋肉は、歩行や運動時に血液を心臓へ戻す働きを助けるため、体調が安定している日は、医師と相談しながら無理のない運動を取り入れることも大切です。

食事だけで必要量を摂ることが難しい場合は、プロテインや栄養補助食品が選択肢になることもあります。ただし、年齢や体格、食事量、持病などによって適切な量は異なるため、使用前に医師や管理栄養士へ相談しましょう。

起立性調節障害がある人の食事で意識したいポイントについては、下記の記事も参考にしてください。

 

起立性調節障害(OD)改善ガイドブック

起立性調節障害におすすめのプロテイン3選

ここでは、起立性調節障害におすすめのプロテインを3つ紹介します。

  • ザバス ホエイプロテイン100
  • バルクス ソイプロテイン
  • LYFT ホエイプロテイン アイソレート トロピカル

ホエイプロテイン100(ザバス)

ホエイプロテイン100(ザバス)

起立性調節障害におすすめのプロテインとして、「ザバス ホエイプロテイン100」が挙げられます。

ザバス ホエイプロテイン100は、吸収性の高いホエイプロテインを100%使用しており、ホエイプロテインの特徴でもあるサラッとした飲み口が高評価です。

期待できる効果

筋力維持に必要なタンパク質は体重1kgあたり1gと言われており、ザバス ホエイプロテイン100では1食分で約20gのタンパク質を摂取できるため、i日2-4杯程度の摂取で十分筋力を維持できます。

また、カラダづくりに欠かせない「ビタミンB群・ビタミンD」や、体調維持に欠かせない「ビタミンC」を配合しているため、複合的に筋肉や神経の機能にアプローチできる点も魅力です。

こんな方におすすめ

ホエイプロテインは飲み口が軽く非常に飲みやすいため、プロテイン独特の飲み込みにくさが苦手な人でも飲みやすいでしょう。

また、ホエイプロテインは運動後に飲むことでより効果が増すため、起立性調節障害でもある程度運動できる方にこそおすすめです。

服用時の注意点

ホエイプロテインは比較的カロリーが高く、活動レベルの低い方が過剰に摂取すると体脂肪の増加に繋がります。

そのため、起立性調節障害でほとんど動けないような方にはおすすめしません。

また、ホエイプロテインは熱に弱く、高温の飲み物で溶いてしまうと固まってしまうため、注意しましょう。

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ソイプロテイン(バルクス)

ソイプロテイン(バルクス)

起立性調節障害におすすめのプロテインとして、「バルクス ソイプロテイン」が挙げられます。

豆乳由来のソイプロテインを使用しており、腹持ちがよく低カロリーな点が魅力です。

期待できる効果

バルクス ソイプロテインには、豆乳由来のイソフラボンが含まれており、女性ホルモン様の働きをするため、美容効果が期待できます。

さらに、アルギニンと呼ばれる身体のコンディション維持に有用なアミノ酸を1食分に1233mgも含んでおり、これは赤身肉88g分に相当します。

ホエイプロテインと比較して消化も緩徐であるため、腹持ちがよく太りにくいプロテインです。

こんな方におすすめ

活動度の高くない起立性調節障害の方でも比較的カロリーを気にせず飲めるため、おすすめです。

また、腹持ちがよく美容効果も得られるため、女性や体型を気にされている方にも良いでしょう。

服用時の注意点

ソイプロテインはホエイプロテインに比べて、粉っぽさやダマになりやすさがあるため、もともとプロテインを飲むのが苦手な方は注意が必要です。多めの水分で溶かすようにしましょう。

また、吸収が遅い分、しっかりと筋肉をつけたい方には不向きのため、特に男性の起立性調節障害の方はホエイプロテインを検討してもいいでしょう。

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ホエイプロテイン アイソレート トロピカル(LYFT)

ホエイプロテイン アイソレート トロピカル(LYFT)

起立性調節障害におすすめのプロテインとして、「LYFT ホエイプロテイン アイソレート トロピカル」が挙げられます。

より高濃度のホエイプロテインを使用しており、不必要なカロリーを摂取することなく効率的にタンパク質を摂取できる点が魅力です。

期待できる効果

プロテインはWPIとWPCに大別されます。

  • WPC(Whey Protein Concentrate):「濃縮乳清タンパク質」のホエイプロテイン。
  • WPI(Whey Protein Isolate):「分離乳清タンパク質」のホエイプロテイン。

LYFT ホエイプロテイン アイソレート トロピカルでは、1000%WPIを使用しています。

WPIは、何度もフィルタリングを行うことで高純度のタンパク質のみ残し、不純物(脂質、炭水化物など)が少ないためカロリーが低い特徴があります。

そのため、ダイエットも兼ねた筋力維持効果が期待できます。

こんな方におすすめ

起立性調節障害でなかなか体が動かせない方には、男女問わずおすすめです。

また、 トロピカルな味わいはプロテインでは珍しく、非常に飲みやすいため、プロテインの味が苦手な人でも一度は試してみるとよいでしょう。

服用時の注意点

LYFT ホエイプロテイン アイソレート トロピカルに限らず、WPIを使用しているプロテインはWPCを使用しているプロテインよりも価格が高額であることが多いです。

製造過程で手が混んでいるため仕方ありませんが、起立性調節障害では長期的に継続する可能性も高いため、購入前から継続可能な価格かどうかチェックしておきましょう。

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起立性調節障害の子どもがプロテインを選ぶ際の注意点

プロテインは食品の一種であり、起立性調節障害の治療薬ではありません。食事から十分なタンパク質を摂れている場合は、必ずしも追加する必要はありません。

子どもに使用する場合は、次の点を確認しましょう。

  • 年齢や体重に対して摂取量が多すぎないか
  • 牛乳や大豆などのアレルギーがないか
  • 糖質や脂質を過剰に摂ることにならないか
  • ビタミンやミネラルがほかのサプリメントと重複していないか
  • カフェインや刺激成分が含まれていないか
  • 腎臓病など、タンパク質量に注意が必要な病気がないか

プロテインは食事の代わりにするのではなく、あくまで不足分を補う目的で使用しましょう。

体重減少や食欲不振が続く場合や、吐き気が強く食べられない場合は、プロテインだけで対応せず医療機関へ相談してください。

起立性調節障害への対応では、特定の栄養素だけに注目するのではなく、水分や食事、生活リズム、運動などを含めて考えることが大切です。起立性調節障害の治し方や、家庭でできるサポートについては、下記の記事も参考にしてください。

 

【参考】
日本小児心身医学会 起立性調節障害(OD)

起立性調節障害(OD)改善ガイドブック

トトノエライトプレーン

【無料】起立性調節障害の相談窓口

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