起立性調節障害で最初に試す薬剤の一つとしてミドドリンがあり、保険適応になっています。
ミドドリンはどのような作用から起立性調節障害に効果的であるのか、ミドドリンを試したが効果がない、または効果が不十分である場合どうしたらよいのか、などについて解説していきます。
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起立性調節障害にミドドリンは効果がある?ない?
ミドドリンは末梢の血管を収縮させることで血圧を上昇させる効果があり、理論的には起立性調節障害の症状緩和に役立つと考えられます。
実際に、起立性調節障害と診断し、非薬物療法を行っても症状が改善しない、悪化する場合は第一選択としてミドドリンを使用することが多いです。
しかし、起立性調節障害の人は、まずは睡眠リズムや生活習慣を整える事が最優先であり
ミドドリンを使った薬物療法だけでは効果に乏しいこと、ミドドリンを使用しても効果があまり見られず副作用の吐き気や頭痛で継続できない場合なども少なくありません。人によって効果も異なります。
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ミドドリンは起立性調節障害のどんな症状に効果がある?
ミドドリンは末梢血管を収縮させることで血圧を上昇させる働きがあり、起立性調節障害で広く使用されています。
起立性調節障害には大きく4つのタイプがありますが、特に起立性低血圧や体位性頻脈症候群などでよく使われます。
起床前に服用することで、早朝起床時の血圧低下を防ぐ働きがあります。吐き気や頭痛などの副作用が見られることもあり、効果は緩やかに発揮されます。
ミドドリンで起立性調節障害が改善しない場合は非薬物療法がおすすめ
起立性調節障害の治療は大きく薬物療法と非薬物療法があり、特に非薬物療法は症状を改善させるためにとても重要であると言われています。
起立性調節障害の人は、睡眠リズムや生活習慣を見直す事が大切です。
ミドドリンのような薬物療法のみではなかなか症状の改善が難しいため、非薬物療法を併用すること、非薬物療法を適切に行うことが症状改善への一番の近道とも言えます。
ここからは、起立性調節障害の非薬物療法について詳しく解説していきます。
光療法
光は実は私たちの健康維持にとても重要な働きをしています。光を浴びることで体内時計がリセットされ、睡眠、覚醒の適切なリズムを作り出すことに有効です。
起床時に部屋に差し込む朝日位の明るさである2,500ルクス以上の明るい光を目に当たるように5分-2時間程度浴びます。
光によって、目覚めを促す脳内物質のセロトニンが分泌されます。
また、光を浴びてセロトニンをしっかり出しておくと、夜になると睡眠のホルモンであるメラトニンに変化します。
日中は日光をたくさん浴びることでメラトニン分泌が抑えられ、日が沈んだのち、夜間はメラトニン分泌が増え自然と眠気が起こります。
光療法は、光を目の奥に届け脳へ刺激を与えることでメラトニンの分泌を調整することができるとされています。専用の装置を使用し、定期的に光刺激を与えることで体内時計のズレを修正する効果が期待できます。
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食事療法
非薬物療法の中でも食事療法は起立性調節障害の症状改善に非常に重要です。特に、体位変換時に脳への血流低下が起こるため、水分はこまめに摂取し、塩分も一般的な摂取量よりも少し多めに摂取することが推奨されています。
この他、疲労回復などに効果的な蛋白質、脳の主なエネルギー源となる炭水化物、そして脂質をバランスよく摂取することが必要です。
自律神経のバランスをと問える効果がある栄養素として、カルシウムやGABA(γ-アミノ酪酸)、思春期のお子さんに不足しがちな鉄分などもしっかり摂取できる食事メニューが望ましいです。
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運動療法
食事療法とともに重要な非薬物療法が運動療法です。起立性調節障害の病態を考えると、特に下肢の筋力を鍛えることが症状改善に効果的です。
その他、水泳やウォーキングなど全身を使う有酸素運動を行うと良いでしょう。ヨガやピラティスなどは呼吸法を整えることで自律神経のバランスを調整する効果もあります。
激しい運動や厳しい筋トレなどは必要ありませんので、自分に合った運動を継続することが重要です。
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起立性調節障害の治療は我慢強く続けることが重要
薬物療法が有効である場合もありますが、なかなか効果が見られにくいケースも少なくありません。上記でもご説明しましたが、起立性調節障害の治療は大きく薬物療法と非薬物療法がありますが、特に非薬物療法が重要です。
適度な運動、食生活の改善、ストレスの発散など生活習慣上の工夫がとても重要です。どれも小さなことで、すぐに目に見えて効果が出るわけではありませんが、日々のコツコツとした積み重ねが症状改善への一番の近道なのかもしれません。
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【参考文献】
日本小児心身医学会 起立性調節障害(OD)