起立性調節障害の薬物療法で使用される薬の1つに、ミドドリン塩酸塩があります。添付文書上は本態性低血圧や起立性低血圧に適応があり、起立性調節障害に対する処方も保険審査上認められています。
ミドドリンはどのような作用によって起立性調節障害の症状を軽減するのでしょうか。また、服用しても効果を感じられない場合は、どのように対処すればよいのでしょうか。
本記事では、起立性調節障害に対するミドドリンの作用や期待できる効果、効果が不十分な場合の対処法について解説します。

起立性調節障害にミドドリンは効果がある?ない?
ミドドリンは、末梢の血管にあるα1受容体を刺激して血管を収縮させ、血圧を上昇させる薬です。起立時の血圧低下を抑えることで、起立性調節障害に伴う立ちくらみやめまいなどを軽減する効果が期待できます。
起立性調節障害では、まず水分・塩分摂取や起き上がり方の工夫、生活リズムの見直しなどの非薬物療法を行います。それでも症状が改善しない中等症以上のケースでは、病型や症状に応じてミドドリンなどの薬物療法を検討します。
ただし、ミドドリンの効果には個人差があり、服用しても十分な改善がみられない場合があります。また、薬物療法だけでなく、非薬物療法を併用することが大切です。
副作用として、吐き気、頭痛、動悸、高血圧、排尿困難などが現れることがあります。特に、横になっているときの血圧が過度に上昇すると、頭痛や動悸が現れる可能性があります。
効果を感じられない場合や副作用が疑われる場合は、自己判断で服用量や服用回数を変更せず、処方した医師へ相談しましょう。
ミドドリンに限らず、起立性調節障害の薬を服用しても症状が改善しない場合があります。薬が効かないと感じる原因や対処法については、下記の記事も参考にしてください。
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ミドドリンは起立性調節障害のどんな症状に効果がある?
ミドドリンは末梢血管を収縮させ、起立時の血圧低下を抑える働きがあります。そのため、起立性調節障害に伴う立ちくらみ、めまい、ふらつきなどの症状を軽減する目的で使用されます。
起立性調節障害には、起立性低血圧、体位性頻脈症候群、神経調節性失神、遷延性起立性低血圧の4つのタイプがあります。ミドドリンは、血圧低下が関係するタイプを中心に使用され、体位性頻脈症候群で検討される場合もあります。
服用する時間帯は、症状の現れ方や医師の治療方針によって異なります。早朝の症状に対応するため、起床前や起床時に服用するよう指示される場合もありますが、必ず処方時の指示に従いましょう。
ミドドリンの活性本体は、服用後1時間30分程度で血中濃度が最も高くなるとされています。ただし、効果の現れ方や持続時間には個人差があります。
吐き気、頭痛、動悸などが現れた場合や、服用しても症状が改善しない場合は、医師へ相談してください。
起立性調節障害の種類については、下記の記事も参考にしてください。

ミドドリンとあわせて取り組みたい非薬物療法
起立性調節障害の治療は、大きく薬物療法と非薬物療法に分けられます。非薬物療法は、ミドドリンで十分な効果が得られない場合だけでなく、薬物療法を行う場合にも併せて取り組むことが大切です。
ミドドリンを服用しても症状が改善しない場合は、病型や服用方法が合っているかを医師に確認するとともに、日常生活で行っている対策も見直しましょう。
ここからは、起立性調節障害で取り入れられる主な非薬物療法について解説します。
光療法
光は実は私たちの健康維持にとても重要な働きをしています。光を浴びることで体内時計がリセットされ、睡眠、覚醒の適切なリズムを作り出すことに有効です。
起床時に部屋に差し込む朝日位の明るさである2,500ルクス以上の明るい光を目に当たるように5分-2時間程度浴びます。
光によって、目覚めを促す脳内物質のセロトニンが分泌されます。
また、光を浴びてセロトニンをしっかり出しておくと、夜になると睡眠のホルモンであるメラトニンに変化します。
日中は日光をたくさん浴びることでメラトニン分泌が抑えられ、日が沈んだのち、夜間はメラトニン分泌が増え自然と眠気が起こります。
光療法は、光を目の奥に届け脳へ刺激を与えることでメラトニンの分泌を調整することができるとされています。専用の装置を使用し、定期的に光刺激を与えることで体内時計のズレを修正する効果が期待できます。
起立性調節障害に対する光療法の効果や仕組みについては、下記の記事も参考にしてください。
食事療法
非薬物療法の中でも食事療法は起立性調節障害の症状改善に非常に重要です。特に、体位変換時に脳への血流低下が起こるため、水分はこまめに摂取し、塩分も一般的な摂取量よりも少し多めに摂取することが推奨されています。
この他、疲労回復などに効果的な蛋白質、脳の主なエネルギー源となる炭水化物、そして脂質をバランスよく摂取することが必要です。
自律神経のバランスを整える効果がある栄養素として、カルシウムやGABA(γ-アミノ酪酸)、思春期のお子さんに不足しがちな鉄分などもしっかり摂取できる食事メニューが望ましいです。
起立性調節障害の方が食事で意識したい栄養素や食品については、下記の記事も参考にしてください。
運動療法
食事療法とともに重要な非薬物療法が運動療法です。起立性調節障害の病態を考えると、特に下肢の筋力を鍛えることが症状改善に効果的です。
その他、水泳やウォーキングなど全身を使う有酸素運動を行うと良いでしょう。ヨガやピラティスなどは呼吸法を整えることで自律神経のバランスを調整する効果もあります。
激しい運動や厳しい筋トレなどは必要ありませんので、自分に合った運動を継続することが重要です。
起立性調節障害の運動療法について詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。
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起立性調節障害の治療は焦らず続けることが大切
起立性調節障害では、ミドドリンなどの薬物療法によって症状が軽減する場合がある一方、十分な効果を感じられないケースもあります。
治療では薬物療法だけに頼らず、水分・塩分摂取、起き上がり方の工夫、無理のない運動、生活リズムの見直しなどを組み合わせることが大切です。
ただし、すぐに目に見える変化が現れるとは限りません。症状に合わせて無理なく継続し、効果が不十分な場合や副作用が疑われる場合は、医師と相談しながら治療内容を見直しましょう。
起立性調節障害の治療方法や親御さんができるサポートについては、下記の記事も参考にしてください。
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