特に朝の時間帯の体調不良が目立つ起立性調節障害ですが、主な原因は自律神経の調整の異常です。
自律神経の調整がうまくいかないために脳への血流が保てず、めまいや立ちくらみ、ひどい場合には失神にまで至ってしまいます。
血流を維持するために薬物治療が行われることがありますが、その他、別の治療方法として点滴治療についてこの記事では解説していきたいと思います。
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起立性調節障害の治療で点滴をすることはある?
答えからお話すると、起立性調節障害の治療で点滴をすることは「あり」ます。
起立性調節障害は交感神経と副交感神経からなる自律神経の調整のバランスが乱れることで身体に様々な不調を来す病気です。
特に体勢が変化する際、起床時、起立時や長時間の立位時などでは体内の血流維持システムの調整が必要になるため症状が出現しやすくなります。起床時や起立時の体内の血流維持システムの調整についてお話します。
一般的に座っている時、血液は重力に従い下肢に溜りやすくなっています。この状態から何の調整もなく立ち上がると、心臓、脳への血流が不足し失神してしまいます。
しかし、実際には、急に立ち上がってもめまいが見られたり、失神することはありません。私たちの身体は自動的に心臓へ血液を戻し、脳への血流を維持するための調節システムが働いているのです。
立ち上がる時、下肢に溜った血液を心臓へ戻すために、交感神経が働き下肢血管の収縮や下肢の筋肉によるポンプ作用により、重力に逆らって血液を心臓へ戻し、脳への血流が低下しないようにしています。
何らかの原因で交感神経の作用が不足すると、立ち上がる際や立っている間に脳への血流が低下し、めまい、立ちくらみなどの症状が出現し、重症になると失神してしまいます。
交感神経が適切に働いていても血液量自体が不足している場合もやはり心臓や脳への血流を維持することができないため、点滴で補充することがあります。この際、一般的には、生理食塩水を使用することが多いです。
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起立性調節障害で点滴が必要な状態
起床時や起立時に交感神経の作用が不足し、下肢の血管を収縮させることができず、下肢に溜った血液を心臓へ戻すことができないため、めまいや立ちくらみ、失神を来してしまう場合、点滴により相対的に血流量を補うことで症状の改善を期待します。
起立性調節障害には起立直後性低血圧、体位性頻脈症候群、神経調節性失神、遷延性起立性低血圧の4つのサブタイプがありますが、特に起立直後性低血圧に有効との報告があります。
症状増悪時に生理食塩水500㎖~1.5Lを30分~2時間以上かけ静脈内注射することにより、効果が即座に発現し、さらに数日間持続すると報告されています。
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生理食塩水の点滴による効果
点滴にも多くの種類があります。Na(ナトリウム)やK(カリウム)、Cl(クロール)などの電解質や糖分など組成により使用する目的が異なります。
水分や栄養の補給を行う点滴治療ですが、大きな違いの一つとしては、点滴液をどの程度血管内に保持できるかというところです。その観点からみると、最も血管内の容量を増やすことができるのが生理食塩水です。
起立性調節障害で点滴治療を行う目的は相対的な血流量を増やすことにあるので、生理食塩水を使用することが一般的です。劇的な効果が見られることもあります。
起立性調節障害の治し方の詳細は下記の記事でご紹介していますので、是非一度お読みになってください。
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