お子さんが起立性調節障害(OD)と診断された場合、症状に悩むのは子供本人だけではありません。生活を支える親御さんも、接し方や学校との連携など、さまざまな悩みを抱えることがあります。
ODの症状は、起床後や午前中に強く、夕方や夜になると軽くなる傾向があります。そのため、朝は起きられないのに夜は元気に見えることから、生活態度の問題だと誤解し、つい注意したり叱ったりしてしまうこともあるでしょう。
また、ODの子供には、不安や抑うつなどの精神症状がみられることがあり、不安症(不安障害)を併存するケースも報告されています。子供の状態を理解して適切な支援につなげるためにも、ODと不安障害の関係について知っておくことが大切です。
そこで本記事では、ODと不安障害の関係について分かりやすく解説します。両者の関係や違いを理解し、子供の状態に合った対処につなげるための参考にしてください。

起立性調節障害は不安障害が原因?
「子供が以前から不安を感じやすかったため、それが原因でODを発症したのでは?」と考える親御さんもいるでしょう。
結論からいえば、不安障害がODの直接的な原因になるとは限りません。ただし、不安やストレス、睡眠の問題などがODの症状に影響したり、ODによる生活上の困難から不安が強くなったりする場合があります。
不安症(不安障害)とは、恐怖や不安が過剰になり、学校生活や人間関係などに支障が生じる精神疾患です。発症には遺伝的要因や本人の気質、生活環境などが関係すると考えられていますが、詳しい原因は完全には解明されていません。
主な症状は強い不安や恐怖であり、動悸、息苦しさ、発汗、ふるえ、めまいなどの身体症状を伴うこともあります。症状の現れ方には個人差があり、社交不安症やパニック症、限局性恐怖症などに分類されます。
強い不安が続くと、睡眠や集中力などにも影響し、心身の負担がODの症状に影響する可能性があります。ただし、不安やストレスだけでODを発症すると断定することはできません。
ストレスと起立性調節障害の関係について詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。
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起立性調節障害の原因
ここまで読むと、「ODはストレスによって生じる精神疾患なのでは?」と疑問に思う方もいるでしょう。
しかし、ODは精神疾患ではなく、起立した際の血圧や心拍数などを調節する自律神経の働きがうまく機能しないことで、さまざまな症状が現れる身体疾患です。
自律神経は、交感神経と副交感神経から構成され、血圧、脈拍、体温、内臓の働きなど、意識して動かすことのできない身体機能を調節しています。
健康な状態では、立ち上がったときに重力によって血液が下半身へ移動すると、自律神経が血管を収縮させ、心拍数などを調節して脳への血流を保ちます。一方、ODではこうした循環調節がうまく働かず、立ちくらみ、めまい、頭痛、倦怠感などの症状が現れます。
また、自律神経や消化管の働きへの影響によって、吐き気、腹痛、食欲不振などがみられることもあります。ストレスや不安はODの直接的な原因とは限りませんが、症状に影響する要因の一つになる可能性があります。
また、起立性調節障害の原因については下記記事で詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてください。
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起立性調節障害と不安障害が併発する可能性
ODと不安障害が併存する場合があります。また、ODの症状と不安障害による身体症状には、動悸、息苦しさ、めまい、疲労感など、共通するものがあります。
不安障害のある子供は、「人前で失敗するかもしれない」「またパニック発作が起きるかもしれない」などの不安によって、学校生活や外出が難しくなる場合があります。
また、強い不安が続くと、次のような心身の不調が現れることがあります。
- 寝つきが悪い、熟睡した感じがしない
- 疲れやすい、集中しにくい
- 動悸や息苦しさを感じる
- 身体に力が入り、緊張が続く
思春期は、友人関係や親子関係、受験や進学、入学や卒業など、環境が大きく変化しやすい時期です。不安障害のある子供にとっては、こうした変化が大きな負担になることがあります。
睡眠不足や活動量の低下、精神的なストレスなどが重なると、ODの症状に影響する可能性があります。ただし、不安障害があることでODを発症しやすくなると一律に断定することはできず、両者が併存する仕組みには明らかになっていない部分もあります。
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起立性調節障害と不安障害の関係
不安障害のある子供にODが併存することがある一方で、ODを発症した後に不安が強くなる場合もあります。
ODの症状が続く期間や改善までの経過には個人差があります。身体の成長などに伴い、数カ月から数年かけて症状が軽くなるケースがある一方で、症状が長引く場合もあります。また、発症した子供の約5〜10%が重症化するとした報告もあります。
症状が強くなると、朝に身体を動かすことが難しくなり、遅刻や欠席が増えることがあります。欠席が続いた場合は、学習や進級、友人関係などに影響する可能性もあります。
こうした状態が続くと、本人が焦りや劣等感、将来への不安を抱えることがあります。その結果、不安や抑うつが強くなるなど、精神面にも影響が現れる場合があります。
子供を励ますつもりで注意した言葉が、本人には「理解してもらえない」と感じられ、負担になることもあります。ただし、親御さんの接し方だけが、不安障害やうつ病などの原因になるわけではありません。
子供のつらさに耳を傾け、朝起きられないことや学校へ行けないことを、怠けや努力不足と決めつけないことが大切です。家庭だけで抱え込まず、学校や医療機関と連携しながら、本人に合った対応を検討しましょう。
ODの治療では、生活習慣の見直し、水分・塩分の摂取、運動などの非薬物療法を基本とし、症状に応じて薬物療法を組み合わせる場合があります。不安が強く、学校生活や日常生活に支障が出ている場合は、小児科や児童精神科などへの相談も検討しましょう。
下記記事では、起立性調節障害の治し方についてさらに詳しく解説されているため、ぜひ参考にしてください。
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