起立性調節障害とは

起立性調節障害による「倦怠感」|原因や対策(治療法)を解説

この記事の監修者

医師 錦惠那

医師 錦 惠那

内科一般・腎臓内科・透析科・産業医
保有資格:日本内科学会内科専門医・日本医師会認定産業医

 

起立性調節障害による「倦怠感」|原因や対策(治療法)を解説

起立性調節障害の子どもによく見られる症状の一つが倦怠感ですが、倦怠感により午前中は活動が制限され、登校や授業にも集中できないことがあります。

親御さんも子ども自身も、少しでも症状が和らぎ日常生活への制限を抑えたいと思います。

本記事では、起立性調節障害により引き起こされる倦怠感について、原因や特徴、対応方法などを解説していきます。

起立性調節障害による「倦怠感」の原因

起立性調節障害は自律神経系である交感神経と副交感神経のバランスが崩れることで様々な症状を引き起こす病気です。小児心身医学会ガイドランでは、起立性調節障害を診断する上で以下の症状が紹介されています。

・立ちくらみ、めまい

・起立時の気分不良や失神

・入浴時やストレスがかかるなど嫌なことで気分不良

・動悸、息切れ

・朝起きることが困難で、午前中が特に調子が悪い

・顔色が悪い、青白い

・食欲不振

・頭痛

・腹痛(前兆なくへその周りが痛い)

・倦怠感(体のだるさ)あるいは疲れやすい

・乗り物で酔いやすい

この中でも、倦怠感は起立性調節障害の子どもによくみられており、症状に悩まされている方が多い症状の一つです。

自律神経は交感神経と副交感神経があり、臓器や体の機能調整に対し、互いに反対の作用を持っています。交感神経と副交感神経がうまくバランスをとりあり、私たちは生命維持のための色んな機能調整が可能になっています。

起立性調節障害の子どもは色々な原因で自律神経のバランスが崩れます。これにより、倦怠感も出現します。特に、交感神経が過剰に活性化(緊張)することで体のだるさがみられ、交感神経の緊張が長期にわたり継続すると、倦怠感が蓄積されなかなか体の疲れがとれない状態になってしまいます。

起立性調節障害からくる倦怠感は、個人差があり、感じ方や出現するタイミングも人それぞれです。多くは、ストレスが原因で自律神経のバランスが乱れ倦怠感を感じます。

起立性調節障害の子どもにみられる倦怠感についてご紹介します。

◆とにかく全身がだるい
全身がだるくて、場合によっては立っていることや座っていることすらしんどくて、ベッドやソファーに横になり、起き上がれないこともあります。

◆少し動いただけなのに体がだるい
少し歩いたり、階段をのぼっただけなのに、激しい運動をした後のような体のだるさがみられます。

◆しっかり眠れていないようなだるさ
しっかり睡眠をとったにも関わらず、寝不足や徹夜後のようなしんどさを感じることがあります。

起立性調節障害による「倦怠感」の特徴

起立性調節障害の原因は自律神経の乱れにあります。

自律神経のバランスには日内変動のパターンがあり、交感神経が優位に働くことで日中は活動するためのスイッチが押され、夕方にかけて副交感神経にスイッチしていき、睡眠中は副交感神経が優位に働くことで体を休息させます。

起立性調節障害の方は朝方起床時に副交感神経から交感神経へのスイッチがうまくいかず、活動するためのスイッチがなかなか押されない状態になってしまいます。そのため、朝なかなか起き上がれず、特に午前中は体のだるさが強く、体調が悪いことが多いです。

特にストレス、緊張、不安などは自律神経のバランスを崩すため、起立性調節障害の症状が悪化しやすいです。また、気圧が低い時や暑い時期は起立性調節障害の症状が現れやすく、悪化しやすいと言われているため、曇りや雨の日、夏場は特に注意が必要です。

起立性調節障害による「倦怠感」を治す方法

◆栄養バランスがとれた食事をしっかり摂取する

栄養状態が悪いと、低栄養によるだるさが出てくるので、偏りのないバランスのとれた食事を摂取しましょう。起立性調節障害が見られやすい思春期では、体の鉄の需要が高いため、鉄分不足、貧血予防のためにも鉄分を多く含む食材も取り入れるようにしましょう。

起立性調節障害では体をめぐる血液量が減ると症状が見られやすくなります。ですので、水分をこまめに摂取し、塩分も通常より少し多めにとり、脱水には気をつけてください。(起立性調節障害での推奨:水分1.5~2L、塩分10~12g)

◆適度な運動を行う

筋力が低下していると、体の予備能が低下し、だるさにつながります。起立時には、下肢の筋肉が収縮することで下半身に溜った血液を心臓に戻すため、足の筋力低下時は起立後にだるさや立ちくらみなどの症状がみられます。

特に足の筋力アップを目標にし、適度な運動習慣を身につけましょう。無理に激しい運動をする必要はありません。屋内でできるストレッチや軽い筋トレなど、日々の体調と相談しながら自分に合ったものを行ってみてください。

◆なるべく規則正しい生活リズムを身につける

朝方起床時頃には副交感神経から交感神経へスイッチされ、夕方には副交感神経が優位になり、就寝頃には交感神経から副交感神経へスイッチするという本来ならみられる一日のリズムが、起立性調節障害の子どもでは見られないため、朝起き上がれない、夜は眠れずやむを得なく夜更かししてしまいます。

朝は起き上がりにくくても、窓をあけ日光を入れる、何度も優しく声掛けをする、お薬を飲むなどご家族にサポートしてもらい、起き上がるようにしていきましょう。

また、夜は眠たくないとは思いますが、毎日就寝時間を決めてベッド入るようにしましょう。起床、3食の食事、就寝などパターンを体に覚えてもらうように心がけましょう。

◆医療機関に定期受診し、主治医と相談する

自宅での様子の確認、症状の確認やお薬の効果を定期的に確認することは非常に重要です。定期的に受診し、ご家族、ご本人が不安に思っていることなど、ささいな事でも相談してみてください。

特に倦怠感に関しては、貧血などが合併していることもあるので、症状が悪くなっているようでしたら主治医に相談し血液検査など追加の検査を行ってもらうようにしましょう。

下記記事では起立性調節障害のセルフチェックについて解説していますので、ぜひ参考にしてください。

 

 

下記記事では「起立性調節障害の子供に対して親御さんができること」をまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

【参考】

田中大介 監修『起立性調節障害(OD)朝起きられない子どもの病気がわかる本』 講談社
小児心身医学会ガイドライン

トトノエライト なおくん

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