高校生になってから、朝起きられない、午前中に体調が悪い、学校や部活に思うように参加できないといった悩みが出てくることがあります。こうした不調の背景には、起立性調節障害が関係している場合があります。
高校生の起立性調節障害では、体調不良だけでなく、授業への出席、部活動、進路、人間関係などにも影響が出やすくなります。本人も「学校に行きたいのに行けない」「部活だけでも参加したい」など、周囲に伝わりにくい葛藤を抱えることがあります。
起立性調節障害は、本人の意思だけで朝起きたり体調を整えたりするのが難しいことがあります。そのため、無理に登校や運動を促すのではなく、症状の特徴を理解したうえで、生活面の工夫や学校との連携を考えることが大切です。
本記事では、高校生の起立性調節障害の治し方や、学校・部活動への向き合い方、親ができるサポートについて解説します。

高校生が起立性調節障害を患った場合の治し方
高校生の起立性調節障害では、生活リズム、学校生活、進路への不安などが重なり、本人も家族も対応に迷うことがあります。
ここでは、高校生が起立性調節障害と診断された場合に考えたい対応を、生活面・治療面・心理面に分けて解説します。
まずは本人と家族が病気への理解を深める
起立性調節障害は、小学生や中学生にみられることが多い病気とされていますが、高校生になってから症状が目立つ場合もあります。また、中学生の頃からの症状が高校生になっても続いたり、高校進学による環境の変化やストレスによって体調の波が強く出たりすることもあります。
高校生の場合、本人が自分の体調や学校生活への影響を理解し、自分なりに向き合っていくことも大切です。ただし、起立性調節障害は本人の意思だけで朝起きたり、体調を整えたりするのが難しいことがあります。
そのため、本人や家族が「やる気の問題」と決めつけず、起立性調節障害の特徴や症状の出方を理解することが大切です。
症状の経過には個人差があり、数か月で落ち着く場合もあれば、数年単位で経過を見る場合もあります。焦らず、医療機関と相談しながら対応していきましょう。
生活面では水分補給や起き上がり方を工夫する
起立性調節障害では、自律神経の働きや血圧・脈拍の調整がうまくいかず、立ち上がったときに脳への血流が一時的に不足しやすくなることがあります。その結果、倦怠感、ふらつき、めまい、場合によっては失神のような症状がみられることもあります。
生活面では、急に立ち上がらず、時間をかけてゆっくり起き上がることが大切です。起き上がる前に水分を摂る、暑い時期は脱水に注意する、長時間立ち続ける場面では無理をしないなど、体調に合わせた工夫を取り入れましょう。
また、学校生活では、登校時間や授業への参加方法、体育や部活動への参加について、学校と相談しておくと安心です。体調が悪い日に無理を重ねるよりも、本人の状態に合わせて調整することが大切です。
起立性調節障害では、朝の起き方や日中の過ごし方を工夫することで、体調の波に対応しやすくなる場合があります。家庭での過ごし方や生活上の注意点を詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。
睡眠リズムと運動習慣を無理のない範囲で整える
高校生の起立性調節障害では、夜に眠れない、朝起きられないといった睡眠リズムの乱れが目立つことがあります。夜に眠れない状態が続くと、スマホやゲームで時間を過ごし、さらに就寝時間が遅くなることもあります。
ただし、単に夜更かしをしていると決めつけるのではなく、眠りたくても眠れない状態が背景にある場合もあります。まずは、寝る前のスマホ使用を見直す、朝に光を浴びる、日中に無理のない範囲で体を動かすなど、生活リズムを整える工夫を考えましょう。
運動についても、体調が安定している時間帯に、散歩や軽いストレッチなどから始める方法があります。めまいや立ちくらみが強いときに無理に運動する必要はないため、医師と相談しながら本人のペースで進めることが大切です。
起立性調節障害では、夜眠れず朝起きられない状態が続き、昼夜逆転のような生活リズムになることがあります。昼夜逆転が起こる理由や家庭での対応を詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。
必要に応じて薬物療法や心理的サポートを検討する
生活面の工夫だけでは症状が落ち着かない場合、医師の判断で薬物療法が検討されることがあります。起立性調節障害では、症状やタイプ、血圧・脈拍の状態に応じて、ミドドリン塩酸塩などの薬が使われることがあります。
ミドドリン塩酸塩は、血管を収縮させて血圧を保ちやすくする目的で使われることがある薬です。
服用のタイミングは医師の指示に従う必要がありますが、起床の30分から1時間前を目安に内服するよう指示される場合があります。薬の作用時間を踏まえ、服用後は医師に指示された範囲内で起床することが大切です。
そのほか、病型や症状によっては、メチル硫酸アメジニウムやプロプラノロール塩酸塩などの薬が検討されることもあります。薬の種類や服用期間は一人ひとり異なるため、自己判断で始めたり中断したりせず、医師の指示に従いましょう。
起立性調節障害に使われる薬の種類や服用時の注意点を詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。
また、高校生では、学校生活や進路、人間関係への不安が強くなることがあります。体調不良が長引くことで、気分の落ち込みや焦りが出る場合もあるため、必要に応じてカウンセリングなどの心理的サポートが役立つこともあります。
通院や治療に対して本人が不安や疑問を持っている場合は、無理に進めるのではなく、本人の気持ちを聞きながら主治医に相談しましょう。治療への疑問や不信感を一緒に整理し、本人が納得しながら対応を進められるよう支えることが大切です。
【関連記事】起立性調節障害の治し方
- 起立性調節障害の治し方・親ができること・治った方の事例を解説
- 起立性調節障害を改善するためには乳酸菌が重要-期待できる効果を解説
- 起立性調節障害における「光療法」効果や仕組みを解説
- セロトニン・ストレス・起立性調節障害の関係|セロトニンの分泌方法を解説
- 今すぐ実践できる運動療法|起立性調節障害
- 自宅でできる栄養療法!起立性調節障害にオススメの食べ物などを紹介
- 起立性調節障害に効果的な食べ物(栄養素)とは?1日の摂取量や控えたい食べ物を解説
- 起立性調節障害はプロテイン(タンパク質)で症状が改善されるの?
- 起立性調節障害はサプリで症状が改善されるの?
- 起立性調節障害における硬膜外酸素注入療法とは?期待できる効果を解説

起立性調節障害の子どもに対して親ができること
高校生の起立性調節障害では、本人の体調に合わせた生活面の工夫と、心理的なサポートの両方が大切です。ここでは、親御さんが家庭でできるサポートについて解説します。
水分補給や食事など体調管理をサポートする
起立性調節障害では、本人の意思だけで朝起きたり、体調を整えたりするのが難しいことがあります。そのため、親御さんが病気の特徴を理解し、無理のない範囲で生活面を支えることが大切です。
体のケアとしては、脱水を防ぐために水分補給を促したり、栄養バランスを意識した食事を用意したりする方法があります。また、体調がよい時間帯に軽く体を動かす、生活リズムを整えやすい環境をつくるなど、日常生活の中でできる工夫もあります。
ただし、食事や運動、生活リズムの調整は、本人に無理に押しつけるのではなく、体調や主治医の指示を確認しながら進めることが大切です。
起立性調節障害の方が意識したい栄養素や食事のポイントについては、下記の記事も参考にしてください。
焦らせず本人の気持ちを受け止める
高校生になると、本人も自分の体調や学校生活、進路について不安を感じやすくなります。朝起きられない、授業に出られない、部活動に参加できないといった状況に、親御さんが思っている以上に悩んでいる場合もあります。
親御さんも不安や焦りを感じることがありますが、まずは本人のつらさを決めつけずに受け止めることが大切です。体調管理をサポートしながらも、心理面では過干渉になりすぎず、本人が少しずつ自信を取り戻せるように見守る姿勢も必要です。
本人の決断や意思を尊重することも、心のケアにつながります。家庭だけで抱え込まず、必要に応じて医療機関や学校とも相談しながら、本人にとって無理のない対応を考えていきましょう。
本人を責めない声かけや接し方については、下記の記事も参考にしてください。
起立性調節障害の治し方は、薬だけでなく、生活面の工夫や家庭でのサポートも含めて考えることが大切です。親ができる対応や治療の進め方を詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。
【関連記事】起立性調節障害の治し方
- 起立性調節障害の治し方・親ができること・治った方の事例を解説
- 起立性調節障害を改善するためには乳酸菌が重要-期待できる効果を解説
- 起立性調節障害における「光療法」効果や仕組みを解説
- セロトニン・ストレス・起立性調節障害の関係|セロトニンの分泌方法を解説
- 今すぐ実践できる運動療法|起立性調節障害
- 自宅でできる栄養療法!起立性調節障害にオススメの食べ物などを紹介
- 起立性調節障害に効果的な食べ物(栄養素)とは?1日の摂取量や控えたい食べ物を解説
- 起立性調節障害はプロテイン(タンパク質)で症状が改善されるの?
- 起立性調節障害はサプリで症状が改善されるの?
- 起立性調節障害における硬膜外酸素注入療法とは?期待できる効果を解説
学校や部活はどうしたらいい?
高校生にとって、学校生活や部活動は人間関係や進路にも関わる大切な時間です。一方で、起立性調節障害の症状があると、午前中の授業に出にくい、体育に参加できない、部活動を休まざるを得ないなど、周囲と同じように行動することが難しい場合があります。
本人は「みんなと同じように参加したい」と思っていても、体調が追いつかないことがあります。また、特別扱いを受けたくない気持ちから、つらさを周囲に伝えにくい場合もあります。
そのため、親御さんは本人の希望を確認したうえで、担任や養護教諭、部活動の顧問などと情報を共有しておくことが大切です。午前中の授業への参加、体育やマラソン大会、部活動への参加方法などについて、本人の体調に合わせた対応を相談しましょう。
起立性調節障害では、体調が安定しない時期に激しい運動をすると、めまいや立ちくらみ、倦怠感が強く出ることがあります。運動を控えるべきケースや注意点を詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。
午後になると症状が軽くなり、部活動だけなら参加できる場合もあります。ただし、体調や症状の程度によって対応は異なるため、無理に参加させるのではなく、主治医や学校と相談しながら判断することが大切です。
起立性調節障害の子どもと向き合う親御さんにとっても、不安や負担は大きいものです。家庭だけで抱え込まず、医療機関や学校と連携しながら、本人が無理なく学校生活を続けられる方法を考えていきましょう。
【関連記事】起立性調節障害の治し方
- 起立性調節障害の治し方・親ができること・治った方の事例を解説
- 起立性調節障害を改善するためには乳酸菌が重要-期待できる効果を解説
- 起立性調節障害における「光療法」効果や仕組みを解説
- セロトニン・ストレス・起立性調節障害の関係|セロトニンの分泌方法を解説
- 今すぐ実践できる運動療法|起立性調節障害
- 自宅でできる栄養療法!起立性調節障害にオススメの食べ物などを紹介
- 起立性調節障害に効果的な食べ物(栄養素)とは?1日の摂取量や控えたい食べ物を解説
- 起立性調節障害はプロテイン(タンパク質)で症状が改善されるの?
- 起立性調節障害はサプリで症状が改善されるの?
- 起立性調節障害における硬膜外酸素注入療法とは?期待できる効果を解説
【参考】
日本小児心身医学会 起立性調節障害(OD)











