子供は成人と比較して感染しやすいため風邪を引きやすく発熱することも少なくありません。子育てをする親御さんにとっても必ず一度は経験することだと思います。
子供が発熱した時に最初は風邪や腸炎などを疑いやすいですが、そのほかに起立性調節障害(OD)でも発熱を起こすことを認識しておいたほうが良いでしょう。
そこで本記事では、起立性調節障害と熱の関係性やその対処法、そのほかの症状などを紹介していきます。本記事を読むことで少しでも家庭内での適切な対応ができるようになれば幸いです。

起立性調節障害と発熱
起立性調節障害にはいくつかのタイプがあり、自律神経の働きや血圧・脈拍の調整がうまくいかないことが関係していると考えられています。
自律神経とは、交感神経と副交感神経のことです。体を動かしたり活動したりするときは交感神経の働きが強くなり、眠るときや体を休めるときは副交感神経の働きが強くなります。
体を動かすときは、全身に酸素や栄養が届きやすくなるように心拍や血流が調整されます。一方、体を休めるときは心拍が落ち着き、内臓の働きが優位になりやすくなります。
起立性調節障害では、このような自律神経の切り替えがうまくいかず、朝起きられない、立ちくらみ、めまい、倦怠感、頭痛、腹痛、吐き気など、さまざまな症状がみられることがあります。症状の出方には個人差があり、診断には発熱以外の症状や生活の様子もあわせて確認することが大切です。
子どもは大人に比べて体温調節が未熟な面があり、体調や気温、活動量の影響で体温が上がりやすいことがあります。発熱の原因は感染症だけとは限りませんが、風邪や胃腸炎などの病気が隠れている可能性もあるため、自己判断で決めつけないことが大切です。
お子さんが熱を出すと、親御さんは不安になることが多いでしょう。発熱が続く場合や、高熱、強いだるさ、水分が取れないなどの症状がある場合は、早めに医療機関で相談しましょう。
起立性調節障害では、自律神経の乱れにより体温調節がうまくいかず、微熱やほてりのような症状がみられることがあります。発熱以外の症状や重症度ごとの違いを詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。
起立性調節障害と発熱の関係性

交感神経の働きが強くなることで脂肪が燃焼され、さらに筋肉の収縮も加わり、それにより発生する熱は血液によって全身に放散されます。さらに心臓の拍出も増加していますので、より熱が全身に届きます。
その結果、感染症などに罹患していなくても交感神経の働きが強くなることにより人間の体温は上昇するのです。
寒い時に身体が震えるのも交感神経が働き強制的に筋肉を収縮させることで熱を産生し体温を上昇させるのです。逆に副交感神経の働きが強くなると逆のことが起こり上昇した体温は低下していきます。そのバランスで人の体温は平熱を保っています。
起立性調節障害になれば自律神経のバランスが崩れるため、交感神経が不必要に反応すれば発熱することも考えられます。これが起立性調節障害と発熱の関係性なのです。
起立性調節障害に関連する微熱やほてりについては、何℃以上なら該当するという明確な基準はありません。
発熱が続く場合や高熱がある場合は、起立性調節障害と決めつけず、医療機関で相談しましょう。
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起立性調節障害による発熱への対応方法

発熱した場合は早期受診を
お子さんに発熱がある場合は、まず早めに医療機関で相談しましょう。
発熱だけで起立性調節障害と判断することは難しく、感染症やほかの内科的な病気が関係している可能性もあります。医療機関で必要な検査を受け、ほかの病気の可能性を確認したうえで、起立性調節障害との関連や症状への対応を考えていくことが大切です。
発熱以外にも、朝起きられない、立ちくらみ、めまい、倦怠感などがみられる場合は、起立性調節障害の可能性について医師に相談することがあります。
起立性調節障害の診断基準や検査の流れを詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。
前述した通り、起立性調節障害では自律神経の働きが乱れることで、体温調節がうまくいかず、微熱やほてりのような症状がみられることがあります。
起立性調節障害が関係していると考えられる場合は、症状や生活リズム、血圧・脈拍の状態などを確認しながら、医師と相談して対応を進めることが大切です。
しかし、自律神経のバランスを整えるとなるとそう簡単ではありません。規則正しい生活や適度な運動を行い時間をかけて修正します。
そのほかに、環境調整も非常に重要です。学校と連携し発熱時の対応を統一したり、発熱したときの状況や環境を検証し、原因となるようなストレスがなんなのか検証することも重要です。これの調整には非常に時間がかかるため、発熱に対しての迅速な対応にはなりえません。
薬物療法
一般的に、発熱時にはカロナールやイブプロフェンなどの解熱鎮痛薬が使われることがあります。ただし、起立性調節障害に関連する微熱やほてりの場合、感染症による発熱とは原因が異なる可能性があるため、自己判断で薬を使い続けるのは避け、医師に相談しましょう。
薬の使用は、症状や診断内容、体質によって判断が異なります。起立性調節障害で使われる薬の種類や注意点を詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。
クーリング(氷嚢・アイスバッグ)
熱っぽさやほてりがつらいときは、クーリングで一時的に体を冷やす方法もあります。
具体的には腋窩(えきか)や鼠径部(そけいぶ)などの血流豊富な部分に氷嚢(ひょうのう)・アイスバッグを当てて血液の温度を外から下げる方法です。
前述したようにクーリングも決して起立性調節障害の原因に直接介入できる対応ではありませんが、熱を下げるということだけなら可能です。どうしても熱が出て倦怠感に悩むようであれば試してみてください。
実際には発熱症状が先行した場合、起立性調節障害の診断よりもまずはほかの疾患の否定が最優先になります。また起立性調節障害の診断をする上では発熱以外の症状も非常に重要です。
しかし、起立性調節障害の症状は多岐にわたり個人差も多いです。診断するには発熱以外の症状についてもよく観察しなくてはいけません。そこで起立性調節障害のそのほかの症状に関しては下記の記事をご参照ください。
下記記事では「起立性調節障害の治し方・子供に対して親御さんができること」をまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
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【参考】
田中大介 監修『起立性調節障害(OD)朝起きられない子どもの病気がわかる本』 講談社
日本小児心身医学会 起立性調節障害(OD)談社








