起立性調節障害では、立ちくらみやめまい、頭痛、腹痛、倦怠感など、さまざまな症状が現れますが、生理前や生理中にこうした症状が強くなると感じる人もいます。
ただし、生理が起立性調節障害の症状を悪化させるとは一律にいえず、症状の現れ方や程度には個人差があります。
本記事では、生理の時期に起立性調節障害の症状が強くなると感じる理由と、家庭でできる対応、医療機関へ相談する目安について解説します。

なぜ生理時に起立性調節障害の症状がひどくなるのか
起立性調節障害では、立ち上がったときの血圧や心拍数などを調節する自律神経の働きに不調が生じ、立ちくらみやめまい、頭痛、倦怠感などが現れます。
生理前や生理中は、腹痛や頭痛、だるさ、眠気などの不調が加わることがあります。もともとの起立性調節障害の症状と重なることで、普段より体調が悪いと感じる場合があります。
また、経血量が多い状態が続くと、鉄欠乏や貧血につながることがあります。貧血でも立ちくらみ、動悸、息切れ、倦怠感などが現れるため、起立性調節障害の症状が強くなったように感じることがあります。
ただし、通常の月経によってすべての人の体内の血液量が大きく減り、起立性調節障害が悪化するとは限りません。症状が強くなる時期や経血量、月経痛の程度を記録し、本人の状態を確認することが大切です。
生理中に立ちくらみや動悸、強い倦怠感などがみられる場合は、起立性調節障害だけでなく、鉄欠乏や貧血が関係していることもあります。思春期に起こりやすい貧血の症状や受診の目安については、下記の記事も参考にしてください。
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生理時の対応方法
起立性調節障害の子どもが、生理前や生理中に体調を崩しやすい場合は、その日の症状に合わせて無理なく過ごすことが大切です。
バランスのよい食事を意識する
思春期は心身が大きく成長する時期のため、主食・主菜・副菜を組み合わせ、必要な栄養を偏りなく摂ることが大切です。
また、経血量が多い場合は、鉄欠乏や貧血につながることがあります。鉄はレバーや赤身の肉、しじみ、小松菜、ほうれん草などに多く含まれています。
ただし、食事だけで貧血が改善するとは限りません。立ちくらみや動悸、息切れ、強い倦怠感などが続く場合は、自己判断で鉄剤やサプリメントを使用せず、医療機関へ相談しましょう。
思春期は体形を気にして食事量を減らしてしまう子どももいますが、過度な食事制限は成長や体調に影響することがあります。無理なダイエットは避け、必要な食事量を確保することが大切です。
月経に伴う腹痛や頭痛が強い場合は、適切に鎮痛薬を使用する
起立性調節障害でも頭痛や腹痛がみられることがありますが、生理による腹痛や頭痛が重なると、普段より体調不良を強く感じる場合があります。
痛みを我慢し続ける必要はありません。市販薬や処方薬を使用する場合は、年齢や体調に合ったものを、医師や薬剤師の指示に従って使用しましょう。
定期的に受診している場合は、生理中の痛みについても主治医に相談しておくと安心です。鎮痛薬を使用しても日常生活に支障が出るほど痛みが強い場合や、痛みが年々強くなる場合は、婦人科や小児科への相談を検討しましょう。
十分な睡眠と休息をとる
生理前や生理中に体調が悪いときは、普段以上に休息を意識しましょう。
夜は照明を少し暗くし、就寝直前のスマートフォンやゲームの使用を控えるなど、眠りやすい環境を整えることも大切です。
無理をせず、その日の体調に合わせて過ごす
生理中は、腹痛や頭痛、だるさなどがみられることがあります。起立性調節障害の症状も重なっている場合は、体育や外出などを無理に予定どおり行わず、休憩を取りながら過ごしましょう。
一方で、体調が落ち着いている時間帯まで一日中横になって過ごす必要はありません。座って過ごす、短時間だけ体を動かすなど、本人の状態に合わせて活動量を調整することが大切です。
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いつまでこの状況が続くのか
初経を迎えて間もない時期は、月経周期や経血量が安定しないことがあります。また、起立性調節障害の症状も、年齢や体調、生活環境などによって変化します。
成長に伴って症状が軽くなる人もいますが、高校生以降になれば必ず改善するとは限りません。生理のたびに強い症状が出る場合や、日常生活への影響が続く場合は、年齢だけを理由に様子を見続けず、主治医へ相談しましょう。
特に、次のような場合は、婦人科や小児科への相談を検討してください。
- 経血量が多く、ナプキンを頻繁に交換する必要がある
- 生理が長期間続く
- 立ちくらみや動悸、息切れが強い
- 顔色が悪く、強い倦怠感が続く
- 月経痛で学校生活に支障が出る
- 痛み止めを使っても痛みが強い
症状の原因は起立性調節障害だけとは限りません。月経痛や過多月経、鉄欠乏性貧血などが疑われる場合は、必要に応じて検査や治療を受けることが大切です。
生理中の対応だけでなく、起立性調節障害の子どもに対して家庭でできることや、日常生活で意識したいポイントについては、下記の記事も参考にしてください。
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【参考】
田中大介 監修『起立性調節障害(OD)朝起きられない子どもの病気がわかる本』 講談社
日本小児心身医学会 起立性調節障害(OD)






