起立性調節障害とは

起立性調節障害による「下痢」|原因や対策(治療法)を解説

2022年7月8日

この記事の監修者

医師 錦惠那

医師 錦 惠那

内科一般・腎臓内科・透析科・産業医
保有資格:日本内科学会内科専門医・日本医師会認定産業医
2018年から起立性調節障害患者の診療を行い、累計30人以上の起立性調節障害患者を担当。

一般社団法人 起立性調節障害改善協会

子どもの下痢が繰り返し起こると、「何か病気が隠れているのではないか」と心配になる保護者も多いでしょう。

子どもの下痢は、感染性胃腸炎や食事、乳糖不耐症、アレルギー、ストレスなど、さまざまな原因で起こります。下痢が続くと水分が失われやすいため、子どもの様子や水分摂取量、尿の回数などを確認することが大切です。

また、朝起きにくい、立ちくらみ、倦怠感、腹痛などを伴う場合は、起立性調節障害やほかの心身の不調が関係している可能性もあります。ただし、下痢だけで起立性調節障害と判断することはできません。

本記事では、起立性調節障害と下痢の関係や、家庭での対処法について解説します。

起立性調節障害(OD)改善ガイドブック

起立性調節障害と下痢の関係

子どもの便の回数や硬さには個人差があり、年齢や食事内容、体調によっても変化します。一時的に便が軟らかくなっただけでは、必ずしも病気とは限りません。

一方で、水のような便が何度も出る場合や、腹痛、嘔吐、発熱などを伴う場合は、感染性胃腸炎などが考えられます。食事や乳製品を摂った後に下痢を繰り返す場合は、食物アレルギーや乳糖不耐症などが関係していることもあります。

起立性調節障害は、立ち上がったときの血圧や心拍数を調節する自律神経の働きに不調が生じる病気です。自律神経は腸の働きにも関係しているため、腹痛や便通の変化を伴う可能性はあります。

ただし、下痢は起立性調節障害だけにみられる症状ではなく、下痢だけで起立性調節障害と判断することはできません。朝起きにくい、立ちくらみ、めまい、頭痛、倦怠感など、ほかの症状があるかどうかも含めて確認する必要があります。

下痢が続く場合は、起こりやすい時間帯だけでなく、食事との関係、発熱や嘔吐の有無、便の状態などを記録し、医療機関に相談しましょう。

起立性調節障害では、下痢や腹部の不調だけでなく、朝の起床困難や立ちくらみ、頭痛、倦怠感などがみられることがあります。起立性調節障害の主な症状について詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。

起立性調節障害(OD)改善ガイドブック

起立性調節障害がある子どもに下痢がみられる理由

起立性調節障害は、立ち上がったときの血圧や心拍数などを調節する自律神経の働きがうまくいかず、めまい、立ちくらみ、頭痛、倦怠感などが現れる病気です。

自律神経は血圧や心拍数だけでなく、胃腸の動きにも関係しています。そのため、自律神経の働きが不安定な場合は、腹痛や吐き気、便秘、下痢などの腹部症状を伴う可能性があります。

また、学校生活や人間関係などによる不安や緊張が強いと、腹痛や便通の変化を感じやすくなることがあります。繰り返す腹痛や下痢には、過敏性腸症候群など、起立性調節障害とは別の心身の不調が関係している場合もあります。

そのため、下痢があるからといって、すべてを起立性調節障害による症状と考えることはできません。感染症や食事、アレルギー、消化器疾患など、ほかの原因がないかを確認することが大切です。

起立性調節障害と下痢があるときの対処法

子どもの下痢が続く場合は、まず便の状態や回数、発熱・嘔吐・腹痛の有無、水分を摂れているかなどを確認しましょう。下痢の原因は起立性調節障害だけではないため、症状が続く場合は小児科などの医療機関に相談することが大切です。

下痢をしているときは、水分が失われやすくなります。吐き気が強くなく、意識がはっきりしている場合は、水や経口補水液などを少量ずつ与えましょう。一度に多く飲ませると吐いてしまうことがあるため、無理のない範囲でこまめに補給します。

起立性調節障害と診断されている場合は、医師の指示に従いながら、睡眠や食事、水分摂取などの生活習慣を整えていきます。ただし、生活リズムを無理に変えたり、体調が悪い日に運動を強要したりすることは避けましょう。

下痢が繰り返し現れる場合は、次の内容を記録しておくと受診時の参考になります。

  • 便の回数や状態
  • 症状が起こる時間帯
  • 腹痛、発熱、嘔吐の有無
  • 食事や乳製品との関係
  • 水分摂取量と尿の回数
  • 朝の起床困難や立ちくらみなど、ほかの症状

下痢とともに腹痛を繰り返す場合は、痛みが現れる時間帯や食事との関係なども確認しておきましょう。起立性調節障害に伴う腹痛の特徴や対処法については、下記の記事も参考にしてください。

市販の下痢止めを自己判断で使用すると、原因によっては適さない場合があります。薬を使用する際は、医師や薬剤師に相談してください。

下記記事では「起立性調節障害の治し方・子供に対して親御さんができること」をまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。

【参考】
田中大介 監修『起立性調節障害(OD)朝起きられない子どもの病気がわかる本』 講談社
日本小児心身医学会 起立性調節障害(OD)

起立性調節障害(OD)改善ガイドブック

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