起立性調節障害とは

起立性調節障害による「めまい」を治す方法・原因・特徴を解説|目まい、目眩

この記事の監修者

医師 星野綾美

医師 星野 綾美

五百山クリニック院長
内科
保有資格:医学博士(総合医療学)

 

起立性調節障害による「めまい」を治す方法・原因・特徴を解説|目まい、目眩

誰しもが一度はめまい症状を経験したことがあるのではないでしょうか?

例えば、お風呂上がりにのぼせてふらついたり、メリーゴーランドに乗るだけでめまいが誘発されます。めまい症状が起きると吐き気や嘔吐も誘発され、場合によっては体動困難に陥ることもあります。

子供でもめまい症状で苦しむ可能性があります。原因は多岐に渡りますが、そのうちの1つに起立性調節障害(OD)があります。起立性調節障害によるめまい症状は場合によって重症化すれば通学などの日常生活に著しい影響を与えます。

そこで本記事では、めまい症状の出現した子供に対する原因の見つけ方や、その後の対応方法についてわかりやすく解説していきます。

起立性調節障害による「めまい」の原因

一言にめまいと言ってもその原因は多岐に渡ります。また、原因によってはめまいの症状や性質にも差が出てきます。本書では特に小児に多いめまいを中心に解説していきます。

小児でめまいを自覚する病態は主に、耳鼻科疾患による平衡感覚異常、小脳の異常、心因性、そして脳血流の低下などが挙げられます。

人間の平衡感覚は三半規管と呼ばれる部分で感知され、前庭神経と呼ばれる神経で脳に伝えられます。つまり、三半規管や前庭神経に異常が生じると平衡感覚に狂いが生じてめまいが出現します。

具体的には、良性発作性頭位めまい症、メニエール病、前庭神経炎などが挙げられ、これらの疾患によるめまいは景色がクルクル回るような回転性めまいが多いと言われています。

次に小脳の異常に伴うめまいについてです。小脳は上記の前庭神経から情報を得て、平衡感覚のバランスを調整する役割があります。

脳出血や脳梗塞、脳腫瘍などが原因で小脳になんらかの影響を及ぼした場合、平衡感覚のバランスを失いめまいが生じる可能性が高いのです。この場合、船の上のふらつきのような浮動性のめまいが生じます。

次に、心因性のめまいについてです。うつやヒステリー、パニック障害などの方は、血の気の引くような立ちくらみを伴うめまいを自覚することがあります。

最後に、脳血流の低下に伴うめまいについてです。一過性の脳の血流低下は全般的な脳の機能障害を引き起こし、立ちくらみのようなめまいが生じます。

脳の血流が低下する疾患としては、不整脈や先天性心疾患などの心臓病や、脳の血管異常、もしくは自律神経の失調に伴う起立性調節障害などが挙げられます。

起立性調節障害は自律神経の調節不全が原因です。成長期になると自律神経のバランスが不安定になり、脳血流が低下することで様々な症状が出現する病気です。

起立時に本来活性化すべき交感神経がうまく働かず脳の血流が低下してしまい、全身倦怠感や立ちくらみ、めまいなどの症状が出現し起床後にうまく動けなくなってしまうのです。

起立性調節障害の場合、起立時に全般的に脳血流が低下してしまい、脳幹や小脳への酸素供給が低下することで機能障害を引き起こしてめまい症状が出現すると考えられます。

起立性調節障害による「めまい」の特徴

上記のような原因疾患ごとに、めまい症状にはある程度の特徴があります。

前述にしたように、耳鼻科疾患に伴うめまいは回転性のぐるぐるとしためまいで、疾患によっては難聴も伴います。また急性発症であることが多く、症状が長期間持続することは稀です。

では、起立性調節障害に伴うめまいにはどんな特徴があるのでしょうか?

起立性調節障害のめまいは立ち上がると脳血流が低下して出現します。よって、めまいは午前中、特に起床時に出現しやすいという特徴があります。逆に午後になると交感神経が遅れて活性化してくるため、症状が緩和されてくるというのも特徴の1つです。

次に、めまいの性質に関してですが、全般的な脳の血流低下が引き起こるため、血の気の引くような立ちくらみを伴うめまい症状が主です。

同様の発症機序のめまいとしてお風呂上がりのめまいや貧血のふらつきをイメージするとわかりやすいかもしれません。また、慢性的で持続的な経過をたどる特徴もあります。

起立性調節障害による「めまい」を治す方法

起立性調節障害によるめまい症状が出現した場合の対応方法についてご紹介します。

病気の本態は脳血流の低下であるため、まずは横になり脳血流を確保することで症状の悪化を防ぐべきです。基本的に脳血流が改善すれば症状も改善します。

次に、起立する際にはしっかり飲水して血液量を増やした状態でゆっくりと立ち上がるべきです。起立時の動作や姿勢だけでも症状を軽減できます。

また、起立時に下肢に血液を取られないように、足をクロスして起立するのも1つの手段です。

これらの対応方法は全て急性期の対応方法であり、長期的な症状の治療には起立性調節障害そのものの改善を期待するしかありません。

起立性調節障害は発症後1年で約50%が、数年もすれば約80%が自然に症状が治る病気です。めまい症状とその都度向き合いながら、症状が徐々に改善するのを待つのも1つの手段です。

稀に日常生活に大きく支障をきたすほど重症化する子供もいるため、その場合は薬物療法などの医学的介入が必要になります。

 

下記記事では「起立性調節障害の子供に対して親御さんができること」をまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

【参考】
田中大介 監修『起立性調節障害(OD)朝起きられない子どもの病気がわかる本』 講談社
日本小児心身医学会 起立性調節障害(OD)

トトノエライト なおくん

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