起立性調節障害とは

起立性調節障害と発熱の関係性は?原因や対処法を紹介

この記事の監修者

医師 伊藤 信久

医師 伊藤 信久

グレースメディカルクリニック院長
内科・循環器内科・糖尿病脂質代謝内科・外科
保有資格:日本外科学会認定登録医・日本循環器学会循環器専門医

 

起立性調節障害と発熱の関係性は?原因や対処法を紹介

子供は成人と比較して感染しやすいため風邪を引きやすく発熱することも少なくありません。子育てをする親御さんにとっても必ず一度は経験することだと思います。

子供が発熱した時に最初は風邪や腸炎などを疑いやすいですが、そのほかに起立性調節障害(OD)でも発熱を起こすことを認識しておいたほうが良いでしょう。

そこで本記事では、起立性調節障害と熱の関係性やその対処法、そのほかの症状などを紹介していきます。本記事を読むことで少しでも家庭内での適切な対応ができるようになれば幸いです。

起立性調節障害と発熱

起立性調節障害にはいくつかの病態が存在しますが、そのどれもが基本的には自律神経のバランスが悪化して引き起こります。

自律神経とは交感神経と副交感神経のことを指します。肉体を動かしたり活発な動きをする場合には交感神経の働きが強くなります。逆に入眠したり体を休めるときには副交感神経の働きが強くなります。

体を動かす際には全身に酸素が届くように交感神経の働きが強くなり、筋肉が収縮したり、心臓が普段よりも強く早く拍動して血液の流れを促進させます。逆に体を休めるときには副交感神経の働きが強くなり、心臓を休めたり、筋肉ではなく内臓により多くの血流を供給するようにシフトチェンジするのです。

しかし、起立性調節障害の場合はこのシフトチェンジに支障をきたしている状況なのです。それにより様々な症状が出現し個人差も大きいため診断も難しくなります。

子育てをしてきた親御さんなら誰しもが経験すると思いますが、子供は簡単に発熱します。これは単純に免疫力が低いだけではありません。

本来、体温が高まると人間は発汗することで体外に熱を逃がすように機能されています。しかし、子供は発汗能力が大人よりも低いため体内で発生する熱をうまく逃がす術に乏しいのです。その結果、感染しているかしていないかに関わらず子供の体温は上昇しやすい状態にあります。

しかし、大変なのは親御さんです。きっと子供が熱を出すたびに親御さんは心配になるものですよね。もちろん命に関わるような重篤な病気であればすぐに診断しなくてはいけませんし、軽症だとしても腸炎や上気道炎であればそれに見合った治療が必要です。

起立性調節障害でも発熱することがあるということも認識しておきましょう。ここで起立性調節障害と発熱の関係性を解説します。

起立性調節障害と発熱の関係性

起立性調節障害における発熱の原因

交感神経の働きが強くなることで脂肪が燃焼され、さらに筋肉の収縮も加わり、それにより発生する熱は血液によって全身に放散されます。さらに心臓の拍出も増加していますので、より熱が全身に届きます。

その結果、感染症などに罹患していなくても交感神経の働きが強くなることにより人間の体温は上昇するのです。

寒い時に身体が震えるのも交感神経が働き強制的に筋肉を収縮させることで熱を産生し体温を上昇させるのです。逆に副交感神経の働きが強くなると逆のことが起こり上昇した体温は低下していきます。そのバランスで人の体温は平熱を保っています。

起立性調節障害になれば自律神経のバランスが崩れるため、交感神経が不必要に反応すれば発熱することも考えられます。

これが起立性調節障害と発熱の関係性なのです。また、この場合の発熱の体温の基準などは規定されていません。何℃以上が発熱であるという決まりもありません。

起立性調節障害による発熱への対応方法

起立性調節障害における発熱の対応方法

発熱した場合は早期受診を

まずお子さんが発熱していれば早めに医療機関を受診しましょう。

単純に発熱だけではまだ起立性調節障害と診断できず、むしろ重篤な疾患を見逃す方が怖いからです。医療機関にて検査を受けて内科疾患などを否定した上で起立性調節障害と診断された場合、次に症状に対する対処を考える必要があります。

前述した通り起立性調節障害による発熱の原因は自律神経のバランスが崩れた結果出現しているものですので、最も効果的な対処法は自律神経のバランスを整える治療が重要です。

しかし、自律神経のバランスを整えるとなるとそう簡単ではありません。規則正しい生活や適度な運動を行い時間をかけて修正します。

そのほかに、環境調整も非常に重要です。学校と連携し発熱時の対応を統一したり、発熱したときの状況や環境を検証し、原因となるようなストレスがなんなのか検証することも重要です。これの調整には非常に時間がかかるため、発熱に対しての迅速な対応にはなりえません。

薬物療法

一般的に発熱にはカロナールやイブプロフェンなどの解熱鎮痛剤などを使いますが、感染の炎症による発熱ではないため本来の使用目的からずれた使い方になってしまいます。

他にも自律神経調節薬が有効であった報告はありますが、使用は医療機関の判断に委ねられるかと思います。抗うつ剤などの効果は認められていません。

クーリング(氷嚢・アイスバッグ)

そこで、発熱に対してご自宅でも簡易的かつ効果的に行える対処法はクーリングです。具体的には腋窩(えきか)や鼠径部(そけいぶ)などの血流豊富な部分に氷嚢(ひょうのう)・アイスバッグを当てて血液の温度を外から下げる方法です。

前述したようにクーリングも決して起立性調節障害の原因に直接介入できる対応ではありませんが、熱を下げるということだけなら可能です。どうしても熱が出て倦怠感に悩むようであれば試してみてください。

実際には発熱症状が先行した場合、起立性調節障害の診断よりもまずはほかの疾患の否定が最優先になります。また起立性調節障害の診断をする上では発熱以外の症状も非常に重要です。

しかし、起立性調節障害の症状は多岐にわたり個人差も多いです。診断するには発熱以外の症状についてもよく観察しなくてはいけません。そこで起立性調節障害のそのほかの症状に関しては下記の記事をご参照ください。

 

⇒起立性調節障害の症状

 

下記記事では「起立性調節障害の子供に対して親御さんができること」をまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

【参考】
田中大介 監修『起立性調節障害(OD)朝起きられない子どもの病気がわかる本』 講談社
日本小児心身医学会 起立性調節障害(OD)談社

トトノエライト なおくん

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